Saxon NWOBHMをヴィニールで聴く:入門からコレクターまで必携の名盤ガイドとアナログ盤の選び方

はじめに — Saxonとは何者か

Saxonは1970年代末から活動するイギリスのヘヴィメタル・バンドで、NWOBHM(ニュー・ウェーブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)を代表する存在の一つです。スピード感あるリフ、シンプルで力強いソングライティング、観客を巻き込むアンセム性が特徴で、バンドの黄金期は1980年前後に集中しています。本稿では、レコード(アナログ盤)で聴く価値のあるおすすめ作品をピックアップし、各作の聴きどころやヴィニールでの楽しみ方(どの盤を狙うと良いか、コレクター視点のポイント等)を解説します。

推薦方針

  • まずはクラシック期(1979–1984)の代表作を中心に、ライブ盤/復権作/近年作も補足。
  • 各作品は「音楽的特徴」「アナログでのおすすめポイント」「購入の目安(オリジナル盤 vs 再発)」の観点で解説。
  • 再現性の高いサウンド/コレクティブル性/聴いて楽しいアルバムを重視。

Wheels of Steel(1980) — NWOBHMの名盤、入門盤として鉄板

代表曲「Wheels of Steel」「747 (Strangers in the Night)」「Motorcycle Man」などを収めたアルバムで、Saxonの名を世界に知らしめた一枚です。疾走するギターリフと単純明快なサビの作りは、ヘヴィメタルの王道を体現しています。

  • 聴きどころ:ギター・リフの明快さ、ステージ映えするアンセム性。初期Saxonサウンドの到達点。
  • アナログ盤の選び方:オリジナル(Carrere等)初期プレスはコレクターズアイテム。音質面では近年の180gリマスター再発が良好でコストパフォーマンスも高い。

Strong Arm of the Law(1980) — より硬質なアプローチ

同年リリースのもう一枚で、前作以上にハードでタイトな演奏が光ります。タイトル曲をはじめ、鋭いリフと力強いビートが特徴で、ライブでの盛り上がりにも直結する楽曲が多いです。

  • 聴きどころ:攻撃的なアレンジと即効性のあるフック。曲ごとのテンポ変化や重心の移し方が巧妙。
  • アナログ盤の選び方:オリジナル盤は状態次第で価値が変わるので、音を楽しむならリマスター再発や高品質プレスを検討。

Denim and Leather(1981) — ファン・アンセムとクラブ的支持

「Denim and Leather」や「Princess of the Night」「And the Bands Played On」などを収録し、ファンカルチャーに寄り添う歌詞世界と親しみやすいメロディが色濃い作品。ステージで非常に映える楽曲が揃っており、Saxonの“象徴的”なアルバムのひとつです。

  • 聴きどころ:メンバーやファンを讃える歌詞と、覚えやすいコーラスライン。ライブ感の強い曲構成。
  • アナログ盤の選び方:オリジナル・UKプレスは人気だが、状態を重視。音質重視なら良好なリイシューを。

Power & the Glory(1983)/Crusader(1984) — ストーリー志向と大仰さ

「Power & the Glory」はタイトル曲の押し出しの強さが魅力で、若干プロダクションが大きくなった時期の作品。続く「Crusader」はよりメロディックで劇的な側面が強いアルバムで、コンセプチュアルな色合いも感じられます。どちらも黄金期の延長線上にありつつ、アレンジの幅を広げた試みが見られます。

  • 聴きどころ:アンセム性を保持しつつ、よりドラマティックな構築。大きなサウンドを好むリスナーにおすすめ。
  • アナログ盤の選び方:ファンならオリジナル盤収集も面白いが、音質面で満足するなら高品質プレスや公式のリマスター盤が扱いやすい。

The Eagle Has Landed(1982) — ライブ盤でSaxonの本質を体感

1982年のライブアルバムで、スタジオ録音では味わえない会場の一体感と演奏の迫力を伝えます。ライヴでの伸びやかな歌唱、リフの強さ、観客コールを含めて「Saxonの本当の魅力」が詰まっています。

  • 聴きどころ:ライブでの即興的エネルギー、スタジオ曲の別の魅力。セットリストも代表曲中心で入門用にも最適。
  • アナログ盤の選び方:初期LPはコレクター向け。最近の再発ではエッジのクリアさが改善されている盤もあるので聴く用途なら再発を検討。

Solid Ball of Rock(1991) — 復権の一枚

1990年代に入ってからの復調を示した作品で、硬質なヘヴィネスとメロディのバランスを取り戻したと評価されます。80年代の延長線上にある一方で現代的な録音感も感じられるため、80sファンにも近年リスナーにもおすすめできます。

  • 聴きどころ:起伏の効いた楽曲構成と重厚なリフ。80年代の雰囲気を残しつつ現代的に鳴らした作品。
  • アナログ盤の選び方:オリジナルのプレスは見つけにくい場合もあるので、状態の良い中古や公式再発を。

近年作(Sacrifice/Battering Ram/Thunderbolt など) — 老練さと安定感

2010年代以降もSaxonは活発に新作を発表しています。代表的な「Sacrifice」(2013)、「Battering Ram」(2015)、「Thunderbolt」(2018)などは、ベテランならではの落ち着きと演奏の安定感が魅力。新曲でもバンドの核となるリフとアンセム性は失われていません。

  • 聴きどころ:技術的な安定、曲作りの円熟。会場で映えるタイプの楽曲が多い。
  • アナログ盤の選び方:これらはリリース時のプレスが比較的新しく、音質の良い再発や限定カラー盤なども流通しており、購入のハードルは低めです。

まとめ:どの盤を最初に買うべきか

はじめてヴィニールでSaxonを手に取るなら、以下を基準に選ぶと満足度が高いです。

  • 入門+名曲をまとめて味わいたい:Wheels of Steel(またはDenim and Leather)のアナログ盤
  • ライブの熱気を体感したい:The Eagle Has Landed(ライブ盤)
  • 良好な音質で聴きたい(現代的なリマスター):公式再発の180gプレスや近年のリイシュー
  • コレクター志向:オリジナルの初期プレス(ただし状態と価格に注意)

Saxonは「一枚でバンドの全てが分かる」タイプのグループではないため、複数のアルバムを通して聴くことで、初期の荒々しさ〜大仰なメロディ〜ベテランの円熟、という流れを楽しめます。

購入・収集の豆知識(簡潔に)

・オリジナル盤はコレクション性が高いが、経年でノイズが出やすい。音質重視なら公式リマスターの重量盤を検討。
・限定カラー盤や記念盤は雰囲気が楽しいが、音質はプレスごとに差があるためレビューを参照すると安心。
・ライブ盤はその場の臨場感が魅力なので、スピーカーやプレイヤーと相性が良ければ非常に満足度が高い。

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参考文献