風に乗せるフォークの詩―南こうせつと歌い継ぐ季節

南こうせつ(本名:南高節)さんは、1949年2月13日に大分県大分市竹中村(現・大分市)で生まれた日本を代表するフォークシンガーです。
1970年にシングル『最後の世界』でソロデビューを果たし、同年に結成したフォークグループ「かぐや姫」のリーダーとして『神田川』『赤ちょうちん』『妹』など数々のミリオンヒットを送り出しました。
グループ解散後も『夢一夜』『夏の少女』などのソロヒットを重ね、1975年には吉田拓郎さんと共に日本初の大規模オールナイト野外コンサートを静岡・つま恋で開催しました。
1986年からは10年間にわたり「広島ピースコンサート」を主催し、核兵器廃絶を訴えるチャリティ活動を展開されています。2021年にはコロナ禍でのメッセージを込めたオリジナルアルバム『夜明けの風』をリリースされました。


生い立ちと音楽への目覚め

幼少期と家族背景

南こうせつさんは三人兄弟の三男として、曹洞宗の勝光寺を実家に持ちながら、豊かな自然の中で育ちました。高校時代には伊勢正三さんらとフォークグループを結成し、文化祭でオリジナル曲を披露したことが音楽人生の原点となりました。

大学進学と上京

明治学院大学社会学部に進学されたものの、音楽への情熱を優先して中退。1970年4月にシングル『最後の世界/むなしいうた』でソロシンガーとしてデビューを果たしました。


かぐや姫時代の栄光

グループ結成と初期活動

1970年10月に「南高節とかぐや姫」として大島三平さん、山田パンダさん、伊勢正三さんらと新生かぐや姫を結成し、フォークの新風を巻き起こしました。

ミリオンヒット「神田川」

1973年9月にリリースされたシングル『神田川』は160万枚を超える大ヒットを記録し、その後リリースされた『赤ちょうちん』『妹』も相次いでミリオンセラーとなりました。

解散の背景

1975年春にアルバム『かぐや姫フォーエバー』をリリース後、メンバー間の音楽性や進路の違いから惜しまれつつ解散を決断されました。


ソロキャリアと主要作品

武道館公演

ソロ転向後の1976年3月には、日本人シンガーソングライターとして初の日本武道館ワンマン公演を開催し、大きな成功を収められました。

代表的ソロヒット

  • 『夢一夜』(1975年10月リリース)
  • 『夏の少女』(1976年7月リリース)

これらの楽曲は優しいメロディと詩情あふれる歌詞で幅広い支持を得ています。

オリジナル・アルバム

かぐや姫名義からソロ作品まで、『レッツゴーかぐや姫』『三階建の詩』『ねがい』『KOHSETSU FOUR 今こころのままに』など、多彩な名盤を次々と発表されています。


社会貢献とフェスの先駆け

つま恋オールナイトコンサート

1975年8月に静岡県つま恋で吉田拓郎さんと共に開催された国内初の大規模野外オールナイトコンサートは、約5万人を動員し、日本の夏フェス文化の原点となりました。

広島ピースコンサート

1986年から10年間にわたり、核兵器廃絶を訴えるチャリティコンサートを継続的に主催し、多くの寄付と社会的注目を集めました。

環境と共生のメッセージ

1992年以降は日比谷野外音楽堂で『GREEN PARADISE』を企画し、都市の緑と音楽の共生をテーマに活動されています。


近年の活動と最新作

『夜明けの風』

2021年9月発売のオリジナルアルバム『夜明けの風』では、コロナ禍の不安を乗り越える希望のメッセージを全5曲に込められています。ミュージックビデオでは「どんなに世界が暗くても 夜明けの風は吹く」という歌詞が映像で表現され、高い評価を得ました。

田舎暮らしと創作

現在は大分県杵築市を拠点に家庭菜園やガーデニングを楽しみながら創作活動を続けられ、年数回のコンサートでファンを魅了しています。


ディスコグラフィー概要

  • ソロデビューシングル『最後の世界/むなしいうた』 (1970年4月)
  • かぐや姫大ヒット曲『神田川』 (1973年9月)
  • ソロヒット『夢一夜』 (1975年10月)、『夏の少女』 (1976年7月)
  • 50周年記念アルバム『いつも歌があった』 (2015年)
  • 最新オリジナルアルバム『夜明けの風』 (2021年9月)

参考文献

エバープレイの中古レコード通販ショップ

エバープレイでは中古レコードのオンライン販売を行っております。
南こうせつさんのレコードも取り揃えておりますので是非一度ご覧ください。
https://everplay.base.shop/

また、レコードの宅配買取も行っております。
ダンボールにレコードを詰めて宅配業者を待つだけで簡単にレコードが売れちゃいます。
是非ご利用ください。
https://everplay.jp/delivery