Morris DayとThe Timeのおすすめレコード完全ガイド|ミネアポリス・サウンドの魅力を徹底解説
はじめに — Morris Day の魅力を改めて知る
Morris Day(モーリス・デイ)は、シーンにおける「パフォーマー」としての存在感と、ミネアポリス・サウンドを体現した音楽的センスの双方で強烈な印象を残してきました。彼の名前はしばしばバンドThe Timeと結びつけられますが、舞台上のキャラクター、ユーモア、そしてファンク/シンセ・ポップのグルーヴ感が融合した音源群は、今聴いても鮮烈です。本稿では、Morris Day(およびThe Time)を聴き始めるにあたって押さえておきたい「おすすめレコード」を厳選し、それぞれの聴きどころや背景を深掘りします。
選定基準
- 代表曲やライブでの定番曲を複数含み、モーリス・デイのパーソナリティがよく出ている作品
- プロダクション/ソングライティング面でミネアポリス・サウンドを体現している作品
- 初期〜成熟期〜再編期(90年代)をカバーすることで時代ごとの変化を追えること
The Time — The Time(1981)
デビュー作。Prince(当時はプロデューサー/作曲者としての関与が深く、しばしば"Jamie Starr"等の別名義でクレジットされた)はこのプロジェクトに多大な影響を与え、ミネアポリス・サウンドの原型が感じられます。バンドとしての軽妙な掛け合い、ブラスやギターのファンキーなリフ、そしてMorris Dayのシニカルでクールなヴォーカル・キャラクターが立っています。
- 聴きどころ:初期の生楽器感とシンセの併存、ステージ寄りのユーモアとグルーヴ
- 代表曲(導入におすすめ):Get It Up、Cool、Girl(アルバムの流れの中でキャラクターを把握するのに最適)
- おすすめポイント:The Timeの“出発点”を知ることで、その後の発展(派手なフックやダンスビート)がより理解できます。
The Time — What Time Is It?(1982)
バンドとしての力量が一段と上がった2作目。ここでの楽曲はよりポップで完成度が高く、同時期に在籍したJimmy Jam & Terry Lewis(後に大物プロデューサー/ソングライターとなる)が重要な役割を果たしました。ドラムマシンやシンセの使い方、ムード作りが洗練されています。
- 聴きどころ:緻密なアレンジ、ダンサブルなリズム、バラードの深み(バンドの幅を感じさせる)
- 代表曲:777-9311(リズミックで印象的なベース/ドラム)、Gigolos Get Lonely Too(しっとりしたバラード)
- おすすめポイント:プロダクションの質が高く、ミネアポリス・サウンドの“洗練された側面”を学ぶのに適しています。
The Time — Ice Cream Castle(1984)
この時期、The Timeは映像や映画(Princeの『Purple Rain』等)とも絡み、より大衆的な露出を得ました。楽曲はキャッチーで、ライブ映えするナンバーが多く含まれています。Morris Dayのステージ上の“スワッグ”や寸劇的やりとりが音に反映されたような、エンタメ性の高い作品です。
- 聴きどころ:シングル感の強いフック、ダンス指向の曲が中心。ライブでの見せ場が想像しやすいアレンジ。
- 代表曲:Jungle Love、The Bird(どちらもライブで盛り上がる定番)
- おすすめポイント:The Timeを一番“楽しめる”アルバムのひとつ。クイックにハマれる曲が並びます。
Morris Day — Color of Success(1985)
Morris Dayのソロ初期作。バンド寄りのサウンドから一歩離れ、個人としてのフロントマン性・スタイリッシュさをフィーチャーした作風が出ています。The Time時代のファンク性を保ちながらも、本人のボーカルやキャラクターがより前面に出た作品です。
- 聴きどころ:Morris Day個人の魅力(ヴォーカル表現、言葉の使い方、キャラクターの提示)をじっくり味わえる
- 代表曲:アルバム内のアップテンポ曲やシングル曲(ソロ期ならではのスタイリッシュなアレンジに注目)
- おすすめポイント:The Timeとの違いを確認するのに最適。ステージ上の“フロントマンMorris”を深く知りたいリスナーに向きます。
The Time — Pandemonium(1990)
90年代に入り、一度解散していたメンバーが改めて結集して発表した再編アルバム。時代のプロダクションを取り入れつつ、The Timeらしいファンクネスを残した作品で、シングル「Jerk Out」はヒットを記録しました。メンバーの成熟や外部プロダクションの変化を感じられる一枚です。
- 聴きどころ:90年代の音作り(トラックの質感やミックス感)が加わったThe Timeの“再提示”
- 代表曲:Jerk Out(ダンサブルでキャッチー)
- おすすめポイント:初期〜中期の流れを踏まえた上で、時代による変化を比較するのに便利。
聴き方ガイド — 作品をより楽しむために
- 「キャラクター」に注目する:Morris Dayは歌唱だけでなく、MC的な間や口調、態度が魅力。歌詞とステージをイメージしながら聴くと楽しさが増します。
- プロダクションの違いを意識する:初期(81–84)はPrinceやJam & Lewisが反映した独特の音作り、90年代はよりモダンなエレメントが入ります。年代ごとの音像の変化を追ってみてください。
- バンドメンバーに注目する:Jimmy Jam & Terry Lewisなど、その後の音楽史に影響を与えた人物が関わっている点が聴きどころです。
- ライブ映像と併用する:Morris Day/The Timeはビジュアル・演出も大きな魅力。ライブ映像を見ると音源で感じたニュアンスが立体化します。
購入・エディション選びのポイント(簡潔に)
- オリジナルLPと公式リマスターのどちらも価値あり。オリジナルは当時の音像が楽しめ、リマスターはクリアさと均整のとれたバランスが魅力。
- コンピレーション盤やベスト盤は入門向けに便利。代表曲を手早く網羅できます。
- クレジットを確認:初期作品にはPrinceの関与や別名義が存在するため、ライナーやクレジットを読むと制作事情の理解が深まります。
まとめ — なぜ今聴くべきか
Morris Day/The Timeの音楽は単に「ファンクのひとつ」ではなく、ミネアポリス・サウンドという文脈でアメリカのポップ&R&Bの流れに強い影響を与えてきました。Morris Dayの立ち振る舞いやユーモア、そしてバンドとの化学反応は、録音を通じても十分に伝わります。今回のおすすめ盤を通して、パーソナリティと音像の両方をじっくり味わってみてください。
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参考文献
- Morris Day — Wikipedia
- The Time (band) — Wikipedia
- The Time — AllMusic(アーティストページ)
- Purple Rain — Wikipedia(The Time と Morris Day の映画関係)


