Oasis(オアシス)徹底解説:結成から解散、楽曲・影響・遺産まで
イントロダクション — なぜOasisは今も語られるのか
1990年代のブリットポップを象徴するバンド、Oasis(オアシス)は、荒削りなロックンロール精神とポップでキャッチーなメロディを併せ持ち、世界的な成功を収めました。兄弟であるノエル・ギャラガー(作曲・ギター)とリアム・ギャラガー(ボーカル)を中心にしたドラマティックな人間関係、強烈な個性、そして時代を代表する名曲群は、解散から長い年月が経った現在でもリスナーや後進ミュージシャンに影響を与え続けています。本稿では、結成から活動の過程、主要作品の分析、内紛と解散、そして現在に至るまでの遺産を詳しく掘り下げます。
結成と初期(1991〜1994)
Oasisはマンチェスター南部のバーニッジ(Burnage)出身の若者たちによって1991年に結成されました。初期メンバーはリアム・ギャラガー(ボーカル)を含む数名で、後にノエル・ギャラガーが加入してバンドの作曲/リードギターと事実上のリーダーとなります。1994年にリリースされたデビューアルバム『Definitely Maybe』は、発売直後から英国内で爆発的な反響を呼び、当時の英国デビュー作としては最速の売れ行きを記録しました。この頃からOasisの粗削りだがソングライティングに優れたスタイルと、リアムの個性的なボーカルが確立されます。
ブレイクと絶頂期(1994〜1997)
『Definitely Maybe』に続き、1995年のセカンドアルバム『(What’s the Story) Morning Glory?』は世界的な大ヒットとなり、シングル「Wonderwall」や「Don’t Look Back in Anger」「Champagne Supernova」などを生み出しました。これらの楽曲は英国だけでなく国際的にも高い評価を受け、Oasisは90年代を代表するバンドとして確固たる地位を築きます。
1995年にはBlurとのいわゆる"Battle of Britpop"(ブリットポップの対決)が起こり、メディアは両者の対立を大きく取り上げました。商業面と文化的象徴性の双方で注目を集めたこの対立は、90年代英国ポップ・ロック史における重要な出来事として語られます。
1997年に発表されたサードアルバム『Be Here Now』は発売直後に記録的なセールスを記録しましたが、その重厚なプロダクションと長尺な楽曲群は賛否を呼び、後年には過剰な表現として批評されることもありました。
主要メンバーとラインナップの変遷
- ノエル・ギャラガー(Noel Gallagher) — リードギター、主要ソングライター
- リアム・ギャラガー(Liam Gallagher) — リードボーカル
- ポール・“ボーンヘッド”・アーサーズ(Paul "Bonehead" Arthurs) — ギター(初期)
- ポール・“ギグシー”・マクギガン(Paul "Guigsy" McGuigan) — ベース(初期)
- トニー・マッカーoll(Tony McCarroll) — ドラム(初期)
1990年代後半から2000年代にかけてはラインナップ変更が相次ぎ、アラン・ホワイト(Alan White)、ジェム・アーチャー(Gem Archer)、アンディ・ベル(Andy Bell)らが加入してバンドの音像を変化させていきます。
楽曲の特徴と作風分析
Oasisの楽曲は、強いメロディー、シンプルで覚えやすいコーラス、ビートルズからの影響を感じさせる和声進行が特徴です。ノエルのソングライティングはポップなフックとロックのダイナミズムを両立させ、リアムのシャウト気味で感情のこもった歌唱が楽曲に独特の個性を与えています。
初期はストレートなロックンロール寄りのアレンジが目立ち、セカンド以降はより広がりのあるサウンド、壮大なコーラス、層の厚いギターアレンジが導入されました。一方で2000年代に入るとプロダクションや曲構成に変化が見られ、英ロックの伝統を踏襲しながらもモダンな要素を取り入れる試みが行われました。
代表作とその評価
- Definitely Maybe(1994)— デビュー作。勢いと自信に満ちた楽曲群が評価され、英国ロックの復権を印象づけた。
- (What’s the Story) Morning Glory?(1995)— 世界的大ヒット作。『Wonderwall』『Don’t Look Back in Anger』を収録し、90年代を代表するアルバムの一つとされる。
- Be Here Now(1997)— 発売当初は好評かつ商業的成功を収めたが、過剰なサウンド作りとして批判されることも多く、バンドの過渡期を象徴する作品。
バンド内の確執とスキャンダル
Oasisの物語から切り離せないのが、ノエルとリアムの確執です。頻繁な口論、ステージやインタビューでの暴言、時には暴力沙汰と報じられることもありました。こうした摩擦は創作への刺激となる一方で、バンド活動の足枷にもなりました。2000年代に入ってからも断続的に衝突が続き、最終的に2009年にノエルがバンドを脱退する決断を下すことになります。
解散とその後(2009〜)
2009年8月、ノエルはステージ裏での口論をきっかけにバンドから脱退を表明し、Oasisは事実上解散しました。ノエルはその後2011年にソロ・プロジェクト「Noel Gallagher’s High Flying Birds」を立ち上げ、コンスタントに作品を発表しています。リアムはBeady Eyeを結成して活動した後、2017年以降はソロアーティストとして大成功を収め、デビュー・ソロアルバム『As You Were』は高い評価を得ました。
影響と遺産
Oasisは単に商業的に成功しただけでなく、多くの若いミュージシャンに影響を与えました。彼らの"アンセミック"なコーラスワーク、ストレートなロック精神、そして90年代英音楽シーンにおけるカリスマ性は、ポスト・ブリットポップ世代のバンドに脈々と受け継がれています。音楽産業における"ロックスター像"を象徴する存在として、メディアやドキュメンタリー、回顧展などで繰り返し取り上げられています。
ディスコグラフィ(主要アルバムとシングル)
- 主なアルバム:Definitely Maybe(1994)、(What’s the Story) Morning Glory?(1995)、Be Here Now(1997)、Standing on the Shoulder of Giants(2000)、Heathen Chemistry(2002)、Don’t Believe the Truth(2005)、Dig Out Your Soul(2008)
- 代表シングル:Supersonic、Live Forever、Some Might Say、Wonderwall、Don’t Look Back in Anger、Champagne Supernova
総括:Oasisの続きを聴く意味
Oasisの魅力は、完璧さや技巧ではなく、感情の純度とロックの根源的なエネルギーにあります。ノエルのポップセンスとリアムの声質、そして英国の伝統的なポップロックを現代で鳴らし続けた点が、彼らを特別にしています。解散から年月が経ってもなお、楽曲はラジオや映画、広告などで耳にする機会が多く、時代を超えたポピュラリティを保っています。
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参考文献
- Britannica: Oasis(英語)
- AllMusic: Oasis Biography(英語)
- NME: Oasis(英語)
- BBC Music(アーティスト紹介ページ、英語)
- Wikipedia: Oasis(日本語)


