初心者からコレクターまで必見!レコードサイズ「インチズ」の歴史と選び方のすべて
イントロダクション:インチズとは何か?
レコードの世界において、「インチズ」という用語は非常に重要です。音楽収集家やレコード愛好家なら一度は耳にしたことがあるでしょう。特にアナログレコードのサイズを表す際に使われるこの言葉は、レコードの直径を示す単位「インチ」をそのまま指すことが一般的です。今回のコラムでは、レコードに関連する「インチズ」の意味、歴史、各インチの特徴、そして収集や再生の際に注意すべきポイントについて詳しく解説します。
レコードサイズの基本:インチで表されるレコードの直径
アナログレコードはその直径によって幾つかの種類に分けられます。これらのサイズは一般的にインチで表現され、主に「7インチ」「10インチ」「12インチ」の3種類が存在します。これらのサイズは盤面の大きさだけでなく、再生時間や再生速度にも影響を与えます。
- 7インチ:直径約7インチ(約17.8cm)で、主にシングル盤として使われる。
- 10インチ:直径約10インチ(約25.4cm)。LPレコードが登場する前の時代に多く使われた。
- 12インチ:直径約12インチ(約30.5cm)で、一般的にLP(ロングプレイ)盤に用いられる。
7インチレコードの特徴と歴史
7インチレコードは、1940年代後半から1950年代にかけて主にシングル盤として広まったサイズです。片面に1曲ずつ収録されることが多く、45回転(45rpm)の速度で再生されます。直径が小さいため、再生時間は1曲あたり約3~5分程度が一般的です。
このサイズのレコードは主にポップミュージックやシングルヒット曲を販売するために作られており、手頃な価格で大量に流通したため、多くのアーティストのヒットシングルがこのフォーマットでリリースされました。また、ジャケットが小型でコレクション性も高く、ヴィンテージ市場でも非常に人気があります。
10インチレコードの用途と変遷
10インチレコードは1920年代から1950年代初頭にかけて広く使用されました。LPが主流になる前の時代、10インチはスタンダードなアルバムサイズとして位置付けられていました。再生速度は一般的に78回転(78rpm)が主流でしたが、後に33 1/3回転のLPも登場しました。
しかし12インチLPの登場により長時間収録が可能になったため、10インチ盤は徐々に姿を消していきます。現代ではコレクター向けの限定盤やリイシュー盤として稀に制作されることもありますが、実用的な面ではあまり使われていません。
12インチレコードとLPの黄金時代
12インチレコードはLP(Long Play)レコードの代名詞的存在であり、音楽アルバムを収録するための最も一般的なサイズです。1948年にコロンビア・レコードが33 1/3回転でのロングプレイレコードを発売したことにより、12インチ盤が標準となりました。
このサイズのレコードは片面に最大20~30分の音楽を収録できるため、アルバム単位での再生体験を提供します。ジャケットも大きく、アートワークや解説書が充実することから、音楽文化の一部としても楽しめるのが特徴です。12インチ盤はクラシック、ジャズ、ロック、ポップなど、幅広いジャンルで用いられており、現在でも新譜やリイシューが活発にリリースされています。
インチズと回転数の関係
レコードのサイズと同様に「回転数(RPM)」も重要です。インチズだけでなく、回転数の違いによって音質や収録時間にも差が生まれます。主な回転数は以下の通りです。
- 33 1/3回転(LP):主に12インチレコードに用いられ、長時間の音楽を高音質で収録可能。
- 45回転(シングル):7インチレコードで多く見られ、シングル曲の収録に最適。
- 78回転(SPレコード):戦前~戦後初期のレコードに多く使われたが、音質は現代ほど良くない。
このため、インチズと回転数はセットで考える必要があり、例えば7インチ盤でも33 1/3回転のものは比較的珍しいです。逆に12インチ盤でも45回転仕様のものは音質向上を狙ったDJ用やオーディオマニア向けに存在します。
なぜレコードサイズは重要か?
音楽コレクターやレコード愛好家にとってインチズは単なる大きさの違い以上の意味を持ちます。サイズにより収録時間や音質、さらにはジャケットの魅力や音楽の聴き方が変わるからです。以下の点が主な重要要素となります。
- 収録時間と音質のトレードオフ:12インチLPは長時間の収録が可能ですが、音溝の密度を高めることで音質向上を狙う45回転12インチも存在します。
- コレクション性:7インチシングルはレアなジャケットやアーティスト別に揃えやすくコレクションの幅が広がります。
- プレイヤーの対応:再生機器によっては特定のサイズや回転数に対応しないものもあり、適切なプレイ環境を用意する必要があります。
インチズを意識したレコードプレイのポイント
インチズに合わせてレコードプレイヤーの針やスピンドルの長さ、ターンテーブルのサイズなどを調整することが快適なレコード体験には不可欠です。特に以下の点を心得ておくと良いでしょう。
- スピンドルとアダプター:7インチ盤はスピンドル穴が大きい場合があり、適切なアダプターを使う必要がある。
- アームの高さと針圧:盤の厚さやサイズにより針圧やアームの高さ調整が必要な場合がある。
- 回転速度の切り替え:33 1/3rpmと45rpmの切り替え機能を持つプレーヤーを選ぶことが、多様なレコード再生の鍵。
まとめ:インチズはレコードの文化そのもの
アナログレコードにおける「インチズ」は、単にサイズを意味するだけでなく、そのサイズにより音楽の楽しみ方や文化が形作られてきた歴史的な要素です。7インチ、10インチ、12インチというそれぞれの違いを理解し、また回転数や再生環境と併せて把握することで、レコードの魅力をより深く味わえます。
今なお多くの音楽ファンやDJ、そしてコレクターの間で愛され続けているアナログレコード。その基本的な単位である「インチズ」の理解なくして、本当の意味でのアナログの魅力は語れません。ぜひ、あなたのコレクションや音楽鑑賞に役立ててください。


