ジョン・ウェットンの聴くべきアルバム大全:King Crimson・UK・Asiaを網羅するプログレとAORの名盤ガイド

はじめに — John Wettonとは

John Wetton(ジョン・ウェットン)は、プログレッシブ・ロックとAORの両方で大きな足跡を残した英国のベーシスト/ボーカリスト/ソングライターです。King Crimson、UK、Asia といった名立たるバンドでの活動に加え、ソロやGeoff Downesとの共同プロジェクトでも独自の世界を築きました。本コラムでは「聴くべきレコード」を厳選して紹介し、それぞれの魅力や聴き所を深掘りします。

King Crimson時代(プログレの鬼才時代)

ウェットンはKing Crimsonの黄金期(1972〜1974頃)に加入し、バンドのサウンドにより濃密な低音と叙情的な歌をもたらしました。プログレッシブ・ロックの中でも攻撃的かつ緻密なアンサンブルが特徴です。

  • Larks' Tongues in Aspic — 聴き所:実験性と即興性の融合。ウェットンの低音と歌がバンドのアヴァンギャルドなテイストとの対比で際立ちます。

  • Starless and Bible Black — 聴き所:ライブテイクや即興をまじえた表現力の豊かさ。ウェットンのボーカルが曲の叙情性を引き上げる場面が多数あります。

  • Red — 聴き所:King Crimsonの中でもヘヴィかつ荘厳な傑作。長尺の構成美、ダイナミクス、高密度のアンサンブルの中でのウェットンの存在感が重要です(楽曲「Starless」は彼の関与が大きい作品として知られます)。

UK(テクニカルなプログレ/フュージョン)

UKは超絶テクニシャンを擁した短命ながら伝説的なバンド。ウェットンはバンドの歌心とメロディ面を担い、複雑な楽曲に人間味を与えました。

  • UK(デビュー) — 聴き所:変拍子や複雑な展開と、メロディックなコーラスのコントラスト。「In the Dead of Night」など、楽曲の起伏と歌メロの強さが聞きどころです。

  • Danger Money — 聴き所:より歌もの志向が強まり、ウェットンのソングライティングと表現力が前面に出ています。テクニカルな演奏と親しみやすいメロディのバランスが秀逸です。

Asia(グローバルなヒットとメロディセンス)

Asiaは1980年代にシーンを席巻したAOR/プログレ出身のスーパーグループ。ウェットンの歌と曲作りが商業的成功と結実した代表的な時期です。

  • Asia(デビュー) — 聴き所:「Heat of the Moment」をはじめとする強力なシングル群と、ポップかつドラマティックな楽曲群。ウェットンのヴォーカルと曲のキャッチーさが世界的成功を生みました。

  • Alpha — 聴き所:デビューの路線を継承しつつ曲作りに深みが増した作品。シングル曲だけでなくアルバム通しての構成美にも注目できます。

ソロ&ウェットン/ダウンズ等のコラボレーション

バンド活動以外でもウェットンは幅広い作品を残しています。プライベートな内面や成熟したソングライティングを味わいたいリスナーにおすすめです。

  • ソロ・アルバム(例:Caught in the Crossfire 等) — 聴き所:バンド時代とは異なる個人的な歌詞世界とフォーカスされたメロディ。バンド作よりも直接的にウェットンの人間性が伝わります。

  • Wetton / Downes(Geoff Downesとの共作) — 聴き所:Asiaでもタッグを組んだ二人による良質なメロディアス・ロック。ピアノ/シンセのアレンジとウェットンの歌の相性が光ります。

  • Iconシリーズ など(近年の作品) — 聴き所:成熟したソングライティング、深く刈り取られたメロディライン。中高年のリスナーにも響く渋さがあります。

ライブ盤・編集盤で押さえておきたいもの

ウェットンはライヴでの表現力も高く、ライブ盤で彼の声や歌い回しの魅力がよりダイレクトに伝わります。スタジオ盤で気に入ったらライヴ盤も並行して聴くことをおすすめします。

聴き方の提案(入門〜深堀)

  • 入門者:まずはAsiaのデビュー盤で「声」と「メロディ」を味わう。親しみやすさが入り口になります。

  • 中級者:UKの2作でテクニカルな側面とウェットンのメロディ性の融合を楽しむ。

  • 上級者/コアなリスナー:King Crimsonの黄金期3作でプログレとしての挑戦性とウェットンの役割を深掘りする。スタジオ盤の細部やライブテイクの違いを聴き比べると発見が多いです。

ジョン・ウェットンの魅力まとめ

  • 低音域からの説得力ある歌声:楽曲にドラマを与えるボーカルが最大の武器。

  • メロディメイカーとしての才覚:ハードな楽曲でも「歌」を忘れない。

  • ジャンル横断的な適応力:プログレ、フュージョン、AORと幅広く高品質な作品を残した点。

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参考文献