【初心者からプロまで必見!レコードプレーヤーの「プラス8」機能の全てとその魅力】
プラス8とは何か?レコードの世界での魅力に迫る
音楽のフォーマットとして、CDやサブスクリプションサービスの普及によりデジタル音源の利用が一般的になりましたが、一方でアナログレコードの人気が根強く続いています。そんな中、「プラス8(Plus 8)」という名前を聞いたことがある人もいるでしょう。プラス8は、レコードと深く関わる重要な要素の一つであり、アナログ音楽の魅力を支える専門的な用語です。本記事では、プラス8について、特にレコードに関する視点から詳しく解説していきます。
プラス8とは?その基本的な意味
「プラス8」とは、レコード再生時のピッチ(速度)の調整範囲のことを指す場合が多く、主にDJ用のターンテーブルなどで使われる用語です。ターンテーブルに装備されているピッチコントロール機能が「±8%」の範囲で速度を調整できるモデルのことを「プラス8」と呼びます。この「±8%」という数値は、再生速度を元の速さから最大で8%速くもしくは遅くも調整できることを示しています。
例えば、通常の33 1/3回転のLPレコードの場合、プラス8のピッチコントロールを使うと、回転数や再生時間を微調整して曲のテンポを自在に変えることが可能になります。これにより、自由なミックスやビートマッチが行いやすくなり、DJプレイの幅が広がるのです。
プラス8とアナログレコードの関係
デジタル音源の調整とは異なり、アナログレコードのピッチ調整は技術的にも繊細な作業です。レコードは物理的に盤を回転させることで音が再生されるため、その回転速度を調整することで音の高さやテンポが変わります。
- プラス8のピッチコントロールは、主にターンテーブルのモーター制御やプラッターの回転速度を微調整する機能として実装されている。
- この調整によって、一つのレコードでも異なるテンポで複数の曲をつなぐことができるため、DJが音楽を滑らかにミックスする上で非常に役立つ。
- また、ライブやラジオ放送では、微妙なピッチの変化で曲の雰囲気を変える演出も可能になる。
プラス8が標準的なピッチコントロール範囲として認識されている背景には、ターンテーブル市場の歴史的経緯があります。多くの有名なダンスミュージック向けターンテーブル(例:Technics SL-1200シリーズなど)に±8%のピッチコントロールが搭載されており、DJ文化の黎明期から現代にいたるまで主流の仕様として定着しています。
ターンテーブルにおけるプラス8の役割
レコードDJがターンテーブルで演奏を行う際、音のテンポを揃える「ビートマッチング」は基本的な技術です。プラス8のピッチコントロールは、このビートマッチングをスムーズに行うための重要なツールとなります。
- ターンテーブルのプラス8ピッチスライダーを操作して、曲のテンポを8%以内で自由に変えられる。
- これにより、異なる曲同士のテンポ差を埋め、シームレスなミックスが可能になる。
- また、微妙な速度調整により、楽曲のキー(音程)を少しだけ変えて音のマッチングをとることもできる。
プラス8の範囲は初心者からプロDJまで幅広く使われていますが、一部のハードコアなターンテーブル愛好家や特定のジャンルのDJは、さらに広範囲なピッチ調整(±16%など)を求めることもあります。しかし、±8%の幅は多くのケースで「自然なテンポ変化」として使いやすく、バランスの取れた設定といえるでしょう。
プラス8以外のピッチコントロール
プラス8以外にも、市場にはさまざまなピッチコントロールレンジを持つターンテーブルがありますが、レコード文化においてはプラス8が一種の「標準」とされています。主なピッチコントロールの範囲は以下の通りです。
- ±8%:最も一般的で使いやすい。多くのDJターンテーブルが採用。
- ±16%:より大きなテンポ調整が可能で、特にエレクトロニカやハードコアテクノで需要が高い。
- ±6%:若干範囲が狭いが、クラシックやジャズなど原曲のテンポを尊重するジャンルでは違和感が少なく好まれる。
しかし、プラス8がなぜ定番となったかの理由は、あまりに大きなピッチ変化はレコードの音質や回転ムラに影響を及ぼしやすいことから、これを避けつつも十分に調整可能な幅としてバランスが取れているためです。
レコードに対するピッチ調整の注意点
プラス8であっても、過剰なピッチ調整は物理レコードの音質に負担をかける可能性があります。特に以下のポイントに注意が必要です。
- 速度変化が大きいと音質が劣化しやすい:ピッチ幅の上限近くでの再生はトーンコントロールへの負担やワウ・フラッターという回転ムラを生じることがある。
- 針やカートリッジへの影響:ピッチを変えても針のトレース能力は変わらないため、負荷が変化し、トラッキングエラーのリスクが増す場合がある。
- 楽曲の楽器音程が不自然になるリスク:キーが変わるため、元の楽曲の雰囲気が崩れることもある。
このため、プラス8の範囲内であっても音楽性や機器の特性を考慮して慎重にピッチ操作を行うことが求められます。プロのDJの中には、音質劣化を避けるために±3〜5%程度の範囲での調整にとどめる方も多くいます。
プラス8がもたらすDJ文化とレコードの復権
なぜ現代でもプラス8のピッチコントロールが重要視されるのか。それは、アナログレコードならではの温かみある音質や直感的な操作性が、いまだに多くの音楽愛好者とDJ達を惹きつけているからに他なりません。
- プラス8のピッチ調整機能があることで、アナログレコードは単なる固定再生のメディアではなく、生きた音楽ツールとして進化を遂げている。
- ターンテーブリストやDJにとって、レコードの回転速度を自在に操作できることは創造的表現の根幹をなす。
- また、ヴィンテージレコードや限定プレス盤を使って多様な音の世界をミックスする際の柔軟性は、プラス8なしには考えられない。
さらに近年のアナログレコードの再評価ブームは、こうした技術的背景も後押ししており、単なる懐古趣味を超えた「現在進行形の音楽シーン」となっています。
まとめ:プラス8はレコード時代の重要なピッチコントロール機能
今回はレコードにおける「プラス8」について解説しました。プラス8は、±8%の範囲でターンテーブルの回転速度を調整できるピッチコントロール機能のことを指し、多くのDJターンテーブルで標準的に採用されています。その適度な調整幅は、音質を損なわずにテンポやキーを微妙に変えることができるため、DJプレイやアナログレコードの楽しみ方に深く結びついています。
CDやデジタル音源が一般的になる現代でも、プラス8を含むアナログ機材の操作性や音質の魅力は色あせていません。アナログにこだわる人、レコードを使ったDJプレイに挑戦してみたい人にとっては、プラス8のピッチコントロールは習得すべき基本的かつ重要なテクニックと言えるでしょう。
レコードというフォーマットの奥深さを理解し、プラス8の意味と役割をしっかり知ることで、より豊かな音楽体験が待っています。これからもその魅力を探求しつづけてみてはいかがでしょうか。


