ジョン・ハイアット入門:名盤・代表曲と聴きどころを徹底ガイド
John Hiatt — プロフィール
ジョン・ハイアット(John Hiatt)はアメリカのシンガーソングライターで、ルーツ・ロック、カントリー、ブルース、フォークを自在に行き来する楽曲と、皮肉と温かさが混ざった歌詞で長年にわたり高い評価を得てきました。キャリアは1970年代から続き、幾度かの低迷を乗り越えつつシンガーとしてだけでなくソングライターとしても多数の名曲を生み出してきました。多くのアーティストに楽曲がカバーされ、その普遍的なメロディと人間味ある歌詞が世代を超えて支持されています。
音楽的特徴と魅力の深掘り
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物語性と共感力の高い歌詞
ハイアットの歌詞は瞬間を切り取るスナップショットのようで、登場人物の弱さや希望が飾らずに描かれます。ユーモアと諦観が同居しており、聴き手は容易に感情移入できます。恋愛や挫折、日常の細部を通して普遍的な人間像を描く力が強みです。
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ジャンルを横断するルーツ志向
ブルース、カントリー、ロック、フォークの要素を自然に混ぜ合わせるのがハイアット流。硬派なブルース・フィーリングの楽曲もあれば、アコースティックで叙情的な曲もあり、同一作家が書いたとは思えない幅広さがあります。これが彼の作品を“アメリカン・ルーツ”の中核に据えています。
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クセのあるが説得力のある歌声
ハイアットの声はテクニカルではありませんが、汚れや皺(しわ)を含んだ表現力があります。その“人間臭さ”が歌詞のリアリティを増し、演奏のエモーショナルな説得力を高めます。歳を経るごとに深みが増したと評されることが多いです。
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メロディとコード進行の巧みさ
シンプルに聴こえるメロディにも独特のひねりやテンションの使い方があり、繰り返し聴いても飽きさせません。歌心のあるギターワークや、効果的なアレンジで曲が生き生きと展開します。
代表曲・名盤(聴きどころと一言解説)
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Bring the Family(代表作として広く知られるアルバム)
このアルバムからは「Have a Little Faith in Me」「Thing Called Love」「Memphis in the Meantime」などが生まれ、Ry Cooder、Nick Lowe、Jim Keltner ら豪華ミュージシャンが参加。ハイアットのソングライティングと演奏の魅力が凝縮された一枚です。
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Slow Turning
キャッチーなロック感とハイアットらしい語り口が融合したアルバム。タイトル曲やアルバム全体に渡るドラマ性が魅力で、ライブでも人気の高い楽曲を多数含みます。
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Crossing Muddy Waters
アコースティック主体の作品で、ハイアットの歌とギター、そして歌詞の深さが前面に出た一枚。シンプルだからこそ際立つ表現力を味わえます。
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代表曲(ピックアップ)
- Have a Little Faith in Me — 多くのアーティストにカバーされる名バラード
- Thing Called Love — エネルギッシュでキャッチー、カバーによって普及した曲
- Memphis in the Meantime — グルーヴと歌心のバランスが秀逸
- Slow Turning — 彼の歌作りとバンドワークの魅力が詰まった曲
- Riding with the King(楽曲) — 複数のアーティストに取り上げられた作品例
コラボレーションとカバーの豊富さが示す影響力
ハイアットは他ミュージシャンとの共演や、彼の曲を取り上げるアーティストが非常に多いのが特徴です。Bonnie Raitt、Emmylou Harris、B.B. King、Eric Clapton、Rod Stewart など、ジャンルや世代を超えて多くの大物が彼の楽曲をカバーしてきました。これは彼のソングライティングが普遍的な魅力を持つ証左です。
キャリアの流れとライブ
1970年代のデビュー以降、商業的な成功と低迷を繰り返しながらもソングライターとしての評価は着実に高まりました。特に1980年代後半以降のアルバム群で再評価が進み、コンスタントにツアーを行うことでファン層を育ててきました。ライブでは曲の歌詞的なドラマ性が活き、アコースティックの弾き語りからバンド編成のエネルギッシュな演奏まで幅広くこなします。
なぜ今聴くべきか — ハイアットの魅力まとめ
- 歌詞の普遍性:日常の機微や人間の弱さを包み込む言葉が心に残る。
- ジャンル横断性:ルーツ音楽を基盤に多彩な音楽表現を味わえる。
- カバーを通じた普遍的評価:様々なアーティストが自分の色で楽曲を再解釈してきた。
- ライブでの説得力:生で聴くと歌詞と歌声の魅力がストレートに届く。
入門盤の薦めと聴き方
まずは「Bring the Family」を聴いてハイアットの代表的な楽曲群に触れ、その後「Slow Turning」やアコースティック色の強い「Crossing Muddy Waters」を聴くと、彼の多面性が見えてきます。歌詞に注目して繰り返し聴くことで、言葉の含意やメロディの妙がじわじわと効いてきます。
最後に
John Hiatt は堅苦しい大作主義ではなく、日常の断片を誠実に歌にすることで聴き手の心に残る曲を作り続けてきた表現者です。世代やジャンルを超えて多くのミュージシャンに影響を与え、今もなお新しいリスナーを獲得し続けています。歌詞の物語性や温度感を味わいたい方にとって、彼のカタログは宝の山です。
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