Eddie Lang(エディ・ラング)とは?ジャズ・ギターの歴史と聴くべき名盤ガイド

Eddie Lang(エディ・ラング)とは

Eddie Lang(1902–1933)は、ジャズ・ギターを「伴奏楽器」から「ソロ楽器」へと格上げした先駆者の一人として知られるギタリストです。1920年代から1930年代初頭にかけて活躍し、ヴァイオリンのJoe Venutiとのデュオを中心に、小編成のインタープレイやスタジオ・セッションで多くの名演を残しました。単なるリズム楽器に留まらないメロディックな単音ソロ、和音の使い方、歌を支える伴奏センスはいまのジャズ/ポピュラーギターの基礎に大きな影響を与えています。

なぜ聴くべきか(短く要点)

  • ギターのソロ楽器化の歴史を実感できる:ソロと伴奏を瞬時に切り替える演奏術が聴ける。
  • ヴァイオリン(Joe Venuti)とのデュオは若い即興派にも学びが多い:対話形式のインタープレイの教科書的録音。
  • 当時の録音技術で残された“生のジャズ”のエッセンスが濃縮されている。

おすすめレコード(厳選)

Eddie Langの音源は当時の78回転シングル中心に発表され、今日ではコンピレーションやコンプリート盤として入手するのが実際的です。以下は「音楽的価値」と「入手のしやすさ」を基準に選んだおすすめ盤カテゴリです。

  • Joe Venuti & Eddie Lang(デュオ/小編成集)
    解説:ヴァイオリンとギターのデュオはLangの代表的な仕事。ここにジャズの対話(call-and-response)やアンサンブルでの表現が凝縮されています。技術的にも感情表現でも学びが大きいです。多くのレーベルが「Joe Venuti & Eddie Lang」名義でまとめたCDやデジタル全集を出しています。
  • セッション/伴奏集(Bing Crosby等のスタジオ仕事)
    解説:Langは人気歌手の伴奏者としても重宝されました。歌を支えるためのコードワーク、バッキングの引き際など、伴奏者としての職人的技巧を学べます。代表的な歌手との共演を集めた編集盤がおすすめです。
  • ソロ/リーダー音源を集めたコンピレーション
    解説:単独名義の録音や小リーダー作を集めたもの。Langの個人的な音楽性やリーダーとしての選曲感覚がわかります。Document RecordsやChronological Classicsなどが刊行している“コンプリート”系シリーズが充実しています。
  • 全曲集・ボックスセット(入門用の“コンプリート”)
    解説:まずはまとめて聴きたいという人向け。年代順にまとめられているとLangの演奏スタイルの変遷が追いやすく、Venutiとの共演やセッション仕事を横断的に楽しめます。音源の出典表記や解説が充実したものを選ぶと理解が深まります。

各盤の「聴きどころ」と楽しみ方のヒント

  • デュオ集(Venutiとの共演)
    聴きどころ:楽器同士が“会話”している様子。ヴァイオリンが旋律をとるときのLangの伴奏、逆にギターが主導する場面での流麗な単音フレーズ。フレーズの終わり方(終止の処理)、強弱のつけ方に注目すると当時の即興観が見えてきます。
  • セッション伴奏集
    聴きどころ:歌を引き立てるためのシンプルかつ効果的な和音選択、タイムの作り方。Langのバッキングは歌心を損なわず、時に洗練された装飾を加える巧みさがあります。歌とギターの“距離感”に注目してください。
  • ソロ/リーダー音源
    聴きどころ:単独でのフレーズ展開、ソロの組み立て方。20〜30秒程度の短いソロの中で如何にテーマを回収し、聴き手の耳に印象を残すか。和声の使い方(当時のポピュラー和声感)にも耳を傾けてみましょう。
  • 全集もの(年代順)
    聴きどころ:演奏スタイルの変化、録音クレジットから分かる共演者の顔ぶれ。録音年代でのジャズ潮流の影響(スイング前夜のアンサンブル感や、ポピュラー曲のアプローチ)を追うのが面白いです。

選盤のポイント(何を基準に買うか)

  • 「解説が充実しているか」:録音年代や共演者、セッションの背景がわかると理解が深まります。
  • 「音質・リマスタリングの方針」:初期録音が多いため、ノイズ除去・EQの処理方針が異なります。やや自然な音作りを好む人もいれば、ノイズを大幅に取り除いた復刻を好む人もいます。
  • 「収録範囲」:Venutiとの共演が欲しいのか、伴奏仕事を中心に聴きたいのかで選ぶと効率的です。
  • 「フォーマット」:CDボックス/単体編集盤/ストリーミング。まとまった学習目的なら全集系CD、気軽に入門するならストリーミングのプレイリストも便利です。

聴くときの具体的な耳の使い方(ワークショップ的)

  • 1回目:音楽全体を楽しむ。メロディや雰囲気をつかむ。
  • 2回目:ギターにフォーカスして、ソロ箇所と伴奏箇所を区別する。
  • 3回目:短いフレーズを耳コピしてみる(1〜2小節)。Langのフレージングやリズム感が体感できます。
  • 4回目:Venutiとの会話に注目。どのように互いのフレーズを受けて返しているかを追う。

まとめ:Eddie Langを聴くことの価値

Eddie Langはジャズ・ギター史を語るうえで欠かせない存在で、彼の録音を通じて「ギターはどうやって歌を伴い、また歌い得るのか」を学べます。歴史的音源ゆえに入門の敷居を感じるかもしれませんが、デュオ集やコンピレーションを一枚聴くだけでその重要性と魅力が十分に伝わるはずです。

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参考文献