Deep Purple Mark II徹底解説:名盤・代表曲・ライブの魅力

Deep Purple Mark II — プロフィール

Deep Purple の「Mark II」は、ハードロック/ヘヴィメタルの発展に決定的な影響を与えた最も有名な編成のひとつです。一般に Mark II と呼ばれるラインナップは、Ian Gillan(ボーカル)、Ritchie Blackmore(ギター)、Jon Lord(キーボード)、Roger Glover(ベース)、Ian Paice(ドラム)で構成され、1969年末から1973年の最初の黄金期を築きました。彼らはロックの暴力的でありながら繊細なダイナミクス、クラシック的要素とブルース/ジャズの融合、そしてライブでの即興性によって「モダン・ハードロック」の原型を提示しました。

メンバー紹介(Mark II)

  • Ian Gillan(ボーカル) — テナーからファルセットまでのワイドレンジとシャウトを併せ持ち、劇的な表現力が曲に強いドラマを与えた。
  • Ritchie Blackmore(ギター) — ロックにクラシック/バロックの感覚を持ち込み、リフとソロ両面でバンドの核を担った。
  • Jon Lord(オルガン/キーボード) — Hammondオルガンの分厚いサウンドでギターと対等に主旋律を張り、独自の和声感を作り出した。
  • Roger Glover(ベース) — 安定したグルーヴと作曲面での貢献が大きく、バンドの楽曲構成を支えた。
  • Ian Paice(ドラム) — テクニカルかつスウィング感のあるドラムは、力強さと柔らかさを両立させる重要要素。

Mark II の音楽的魅力を深掘り

  • ギターとオルガンの「二頭体」アンサンブル
    Blackmore の歯切れ良いリフとLord のオルガンが互いに主張し合い、和声的にもリード的にもぶつかり合うことで独特の厚みが生まれる。これがMark II サウンドの象徴。
  • クラシック的手法とロックの融合
    Blackmore のフレーズやソロ構成、Lord の和音進行にはクラシックからの影響が明確で、単なるブルースロックの延長を超えたドラマ性とスケール感を楽曲に与えた。
  • ボーカルの劇場性
    Gillan のダイナミックな声域とドラマチックな歌唱は、曲の起伏を極端にし、印象的なコーラスや長尺のヴォーカル・パートを成立させた。
  • ライブでの即興性とエネルギー
    Mark II はスタジオ音源よりさらに攻撃的で即興的な演奏をライブで展開。長尺のソロや観客との一体感が、ライブアルバム『Made in Japan』で歴史的に記録された。
  • 曲作りのバランス感覚
    ヘビーなリフワークと叙情的なメロディ、インストパートの長さと構成の妙が同居しており、商業性とアーティスティック性を両立している。

代表曲・名盤の紹介

  • Deep Purple in Rock(1970) — Mark II の初めての本格的表明。ヘヴィなリフと力強いアンサンブルが詰まった一枚。代表曲「Speed King」「Child in Time」など。
  • Fireball(1971) — 実験的な要素とポップな側面が混在。エネルギッシュさを保ちつつダイナミクスが拡張された作品。
  • Machine Head(1972) — 彼らの代表作中の代表作。シンプルで忘れがたいリフ「Smoke on the Water」を含み、ロック史に残る名盤。
  • Made in Japan(1972) — ライブアルバムの金字塔。スタジオ録音を超える熱量と即興性を体感できる。特に「Space Truckin'」「Highway Star」の延長演奏が圧巻。
  • Who Do We Think We Are(1973) — バンド内の疲弊と軋轢が表面化しつつも、クオリティの高い楽曲を含む作品。

ライブ体験の重要性

Mark II の真価はライブでこそ最大化します。長尺のソロ、テンポや展開の予測不能な変化、演奏陣の掛け合い──これらはスタジオ盤では完全には再現できません。『Made in Japan』はその生々しさと即興性を記録した重要な資料であり、初めて聴く人にもライブ感の魅力を強烈に伝えます。

音楽史への影響とレガシー

  • ヘヴィリフ主体のサウンドは、後のハードロック/ヘヴィメタルに直接的影響を与えた。
  • ギターとキーボードが「競合」しつつ補完し合う編成は、多くのバンドによって踏襲された。
  • パフォーマンスの幅(ブルース〜クラシック的展開〜長尺の即興)は、アルバム制作やライブ表現の選択肢を広げた。
  • 個々のメンバー(特に Blackmore と Lord)は、その後の音楽家やシーンに大きな影響を残した。

なぜ今も聴かれ続けるのか

  • 普遍的な「強さ」と「叙情性」の共存:力強いリフと劇的なメロディのバランスが時代を超えて響く。
  • 技術と感情の両立:テクニックの高さが単なる見せ場に終わらず、楽曲の感情表現に直結している。
  • ライブ音源の魅力:録音技術の差異にも関わらず、エネルギーが伝わる演奏は色褪せない。

入門者へのおすすめの聴き方

  • まずは『Machine Head』で代表曲に触れる(特に「Smoke on the Water」「Highway Star」)。
  • 次に『Deep Purple in Rock』でバンドの原点的ヘヴィさを確認。
  • そして『Made in Japan』でライブの即興性と演奏力を体感する。アルバムの順で聴くとMark II の成長と幅がよく分かる。

結び — Mark II が残したもの

Deep Purple Mark II は、単なる“名曲の集合体”を越え、演奏技術、編曲の発明性、ライブ表現の可能性を提示した編成でした。個々の才能が化学反応を起こし、ロックの表現領域を大きく広げた点が彼らの最大の功績です。ロック史やギター/キーボード表現に興味があるなら、Mark II の諸作は必聴と言って差し支えありません。

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