APIの作り方|初心者でもわかる基礎と実装ステップ
はじめに
現代のWebサービスやアプリは、単体で完結することはほとんどありません。
地図や天気情報、SNS連携など、他のサービスと「つながる」ことが当たり前になっています。
その「つながり」を実現する仕組みこそが**API(Application Programming Interface)**です。
この記事では、自分でAPIを作る方法を初心者向けにわかりやすく解説します。
「仕組みを理解して、簡単なAPIを作ってみたい」という方におすすめの内容です。
1. そもそもAPIとは?
APIとは「他のシステムやアプリとデータをやり取りするための窓口」です。
たとえば、天気予報アプリが外部の気象データを取得したり、WebサイトがChatGPTを使って回答を生成したりする際にAPIが使われます。
自分でAPIを作るということは、外部の人や他のプログラムがあなたのサービスのデータを使えるようにするということです。
2. APIを作るために必要な基礎知識
APIを作るには、以下の3つの知識が役立ちます。
- HTTP通信(GET、POSTなどの基本)
→ ブラウザやアプリがデータを送受信する仕組みを理解します。 - JSON形式
→ APIではデータをJSONでやり取りするのが一般的です。 - プログラミング言語(例:Python、PHP、JavaScriptなど)
→ サーバー上でAPIを動かすために、どの言語でも構いませんがサーバーサイド言語が必要です。
3. APIの構成要素
APIは大きく分けて以下の3つの要素で構成されます。
| 要素 | 説明 |
|---|---|
| エンドポイント(Endpoint) | APIにアクセスするためのURL。例:https://example.com/api/users |
| HTTPメソッド | データの操作を指定する命令。GET(取得)、POST(登録)、PUT(更新)、DELETE(削除)など。 |
| レスポンス | APIが返す結果データ。通常はJSON形式で返されます。 |
4. シンプルなAPIを作ってみよう(Python編)
ここでは、Pythonの軽量フレームワークFlaskを使って簡単なAPIを作ってみます。
● Step1. Flaskをインストール
ターミナルで次のコマンドを実行します。
pip install flask
● Step2. APIコードを作成
from flask import Flask, jsonify, request
app = Flask(__name__)
# サンプルデータ
users = [
{"id": 1, "name": "Nao"},
{"id": 2, "name": "Taro"}
]
# ユーザー一覧を取得(GET)
@app.route("/api/users", methods=["GET"])
def get_users():
return jsonify(users)
# 新規ユーザーを追加(POST)
@app.route("/api/users", methods=["POST"])
def add_user():
data = request.get_json()
new_user = {"id": len(users) + 1, "name": data["name"]}
users.append(new_user)
return jsonify(new_user), 201
if __name__ == "__main__":
app.run(debug=True)
このコードを実行すると、ローカルサーバーでAPIが動作します。
ブラウザで次のURLにアクセスすると、ユーザー一覧(JSONデータ)が表示されます。
http://127.0.0.1:5000/api/users
5. APIをテストしてみよう
APIはブラウザだけでなく、ツールを使って動作確認できます。
● おすすめのテストツール
- Postman:リクエスト内容を自由に設定できる人気ツール
- curl:コマンドラインでAPIを確認できる簡易ツール
例:curlで実行する場合
curl -X GET http://127.0.0.1:5000/api/users
6. セキュリティと公開のポイント
自作APIを外部公開する場合は、以下の対策が重要です。
- APIキー認証を導入する
→ 利用者を識別し、不正アクセスを防ぐ。 - CORS設定(アクセス制限)を行う
→ 特定のドメインだけがAPIにアクセスできるようにする。 - エラーハンドリング
→ 不正なリクエストや内部エラーが起きた場合に、適切なエラーメッセージを返す。 - HTTPS通信を使用
→ データを暗号化し、安全にやり取りする。
7. 実用的なAPIの応用例
- 社内システム連携API:勤怠管理と会計システムをつなぐ
- データ共有API:外部パートナーとリアルタイムでデータを交換
- AI連携API:ChatGPTなどのAI機能を自社アプリに統合
APIを作れるようになると、**あらゆるシステムやアプリを“つなげる力”**が身につきます。
まとめ
APIの作り方は、基本的なHTTP通信とJSONの仕組みを理解すれば、驚くほどシンプルです。
まずはFlaskやPHPで小さなAPIを作り、ローカルで動作させてみましょう。
APIを自作できるようになれば、あなたのアプリやシステムは「他のサービスと連携できる強力なプラットフォーム」に進化します。


