The Time(ザ・タイム)徹底解説:1980年代ミネアポリス・サウンドの名盤と聴きどころ

イントロダクション — The Timeとは

The Time(ザ・タイム)は1980年代にミネアポリス・サウンドを代表したファンク/R&Bバンドです。プリンス(Prince)周辺のミュージシャンで構成され、モリス・デイ(Morris Day)のフロントマンぶりや、ジェシー・ジョンソン(Jesse Johnson)、ジミー・ジャム&テリー・ルイス(Jimmy Jam & Terry Lewis)といったメンバーの個性が強く出ています。プリンスが楽曲提供やプロデュースで深く関わりつつ、ステージ・パフォーマンスにおけるショーマンシップとダンサブルなファンクで人気を博しました。

おすすめレコード(アルバム)と聴きどころ

  • The Time(1981)

    デビュー作。プリンスの影響色が濃く出た作品で、ミネアポリス・サウンドの原点に触れられる一枚です。ファンクとシンセ主体のアレンジ、遊び心あるヴォーカルとブラス感覚が魅力。バンドのキャラクターが初めてまとまって提示された重要作としておすすめします。

    代表曲のチェックポイント:アルバム全体のグルーヴ、初期の尖ったサウンドプロダクション。

  • What Time Is It?(1982)

    デビューを受けての2作目。よりファンキーでダンサブルな曲が揃い、バンドとしての完成度が上がった時期です。緻密なリズム・トラックやキャッチーなコーラスが光ります。ジミー・ジャム&テリー・ルイス在籍時代の色も強く出ているため、当時のメンバーのプレイを楽しみたい人に向きます。

    代表曲のチェックポイント:アップテンポ曲のキレ、メンバー間のアンサンブル感。

  • Ice Cream Castle(1984)

    バンド最大の商業的成功作にして、映画『パープル・レイン(Purple Rain)』への登場を経て幅広い注目を集めたアルバム。シングル「Jungle Love」「The Bird」など、ライブでの盛り上がり必至のナンバーが収録されています。スタジオ・サウンドの洗練度とステージの派手さが両立した1枚です。

    代表曲のチェックポイント:ブラスやコーラスのホーンワーク、ライブ受けするフックの強さ。

  • Pandemonium(1990)

    90年に出た再結成アルバムで、当時のR&B/ポップ志向を取り入れたモダンな仕上がりです。バンドの復活作として話題になり、シングルもヒットしました。80年代の生っぽいファンク感とは違う、当時の制作潮流を反映した音作りを味わえます。

    代表曲のチェックポイント:90年代前後のR&Bプロダクション、再結成ならではの勢い。

  • Condensate(2011 / The Original 7ven名義)

    メンバーが「The Original 7ven」として発表した復活作。往年のメンバーによる最新録音で、往時のファンク感を現代的に再解釈しています。長年のファンにとっては“現在のThe Time”を知るための貴重な一枚です。

    代表曲のチェックポイント:ベテランの演奏力とアレンジのこなれ具合、昔のサウンドの痕跡。

代表曲ピックアップ(聴きどころを短く)

  • Jungle Love — シンプルに盛り上がるフックと演奏の楽しさ。

  • The Bird — ダンサブルなリズムとキャッチーなコーラス。

  • 777-9311(What Time Is It?収録) — ドライヴ感あるリズムとシンセの使い方が印象的。

  • Jerk Out(Pandemonium収録) — 再結成期のヒットで、ポップ寄りのアプローチが特徴。

聴きどころ/楽しみ方の視点

  • 「プリンスの影響」を探す:初期はプリンスが楽曲提供/プロデュースで深く関与しているため、その痕跡(シンセ、リズム、アレンジのこだわり)を意識して聴くと面白いです。

  • メンバー個々のプレイを見る:ジェシー・ジョンソンのギター、モリス・デイのボーカル/キャラクター、ジミー・ジャム&テリー・ルイス在籍時の楽曲構成など、各アルバムで聴きどころが変化します。

  • スタジオ録音とライブ感の対比:スタジオでは洗練されたアレンジが楽しめますが、ライブ/映画出演時のパフォーマンスでバンドのショーマンシップを体感すると印象が変わります。

  • 時代ごとのプロダクションの違いを味わう:80年代前半のアナログ寄りサウンドから、90年代のデジタル化されたサウンドまで、同じバンドでも音作りの変化を楽しめます。

レコード選びのヒント(内容に関する注意点)

  • オリジナル盤は当時の空気感が強く残っているので、ミネアポリス・サウンドそのものを求めるならファースト〜中期のオリジナル・プレスは価値があります。

  • 再発盤やリマスター盤は音像がクリアで聴きやすくなっている場合が多く、最新の音響環境で楽しみたい人に向きます。

  • コンピレーションやシングル編集盤はヒット曲をまとめて聴きたいときに便利。ただしアルバム単位での流れやアレンジの細かさを楽しみたい場合はオリジナル・アルバムをおすすめします。

コラムまとめ

The Timeは80年代のファンク/R&Bシーンにおいて「音楽的な確かさ」と「エンターテインメント性」を兼ね備えた存在です。デビュー〜中期のアルバムでミネアポリス・サウンドの核を味わい、再結成以降の作品で時代ごとの変化を辿ることで、バンドの魅力を多角的に楽しめます。まずは『The Time』『What Time Is It?』『Ice Cream Castle』あたりから聴き始め、気に入ったらPandemoniumやCondensateまで広げてみてください。

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参考文献