The Small Facesの代表曲とレコード盤の魅力|モッズロックの名作をオリジナルプレスで楽しむ方法
The Small Facesとは?
The Small Facesは、1960年代のイギリスを代表するモッド・ロックバンドであり、彼らの音楽スタイルや文化的影響はその時代の若者文化に絶大な影響を与えました。結成は1965年、メンバーはスティーブ・マリオット(ボーカル・ギター)、ロン・ウッド(ギター)、ケニー・ジョーンズ(ドラム)、およびジミー・ウッズ・ハリス(ベース)というラインナップでスタートしました。彼らの楽曲は、そのキャッチーなメロディとエネルギッシュな演奏からモッズの間で絶大な支持を得ており、スワンプ・ロックやサイケデリック・ロックの先駆けとしても評価されています。
代表曲紹介
The Small Facesは数多くのヒット曲をリリースしており、それらの多くはレコードでのリリースが最も評価されています。以下に、特に代表的な数曲をピックアップし、その魅力とレコードに関する情報を中心に解説します。
1. "Itchycoo Park"(1971年)
"Itchycoo Park"はThe Small Facesの中でも最も有名な楽曲のひとつであり、サイケデリック・ロックの名曲としても知られています。この曲の特徴的なボーカルのフランジャー・エフェクトは斬新で、当時のレコード制作技術の革新を象徴しています。
- リリース状況: 1971年、シングル盤(UKオリジナルはDeccaレーベルからリリース)
- フォーマット: 7インチ・シングル
- ジャケットデザイン: 通常はシンプルなスリーブで、盤面ラベルが際立つ仕様でした。
- レコードの特徴: オリジナル盤は音質が非常に良く、ヴィニールの重厚感があるためサイケファンやレコードコレクターには人気があります。
「Itchycoo Park」は、イギリスのチャートでトップ20入りし、アメリカでもヒットしました。この曲によりThe Small Facesは世界的な知名度を獲得し、のちのファンやミュージシャンに大きな影響を与えました。
2. "All or Nothing"(1966年)
"All or Nothing"はThe Small Facesの初期のヒットシングルであり、彼らの激しいモッズ・スタイルと熱量が詰まった作品です。メンバーのスティーブ・マリオットのソウルフルなボーカルが光る曲で、モッズカルチャーを象徴する名曲とされています。
- リリース状況: 1966年、Deccaレーベルから7インチ・シングルとしてリリース
- ジャケット: オリジナルのイギリス盤はシンプルなロゴ入りカラースリーブが特徴的で、レア度も高いものです。
- 盤品質: 初回プレスの盤は重量があり、ミドルテンポのパワフルなサウンドがクリアに聴こえることから、音質面で評価が高いです。
このシングルは、当時のモッズ文化のビートと魂を代表するものであり、オリジナル盤のレコードはコレクターズアイテムとして価値が高いです。
3. "Lazy Sunday"(1968年)
"Lazy Sunday"は、The Small Facesが初期のモッズ路線から少し逸脱したポップ色の強い楽曲で、その独特なシャンソン調のヴォーカルが特徴的。リリース当時は一部のファンからは評価が分かれましたが、現在では彼らの多様性を示す重要な作品として認識されています。
- リリース情報: 1968年、Immediateレーベル発行の7インチ・シングル
- ジャケット: ポップなグラフィックデザインが施された初期プレスが存在し、ビートルズのシングルと競合するタイミングで話題となりました。
- レコードの特徴: サイケデリックなサウンドながらポップで聴きやすく、プレミアムなオリジナルプレスは国内外で高値取引されています。
4. "Sha-La-La-La-Lee"(1966年)
この曲は、The Small Facesのデビューシングルのひとつであり、多くの若者たちの間で幅広い人気を獲得しました。典型的なモッズの楽曲であり、エネルギッシュなサウンドとキャッチーなコーラスが印象的です。
- リリース: 1966年、Deccaレーベルから7インチでリリース
- 盤のプレス: 初回盤はビニールの質が良く、適度な重厚感があります。
- ジャケット: シンプルなデザインながら、当時のモッズ・デザインを反映したイメージが使われています。
UKチャートでもヒットし、バンドの名を世に知らしめた重要な作品です。
5. "Tin Soldier"(1967年)
「Tin Soldier」は、The Small Facesのもっともドラマチックで完成度の高い作品のひとつです。楽曲はロックスターとしてのバンドの矜持と、より文学的で複雑な歌詞世界を見せています。繊細なアレンジの中に熱い激情が滲み出る名曲です。
- リリース: 1967年、Immediateレーベルから7インチシングルとしてリリース
- ジャケット: シングルスリーブはシンプルながら、バンドのロゴが大きく入っています。
- レコードの価値: Immediateレーベルの初版は非常に人気があり、コレクター間で高価格で取引されることが多いです。
「Tin Soldier」は、特にレコードの音質が高く評価され、ファンはオリジナル盤を熱心に探しています。
レコードコレクターにとってのThe Small Facesの魅力
The Small Facesのレコードは、単に音楽的価値だけでなく、当時のモッズ文化やインディペンデントレーベルの歴史的価値も含んでいます。特にDeccaやImmediateといったレーベルからの初版本はヴァイナルマニアには垂涎の的です。
- ヴィニールの音質:初期のプレスは厚みがあり、温かみのあるアナログ特有のサウンドが楽しめる。
- ジャケットのコレクション価値:シンプルながら時代を反映したデザインはファッション的価値も含む。
- 限定プレスとプロモ盤の希少性:特にImmediateレーベルの一部シングルは限定プレスで入手困難。
まとめ
The Small Facesは、イギリスの60年代ロックシーンにて重要な存在であり、その代表曲はどれも時代を超えて多くのファンに愛されています。レコードによるオリジナル盤の所有は、単なる音楽鑑賞以上に当時の文化や音楽技術の遺産を手にすることを意味します。今回紹介した「Itchycoo Park」や「All or Nothing」などの人気曲は、当時のレコードフォーマットで聴く価値が高く、コレクターズアイテムとしての魅力も大きいです。
もしThe Small Facesの音楽を深く味わいたいのなら、CDや配信では体感できないヴィニールの温もりと音の広がりを、是非オリジナルレコードで体験してほしいところです。その一枚一枚が、ビートルズやキンクスらと並ぶ英国ロック黄金時代の生き証人なのです。


