ワイドスプーンとは?広い波動で魚を惹きつけるルアーの特徴と使い方

1. ワイドスプーンとは

ワイドスプーンとは、スプーンルアーの中でも幅が広く設計されたタイプのルアーを指します。
その名の通り「ワイド=広い」形状によって、水の抵抗を大きく受け、ヒラヒラと大きなアクションを生み出すのが特徴です。

この動きが、水中で小魚や弱ったベイト(餌となる魚)が漂うように見えるため、魚に「簡単に捕まえられる獲物」と錯覚させ、思わず食いつかせる効果があります。
主に**トラウト(ニジマス・ヤマメなど)**の管理釣り場や渓流釣りでよく使用されますが、海釣りやバス釣りでも効果を発揮します。


2. ワイドスプーンの形状と構造

ワイドスプーンは、一般的なスプーンと比べて次のような形状上の違いがあります。

比較項目ワイドスプーンナロースプーン
広い狭い
アクションヒラヒラと強い波動タイトで直線的
抵抗強め弱め
飛距離短め長め
向いている層表層・中層深場・流れの速い場所

このように、ワイドスプーンは水の抵抗を多く受けて泳ぐため、スローリトリーブ(ゆっくり巻く)でもしっかりと動くのが魅力です。
そのため、魚が活性の低いときや、表層で弱い波動に反応しているときに特に効果的です。


3. ワイドスプーンのアクション(動き)

ワイドスプーンの最大の特徴は、「スロースピードでもしっかり泳ぐ」点です。

その泳ぎは、金属ルアーとは思えないほどゆったりとしたS字のようなヒラヒラアクションを描きます。
この動きが魚の視覚に強く訴え、食い渋り時でも思わず口を使わせることができます。

特に有効なのは以下のようなシーンです:

  • 放流後ではなく、魚がスレてきたタイミング
  • 水温が低く、魚の動きが鈍いとき
  • 晴天時やプレッシャーが高い釣り場
  • 表層や中層に魚が浮いているとき

つまり、ワイドスプーンは「魚の活性が低いときの救世主」とも言えるルアーなのです。


4. ワイドスプーンの使い方

基本的な使い方は、**キャストしてゆっくり巻くだけ(ただ巻き)**です。
ただし、水深や魚の反応に応じて以下のようなテクニックを加えると、より効果的になります。

① ただ巻き(基本)

リールを一定速度で巻くだけ。
スプーンの形状が自動的に泳ぎを作るので、初心者でも安定してアクションを出せます。

② ストップ&ゴー

巻く→止める→巻くを繰り返す。
止めた瞬間にスプーンがフワッと沈む「フォールアクション」で魚が反応しやすくなります。

③ トゥイッチ

竿先を軽くチョンチョンと動かして不規則な動きを演出。
特にスレた魚や興味はあるけど食わない魚に有効です。


5. ワイドスプーンの重さとレンジコントロール

ワイドスプーンは幅広のため、同じ重さでも沈むスピードが遅くなります。
そのため、「軽いスプーン=表層向き」、「重いスプーン=中層〜底付近」と覚えておくとよいでしょう。

重さ主なレンジ特徴
1.0〜1.8g表層ゆっくり巻いてヒラヒラと誘う
2.0〜3.0g中層汎用性が高く、広い層を探れる
3.5g以上深場風の強い日や流れのある場所に対応

特に管理釣り場では、1.5g前後のワイドスプーンが定番。
浮き気味の魚を狙うなら1g以下もおすすめです。


6. ワイドスプーンのカラー選び

カラーは天候や水質によって効果が大きく変わります。

  • 晴天・クリアウォーター → シルバー、ナチュラル系カラー
  • 曇天・濁り水 → ゴールド、チャート、オレンジ
  • 朝夕マズメ → レッド、ピンク、蛍光系
  • プレッシャーが高い釣り場 → マットカラー、地味系

「ワイドスプーン=ゆっくり見せる釣り」なので、魚に見切られないように控えめカラーを選ぶのも効果的です。


7. おすすめのワイドスプーンブランド

現在、国内外で人気のあるワイドスプーンのブランドは以下の通りです。

  • スミス「D-コンパクト」シリーズ
  • ダイワ「プレッソ ルパン」シリーズ
  • ロデオクラフト「ノアボス」シリーズ
  • フォレスト「M2」シリーズ
  • ヴァルケイン「ハイバースト」シリーズ

どれも泳ぎ出しが良く、初心者でも扱いやすい設計がされています。


8. まとめ:ワイドスプーンは「スローに誘う」ルアー

ワイドスプーンは、幅広ボディによる大きな波動で魚を惹きつけ、スローなアクションでも確実に泳ぐ万能ルアーです。
特に活性が低い状況や、見切られやすいプレッシャーの高い釣り場では、他のルアーでは出せない「自然な誘い」が武器になります。

初心者にも扱いやすく、釣りの幅を広げてくれるアイテム。
スプーン釣りを極めたいなら、まずワイドスプーンの動きを理解しておくことが第一歩です。