Sony WH-1000XM5徹底レビュー:ノイズキャンセリングと音質、実用性を深掘り

WH-1000XM5 概要と特徴

Sony WH-1000XM5(以下XM5)は、2022年に登場したソニーのフラグシップ・ノイズキャンセリングヘッドホンのモデルチェンジ版です。前モデルWH-1000XM4の完成度をさらに高めることを狙い、ノイズキャンセリング(ANC)の強化、通話品質の改善、デザインの刷新といった要素がポイントになっています。本稿では、デザイン・装着感、ANC、音質、通話品質、バッテリーと接続性、そして実際の使用感や競合比較までを技術的観点とリスニング観点の両面から深掘りします。

デザインと装着感

外観は前モデルから大きく改められ、横長でスリムな見た目へとシフトしました。ヘッドバンドとイヤーカップの接合部が細くなり、全体的に軽快な印象を与えます。イヤーパッドは柔らかい素材で長時間装着でも耳周辺への圧迫感が抑えられており、静かな環境での長時間リスニングや移動中の使用で快適性を感じやすい設計です。

注意点として、XM5は従来モデルのようにイヤーカップを折りたたんで小さくまとめる構造ではなく、携帯時のケース収容形状が変わっています。ポータビリティは維持されていますが、“折りたたみ収納”を重視するユーザーは事前にケース形状を確認しておくとよいでしょう。

ノイズキャンセリング(ANC)の進化

ANCはXMシリーズの看板機能の一つで、XM5でも最重要改良ポイントとなっています。ソニーはハードウェアとソフトウェアの両面で改善を行い、外音取り込み用マイク配置の最適化と信号処理の強化により、特に中高域の環境ノイズ低減が向上していると報告されています。

実使用では、電車や飛行機内の低周波ノイズに加え、人の会話やオフィスの雑音といった中高域のノイズに対しても抑制力が高く、音楽再生の没入感が一段と増します。メーカーの公称や第三者レビューの計測結果を総合すると、ANC性能は同価格帯の有力ライバル機に対して優位性を持つと評価されることが多いです。

音質とチューニング

音の性格はクリアでバランスの良い中庸寄りのチューニングです。低域は量的にしっかり出る一方で過度なブーストは控えめで、キックやベースラインの輪郭が保たれます。中域は自然でボーカルの聞き取りやすさを重視しており、高域も刺さりを抑えた滑らかな描写です。ジャンルを問わず使いやすい総合力の高いサウンドと言えるでしょう。

さらに、ソニーのアプリ(Headphones Connect)を介してイコライザー(EQ)や、DSEE(音質補完)や360 Reality Audioなどのソフトウェア機能を利用できます。ハイレゾ相当のワイヤレス伝送を可能にするLDACにも対応しており、対応機器と組み合わせることでワイヤレスながら高解像度再生に近い体験が得られます。

通話性能・マイク性能

XM5は通話品質の改善にも力を入れており、複数のビームフォーミングマイクと骨伝導センサー(ボイスピックアップ向上)を組み合わせています。これにより、風切り音や周辺雑音がある場面でも声の鮮明さが保たれる設計です。リモート会議や外出先での通話での実用性が高く、マスク着用時の声の拾いも比較的良好です。

バッテリーと接続性

バッテリー持続時間は通常使用で十分な部類で、1回の充電で長時間の再生が可能です(ANCオン時の実働時間についてはメーカー公称値と実使用では差がでる場合があります)。USB-Cによる充電、そしてクイックチャージ機能により短時間での一定の再生時間確保が可能です。

接続面ではBluetoothコーデックにLDAC、AAC、SBCをサポートし、マルチポイント接続(複数機器の同時接続)にも対応しているため、スマートフォンとPCを切り替えて使うような環境でも利便性が高いです。

アプリとスマート機能

Headphones Connectアプリを通じて、ノイズキャンセリングの強度や外音取り込みの挙動、イコライザー設定、360 Reality Audio、DSEEなどの機能カスタマイズが可能です。また、Adaptive Sound Control(使用状況を学習して自動でサウンドモードを切替)やSpeak-to-Chat(会話検出で再生を一時停止)など、日常使いで便利な機能が搭載されています。

実際の使用感(ジャンル別の傾向)

  • ポップス/ロック:ボーカルの存在感が良く、バランスよく聴ける。アコースティック系も滑らかに再現。
  • エレクトロニカ/ダンス:低域の量感がありつつも制動力があるため、ビートのキレは良好。
  • クラシック/ジャズ:中高域の解像力が高く、楽器の定位感が感じられる。超高域の情報量は機器次第で差が出る。

競合モデルとの比較

ANCと総合的な使い勝手で比較すると、Boseのノイズキャンセリング搭載モデルやAppleのヘッドフォン(AirPods Max)とよく比べられます。BoseはANCで定評があり、AirPods Maxは音場やビルドクオリティに強みがありますが、XM5はバランスの良い音質、アプリ連携、便利な機能群、そして価格帯でのコストパフォーマンスを考えた際に非常に競争力が高い位置づけです。

購入を検討する際のポイント

  • ノイズキャンセリング性能を最重視するか、音質・携帯性・アプリ連携など総合力を重視するかを整理すること。
  • 長時間の装着感は良好だが、折りたたみ収納を優先するユーザーはケース形状を確認すること。
  • ハイレゾワイヤレス(LDAC)を活かすには対応プレイヤーやスマートフォンが必要。
  • 価格は発売時の実勢で高価格帯に位置するため、セールや市場価格をチェックすること。

まとめ

WH-1000XM5は、ソニーが長年磨いてきたノイズキャンセリング技術と音づくりをブラッシュアップしたモデルで、オールラウンドに高い完成度を示します。通勤・出張での雑音除去、リスニングにおける音楽の没入感、リモートワークでの通話品質など、現代の使用シーンに合わせた総合力の高さが魅力です。唯一の懸念点は携帯性(折りたたみの仕組みの違い)や価格面ですが、機能と性能に対する満足度は高く、多くのユーザーに強く推奨できるモデルと言えるでしょう。

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参考文献