電気ルーターとは?木材の溝掘り・面取り・装飾加工を自在に行う高精度電動工具を徹底解説

木工加工の仕上がりをワンランク上げるための電動工具として、多くの大工・家具職人・DIYユーザーが愛用しているのが 電気ルーター(電動トリマー) です。

まっすぐな溝加工から複雑な飾り面、ほぞ加工、面取りまで、
他の電動工具では難しい精密加工を実現できる のが最大の特徴です。

この記事では、
電気ルーターとは何か、仕組み、用途、ビットの種類、トリマーとの違い、選び方、安全ポイント
を専門的にわかりやすく解説します。


電気ルーターとは?

電気ルーターとは、モーターで高速回転するビット(刃)を用いて、木材に溝・穴・飾り面・面取りなどの精密加工を行う電動工具です。

回転速度は20,000〜30,000rpmと非常に高速で、
木材をきれいに削り出す能力に優れています。


電気ルーターの特徴


■ 1. 精密加工に強い

細かな溝、飾り面、立体加工まで対応。


■ 2. 加工の自由度が高い

ビットを交換するだけで、加工バリエーションが無限に広がる。


■ 3. ガイド使用で正確な直線加工が可能

ストレートガイドやテンプレートガイドと組み合わせて精度を高められる。


■ 4. ハイクラスな家具・造作加工に最適

木工職人が仕上げに必ず使う工具のひとつ。


■ 5. 電動トリマーよりパワーがある

中〜大型加工にも対応。


電気ルーターと電動トリマーの違い

項目電気ルーター電動トリマー
パワー強い(中〜大型)小〜中
適した作業深い溝・大型加工面取り・軽加工
重量重い軽い・片手で扱える
精密加工
汎用性非常に高い高い

簡単に言えば

軽い面取り → トリマー
本格的な加工 → ルーター


電気ルーターの主な用途


■ 1. 溝加工(ストレート溝)

  • 棚ダボ溝
  • 引き出しの底板溝
  • フローリングの溝加工
  • 壁の見切り溝
  • 建具加工

■ 2. 面取り(飾り面・角加工)

  • R面(丸み)
  • C面(45°落とし)
  • モールディング加工
  • エッジ装飾

■ 3. ほぞ加工・ほぞ穴

木組み工程で重要な加工にも対応。


■ 4. 彫刻・立体加工

自由曲線を削るDIY作品にも使える。


■ 5. テンプレートガイドを使った加工

文字彫りや同じ形を量産する作業に便利。


電気ルーターの仕組み

電気ルーターは以下の構造で動作します。


● 高速回転モーター

20,000〜30,000rpmの高回転。


● コレットチャック

ビット(刃)を固定する部分。


● ベースプレート

加工深さや位置を安定させる。


● 深さ調整機構

0.1mm単位の精密な深さ調整が可能。


ルータービット(刃)の種類

ビットの種類が豊富で、用途に合わせて使い分けます。


■ ストレートビット

溝加工、ほぞ穴、切り抜きなど万能。


■ トリマービット(面取りビット)

R面、C面など多種類。


■ コロ付きビット

ガイドが不要。材料の縁に沿って加工できる。


■ 目地払いビット

突き出た部分の削り取りに便利。


■ ルータービット(装飾用)

モールディング・アール・特殊形状加工に使用。


■ ダブテールビット

アリ組接合の加工に必須。


電気ルーターの種類


■ 1. 充電式ルーター

取り回しが良く、最近は高性能モデルも増加。


■ 2. AC電源ルーター(一般的)

パワーが安定し、長時間作業に向く。


■ 3. ハイパワールーター

家具工房・プロ大工向け。


■ 4. 卓上ルーター(ルーターテーブル)

材料を動かさずに加工でき、精度が非常に高い。


電気ルーターの選び方


■ 1. 出力・回転速度

パワーがあるほど加工がスムーズ。


■ 2. ビット軸径(6mm・8mm・12mm)

太い軸のほうがブレず精密。


■ 3. 深さ調整の精度

高精度になるほど作業品質が上がる。


■ 4. 集じんアタッチメント

粉じんが非常に多いため重要。


■ 5. LEDライト

切削ラインが見やすく仕上がりが向上。


電気ルーターの安全ポイント


■ 刃物なので絶対に手を近づけない

高速回転なので大事故につながりやすい。


■ 材料をしっかり固定

ブレが加工精度と安全に直結。


■ ゆっくり一定速度で動かす

急いで動かすと焦げや欠けの原因に。


■ 逆回転方向に注意

進行方向を誤るとキックバックが起こる。


■ 防塵マスクと保護メガネは必須

木粉が舞うため防塵対策は必須。


まとめ

電気ルーターとは、
木材に溝・面取り・装飾加工・ほぞ加工など多彩な精密作業を行える高回転の電動工具 です。

  • 精密加工に強い
  • 加工の自由度が高い
  • ビット交換で用途が無限に広がる
  • プロの木工現場からDIYまで幅広く活躍
  • トリマーよりパワーが強く本格加工向き

木工仕上げの質を大きく左右する重要工具で、
ひとつ持っているだけで作業の幅が大きく広がります。


参考文献(クリック可能リンク)