Candy Dulferのレコード徹底ガイド｜ジャズとファンクを味わうサックスの聴きどころ
エバープレイ編集部Candy Dulfer──ジャズ／ファンク・サックスの魅力をレコードで味わう
オランダ出身のサックス奏者 Candy Dulfer（キャンディ・ダルファー）は、ポップ、ファンク、スムースジャズを縦横無尽に行き来するプレイヤーとして国際的な人気を獲得してきました。父はジャズサックス奏者の Hans Dulfer。彼女のレコードはソロとしての演奏力だけでなく、多彩なゲストやポップ寄りのアレンジでリスナーを惹きつけます。本稿では、まず押さえておきたい代表作を中心に、各レコードの聴きどころとコレクションとしての魅力を深掘りして紹介します。
おすすめレコード：Saxuality
キャンディのブレイクスルー作で、ポップとスムースジャズのバランスが非常に良い一枚。シングル「Lily Was Here」（Dave Stewart との共演）は幅広い層に知られる代表曲で、サックスの歌心とメロディの親しみやすさが際立ちます。アルバム全体はファンキーなリズムとメロウなバラードが交互に配されており、ブランチやドライブのお供としても聴きやすい作り。
- 聴きどころ：メロディ重視のサックス表現、ポップ／R&B寄りのアレンジ。
- こんな人に：スムースジャズ入門として、あるいはサックスのメロディアスな魅力を楽しみたい人。
おすすめレコード：Sax-a-Go-Go
よりファンキーでダンサブルな側面を打ち出した作品。アップテンポでノリの良いトラックが多く、ライブで盛り上がるタイプの演奏が多彩に収められています。リズム隊とのグルーヴ感が強く出ているので、聴いていて自然に体が動くアルバムです。
- 聴きどころ：ファンク／ブギー的なグルーヴ、エネルギッシュな吹き回し。
- こんな人に：ファンクやダンスミュージック寄りのサックス作品を求める人、ライブ感を味わいたい人。
おすすめレコード：Candy Store
ポップ・ソウル、R&B、ライトなジャズが交差する作風で、洗練されたサウンドプロダクションが特徴。ゲスト・ミュージシャンとのコラボレーションや、ポップ寄りのアレンジによって、ラジオでも聴きやすい楽曲が並びます。バラエティに富んだ選曲で飽きさせない一枚です。
- 聴きどころ：メロウなナンバーとポップチューンのバランス、アレンジの完成度。
- こんな人に：洗練された都市的サックス・サウンドを好む人、ゲストの絡みも楽しみたい人。
おすすめシングル／コラボ：Lily Was Here（Dave Stewart & Candy Dulfer）
キャンディの名前を世界に広めた代表的なコラボレーション。映画音楽系のサウンドトラック的文脈から生まれたインストゥルメンタル曲で、サックスの歌心が強く印象に残ります。シングルとしての完成度が高く、キャンディのキャリアにとって象徴的な一曲です。
- 聴きどころ：シンプルながら耳に残るメロディ、サックスの表現力。
- こんな人に：一曲で彼女の魅力を掴みたい人、名曲シングルを求める人。
おすすめレコード：ライヴ盤（代表的なライヴ録音）
キャンディはライブでの表現力が非常に高く、オーディエンスを巻き込むグルーヴ感や即興力を持っています。ライヴ盤はスタジオ盤とは異なる熱気やアレンジの変化を楽しめるので、スタジオ・アルバムと合わせて聴くと彼女の幅広い魅力が見えてきます。
- 聴きどころ：即興パート、観客との一体感、アレンジのライブ特有の展開。
- こんな人に：ライヴの熱量をそのまま味わいたい人、即興演奏の魅力を聴きたい人。
作品選びの指針と聴きどころ
Candy Dulfer の作品は大きく「ポップ寄りのスムースジャズ（メロディ重視）」「ファンク／ダンス寄りのグルーヴ重視」「ライヴでの即興表現」の3種類に分けて楽しめます。初めて彼女を聴くならまずは〈Saxuality〉でメロディと声のようなサックス表現を体験し、そこからファンキーな一面を試したければ〈Sax-a-Go-Go〉やライヴ盤へ進むのがおすすめです。
- ボーカル曲が少ないため、インストゥルメンタルの「歌うサックス」を楽しみたい人に特に向く。
- コラボ曲（Dave Stewart、Prince との関係など）を追うことで、ポップス側の視点からも彼女の位置づけが見えてくる。
購買・コレクションの観点
彼女のキャリアはシングルやベスト盤、スタジオとライヴが混在しているため、自分の好みに合わせて「代表曲をまとめて聴けるベスト盤」か「特定のアルバムを深堀り」するかを決めると良いでしょう。初めてなら代表作（前述のSaxuality）から入って、その後でファンク寄りやライヴ盤に広げるのが楽しみやすいです。
最後に：ジャンル横断的な楽しみ方
Candy Dulfer の魅力は、ジャズ的な即興性とポップ／ファンクの親しみやすさの両立にあります。レコードを通して聴くことで、アレンジの細かい表情や演奏の余韻がより深く味わえます。ジャンルの壁を越えたサックス・プレイを求めるリスナーには、まず外せないアーティストです。
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