ジ・アウトローズ(The Outlaws)徹底解説:南部サザンロックの名盤・代表曲とツインギターの魅力
ジ・アウトローズ(The Outlaws) — プロフィール
ジ・アウトローズは1970年代に米国サウスで結成されたサザンロック/カントリーロックの代表的バンドです。ツイン(あるいはトリプル)ギターによるリードとハーモニー・ボーカルを特徴とし、長尺のギター・ソロを含むライブ・パフォーマンスで高い評価を受けました。1975年のデビュー作『The Outlaws』で一躍注目を集め、「Green Grass and High Tides」などの曲はバンドを象徴するクラシックとなっています。
初期の主要メンバーにはヒューイ・トマソン(Hughie Thomasson)、ヘンリー・ポール(Henry Paul)、ビリー・ジョーンズ(Billy Jones)、デイヴィッド・ディクス(David Dix)、モンテ・ヨーホ(Monte Yoho)、フランク・オキーフ(Frank O'Keefe)らが名を連ね、メンバーの入れ替わりはあるもののアウトローズは1970年代後半から80年代にかけて独自のサウンドを確立しました。
ジ・アウトローズの魅力 — 深掘り解説
ジ・アウトローズの魅力は一言で言えば「郷愁を誘う南部の風景」と「白熱するギター・アンサンブル」の共存にあります。以下、要素ごとに詳しく見ていきます。
1. ギター・アンサンブルとハーモニー
- ツインギター(時に三本)の緻密なハーモニーとカウンターメロディはバンドの核。ロックの疾走感とカントリーの繊細なフィンガーピッキングを同時に聴かせる。
- 長尺のインプロヴィゼーション(例:「Green Grass and High Tides」)でライブを締めくくることが多く、ギター好きにはたまらない聴きどころが満載。
2. メロディとコーラスの親和性
- フォーク/カントリー由来のシンプルで耳に残るメロディに、複数の声が厚くハモるボーカル・アレンジが絡む。商業路線でもポップすぎず、南部らしい土着感を保っている。
- シングル曲(「There Goes Another Love Song」など)はラジオ向けのキャッチーさをもちつつ、アルバム曲に深みを残すバランス感が秀逸。
3. 歌詞とイメージ
- アウトローや旅路、田舎の風景、失恋といったテーマが中心で、風景描写的な歌詞が楽曲に情緒を与える。
- バンド名「アウトローズ(ならず者)」に象徴される自由や反骨のイメージが楽曲・ステージに一貫性を与えている。
4. ライブの強さ
- 録音作品よりもライブで真価を発揮するタイプ。曲のテンポや構成を拡張して即興的なギターワークを楽しませる。
- 観客との一体感を重視するプレイスタイルは、サザンロックのフェスやツアーで強烈な印象を残す。
代表曲・名盤の紹介
- The Outlaws (1975) — デビュー作。ドラマティックなイントロと長尺ギター・パートを持つ「Green Grass and High Tides」を含む、バンドの原点的名盤。
- Lady in Waiting (1976) — よりポップでメロディ重視の楽曲が並び、シングル志向の曲も増えた時期。バンドの音楽性の幅が広がったアルバム。
- Hurry Sundown (1977) — サザンロックとカントリーの更なる融合を示す作品。演奏のタイトさと楽曲の完成度が高い。
- Ghost Riders (1980) — タイトル曲「Ghost Riders in the Sky」のカバーがヒットし、やや商業的に成功した一作。バンドの知名度を広げた重要作。
- 代表曲 — 「Green Grass and High Tides」「There Goes Another Love Song」「Ghost Riders in the Sky」など。ライブでの名演が語り継がれる作品群。
サウンドの技術的考察
ジ・アウトローズのサウンドは単なるギターの重なりではなく、以下のような技術的要素で成り立っています。
- リードとリズムの役割分担が明確で、メロディックなリードが曲を牽引しつつもリズムギターがグルーヴを支える。
- 複音ハーモニー(ギターのハーモニー)とコーラスワークが同期し、楽曲全体を立体的に聴かせる。
- カントリー由来のフレージング(スライド、チョーキング、トリル等)をロックのダイナミクスに組み込むことで、幅広い表現力を実現している。
メンバー交代とサウンドの変遷
結成以来、メンバーの入れ替わりは繰り返され、これが作品ごとの色合いに影響を与えてきました。初期はよりジャム志向で、後期にはポップ寄りや商業的アプローチを試みた時期もあります。ヒューイ・トマソンのソングライティングとギターワークはバンドの核でしたが、メンバーの変化によりアレンジやプロダクションに微妙な違いが生まれ、これがアウトローズの多様性につながっています。
影響と遺産
ジ・アウトローズはレーナード・スカイナーやオールマン・ブラザーズと並ぶサザンロックの重要バンドとして、後のアメリカーナ、ルーツロック、ジャムバンドに影響を与えました。「長尺のギター曲をアルバムのハイライトに据える」スタイルは、多くのギタリストやライブバンドに受け継がれています。また、カントリーとロックの境界を曖昧にした点で、ジャンル横断的な影響力を持っています。
どんな人におすすめか
- ギターインストの長尺プレイやツインギターのハーモニーが好きなリスナー。
- サザンロック、カントリーロック、70年代ロックの温度感を味わいたい人。
- ライブでの即興演奏、演奏者同士の呼吸を楽しむリスナー。
まとめ
ジ・アウトローズは、南部の叙情性とロックの力強さを両立させたバンドです。ギターのアンサンブル、コーラス、ライブでのスリリングな展開は今なお色褪せず、サザンロックの重要な遺産として聴き継がれています。代表曲や名盤から彼らの持つ「荒野を走るような自由」と「緻密な演奏」をぜひ体感してみてください。
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