デヴィッド・カヴァーデイルの歌声を堪能する名盤セレクションと聴き比べ方ガイド
導入:デヴィッド・カヴァーデイルという歌声の魅力
デヴィッド・カヴァーデイル(David Coverdale)は、1970年代にディープ・パープルに加入して一躍注目を浴び、その後ホワイトスネイク(Whitesnake)を率いてブルース・ロックからハードロック、80年代のアリーナ・ロックまで幅広く活動したシンガーです。本稿は、Coverdale の歌声やキャリアを味わうための「レコード(アルバム)」おすすめを、時代背景や聴きどころ、版(ヴァージョン)の違いなどを交えて深掘りします。レコードの再生・保管の技術的解説は行いませんが、どの盤で聴くと面白いかといったリリース上の注意点は触れます。
おすすめレコード(選集)
Deep Purple — Burn (1974)
Coverdale が初めてメイン・ヴォーカルを務めたディープ・パープルのアルバム。タイトル曲「Burn」はハードロックとしての迫力とカヴァーデイルのソウルフルな歌唱が前面に出ており、「Mistreated」などはブルースに根ざした歌心が際立ちます。Coverdale の表現力を初めて本格的に味わうには必携の一枚です。オリジナル・プレスとリマスター音源で質感が変わるため、好みに応じて聴き比べるのも面白いでしょう。
Deep Purple — Stormbringer (1974)
Burn の直後に発表された作品で、ファンク/ソウル要素が強めに入った異色作。タイトル曲「Stormbringer」、スローな名曲「Soldier of Fortune」など、カヴァーデイルのメロディメイキングと情感表現が光ります。パープル期の多彩さを確認する意味で重要です。
David Coverdale — White Snake (1977)
Coverdale がディープ・パープル脱退後にリリースしたソロ第1作(後のバンド名の由来にもなる)。パープルの濃厚さと、これからのホワイトスネイク路線の萌芽が混ざった作品で、初期カヴァーデイルの素顔を知るうえで貴重です。アコースティック寄りの曲やソウルフルなヴォーカル表現が多く、後のハードなイメージとは違った魅力があります。
Whitesnake — Ready an' Willing (1980)
ホワイトスネイク初期の充実作。ブルースに根差したハードロックをベースに、メロディとヴォーカルのドラマ性が強く出ています。「Fool for Your Loving」などの代表曲を含み、Coverdale がバンドのフロントマンとして地位を確立した一枚です。初期のギター二本編成(Bernie Marsden / Micky Moody)の味わい深い絡みは聞きものです。
Whitesnake — Slide It In (1984)
80年代への過渡期を象徴する作品で、UK版(オリジナル)とアメリカ向けにリミックス/録り直しされたUS版で大きく印象が変わります。UK版はやや泥臭いブリティッシュ・ハードロック寄り、US版はプロダクションが磨かれてアメリカ市場向けのサウンドになっています。どちらが好みかでカヴァーデイルの“進化”を楽しめます。
Whitesnake — Whitesnake (1987)(別名:1987)
Coverdale にとって最大の商業的大成功作。リメイクされた「Here I Go Again」や「Is This Love」など、80年代アリーナ志向の華やかなサウンドが詰まっています。プロダクションの洗練度が高く、耳に残るメロディとコーラスの充実が魅力。80年代サウンドの代表格として、入門盤にも最適です。オリジナル盤や後のデラックス・エディションでボーナストラックやデモが付属するものもあります。
Whitesnake — Slip of the Tongue (1989)
スティーヴ・ヴァイ参加の作品で、テクニカルかつ派手なギターワークが特徴。Coverdale の歌はこれまでどおり表情豊かですが、ギター主導の派手なアレンジが好きなリスナーに刺さる一枚です。80年代末のプロダクションの雰囲気も味わえます。
Coverdale•Page — Coverdale•Page (1993)
ジミー・ペイジ(Led Zeppelin)とのコラボレーション作品。Zeppelin の影響が色濃く出たブルース・ロック傾向で、Coverdale の歌と Page のギターが直接ぶつかる貴重な一作です。Led Zeppelin のファンにも聴きどころの多いアルバムで、異なる歴史背景を持つ二人の化学反応を楽しめます。
Whitesnake — The Purple Album (2015)
デイブ・カヴァーデイルがディープ・パープル在籍期の楽曲をホワイトスネイク名義で再解釈したアルバム。原曲との比較で、Coverdale がその歌をどう再表現するかを見ることができ、オリジナルと現在のアプローチの差を楽しむ教材的側面もあります。原曲愛好家にも興味深い試みです。
Whitesnake — Good to Be Bad (2008)
長期の活動休止後に復活したホワイトスネイクの“回帰”を印象づけたアルバム。伝統的なホワイトスネイク・サウンドを現代的に更新したもので、Coverdale の円熟した歌唱が堪能できます。新旧ファンどちらにも薦められる作品です。
聴き比べ・選び方のポイント
時代ごとのプロダクションの差を楽しむ:70年代(Deep Purple/初期 Whitesnake)の生々しさ、80年代(Slide It In→1987)のポリッシュされた大味な迫力、90年代以降の再解釈・コラボ作品というように、年代でまったく印象が変わります。
同一タイトルでも複数ヴァージョンあり:特に「Slide It In」はUK/USのミックス違い、「Here I Go Again」はオリジナルと1987年再録で大きく変わるため、どのヴァージョンを聴くかで味わいが変わります。
ギタリストで選ぶ:Bernie Marsden / Micky Moody のブルース色、John Sykes/Adrian Vandenberg のモダンな切れ味、Steve Vai の技巧的アプローチなど、ギターの顔ぶれでも楽しみ方が変化します。
歌の成長を追う:Coverdale の声質や表現はキャリアを通じて変化しており、初期の荒々しさ→艶やかさ→成熟といった流れを辿ると、ひとつのドラマとして楽しめます。
購入・収集時の留意点(リリース違いの注目点)
オリジナル・プレスと後年のリマスター/デラックス盤ではミックスやボーナス曲が異なることがあるため、聴きたい音源(オリジナルの雰囲気か、拡張された音源か)を基準に選ぶと良いです。
編集盤やベスト盤は代表曲のまとめとして便利ですが、アルバム単位での曲順やコンセプトが失われるので、アルバムとしての完成度を味わいたいならオリジナル・アルバムを優先してください。
まとめ
デヴィッド・カヴァーデイルは、単なるロック・シンガーを超えてブルース、ソウル、ポップ、アリーナ・ロックと多様な表現を行ってきた稀有な存在です。ここで挙げたアルバム群は、彼の歌の幅とキャリアの流れを把握するうえで有用な目安になります。まずは「Burn」「Ready an' Willing」「Slide It In」「Whitesnake(1987)」を押さえ、そこからソロ作やコラボ作品、近年作へと広げていくと、Coverdale の全体像が豊かに見えてくるでしょう。
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参考文献
- David Coverdale - Wikipedia
- Burn (Deep Purple album) - Wikipedia
- Stormbringer (Deep Purple album) - Wikipedia
- White Snake (David Coverdale album) - Wikipedia
- Ready an' Willing - Wikipedia
- Slide It In - Wikipedia
- Whitesnake (1987) - Wikipedia
- Slip of the Tongue - Wikipedia
- Coverdale•Page - Wikipedia
- The Purple Album - Wikipedia
- Good to Be Bad - Wikipedia


