Edwin Starr のレコード完全ガイド:War から Psychedelic Soul までの聴きどころと選び方 — コレクター必携

はじめに — Edwin Starr をレコードで楽しむ理由

Edwin Starr(エドウィン・スター)は、力強いシャウトとソウルフルな歌唱で知られるアメリカのソウル/ファンク歌手です。60年代後半から70年代にかけて、Ric-Tic や Motown(Gordy)という主要レーベルで活動し、社会的メッセージをストレートに歌った「War」で世界的なヒットを放ちました。本稿では、レコード(原盤やアルバム)を中心に、聴きどころ・選びどころ・コレクター視点での注目点を深掘りして紹介します。

Edwin Starr の音楽的魅力を押さえるポイント

  • シャウトと表現力:荒々しさと抑制のバランスが取れたボーカルは、シングルのラジオ向けヒットとアルバムのドラマ性の両方を支えます。
  • プロダクションの幅:Ric-Tic 時代のストレートなモータウン風ソウルから、Gordy(Motown)でのノーマン・ホイットフィールド流のダイナミックなプロダクション(いわゆる“psychedelic soul”)まで、音作りに変化があり聞き比べが楽しい。
  • 社会的メッセージ:とくに「War」のような政治的・社会的メッセージ性の強い楽曲は、歌詞の解釈と当時の文脈を知ることで深みが増します。

おすすめレコード(必携盤・注目盤)

以下は「コレクターとして持っておくと嬉しい」「音楽的に深掘りしたい」観点で選んだおすすめ盤です。各盤で聴くべきポイントや、プレス/エディション選びのコツも添えています。

  • 「25 Miles」 — シングル(Ric-Tic / 1969)

    ポイント:Edwin Starr を大衆に押し上げたドライヴ感のあるナンバー。Ric-Tic 時代の代表的なシングルで、オリジナル・プレスはコレクター人気が高いです。軽快な手拍子と確かなグルーヴ、そしてスターの力強いボーカルが際立ちます。

    選び方のコツ:Ric-Tic のオリジナル盤(US オリジナルラベル)は価値が上がりやすく、再発やプロモ・盤と音色やハンディングが微妙に異なることがあります。ジャケット/ラベルのデザインやカタログ番号をチェックしましょう。

  • 「War」 — シングル / 「War & Peace」アルバム(Gordy / 1970)

    ポイント:「War」は反戦歌としての社会的インパクトと、スターのエネルギーが合わさった代表曲。ノーマン・ホイットフィールドのプロデュースによるサウンドは、ストリングスやブラスの使い方、コーラスの迫力が特徴です。シングルはラジオ編集の短尺版とアルバム版(長尺)が存在することが多いので、好みに合わせて探してください。

    選び方のコツ:Gordy(Motown)オリジナル・プレスは音質・価値ともに注目。アルバム「War & Peace」には「War」以外にも聞き応えのある曲が収録されているので、単曲ファンもアルバムでの文脈を楽しむと発見が多いです。

  • Ric-Tic 時代のシングル群(例:Agent Double-O-Soul など)

    ポイント:Ric-Tic に残したシングル群は、60年代後半のクラシックなソウルの香りが濃厚。若き日のエネルギーやダンス寄りのトラックが聴けます。箱で掘り出す楽しさがある時期です。

    選び方のコツ:Ric-Tic は後に Motown に吸収されたため、盤やラベルの混在が見られます。オリジナル・ラベルの状態やラベル印刷、センター穴周りの摩耗などでオリジナルか再発かの見分けが付きます(購入時は出品詳細をよく確認)。

  • 代表コンピレーション盤(ベスト / Anthology)

    ポイント:初めて Edwin Starr を深掘りするなら、Motown 系のオフィシャルなベスト盤やアンソロジーを一枚持っておくと便利です。重要なシングルやアルバム曲が時系列でまとまっていることが多く、音楽的変遷を追いやすいです。

    選び方のコツ:編集盤はリマスター済み・未リマスターで音色が違います。アナログ原盤を重視するなら、オリジナルLP の再発ではなく 60s/70s リリースのものを探すのも一案です。

曲ごとの聴きどころ(代表曲ピックアップ)

  • 25 Miles — ドライブ感のあるリズム、コール&レスポンス的な構造。ツアー感のある熱量が魅力。
  • War — 抗議歌としての強烈なメッセージ性と、大衆迎合的なコーラス・アレンジ。シングル・エディットとアルバム・バージョンの構成を聴き比べると面白い。
  • Agent Double-O-Soul(などの Ric-Tic ナンバー) — 遊び心のあるリリックとソウルフルなブラスセクション。若き日のスターの多彩さが見える。

プレス/エディション選びの実用アドバイス(購入時に見るべきポイント)

  • オリジナル・プレスの価値は高いが、状態(ジャケット、盤面のキズ、ラベルの書き込み)で価格差が大きい。写真や seller の説明をしっかり確認する。
  • Ric-Tic→Motown(Gordy)と移籍した履歴があるので、同曲でもレーベル違いの盤が複数存在する。どのリリースを欲しいかを明確にして探すと効率的。
  • 編集盤やコンピは選曲が良いものが多く、入手しやすい。コレクションの入口としては最適。ただしオリジナル盤でしか味わえない音の違いもあるので、満足度を基準に選ぶ。
  • ジャケット裏のクレジットや作詞・作曲・プロデューサー名(例:Norman Whitfield など)を見ると、当時の制作背景が掴めて楽曲理解が深まります。

掘り出し物を見つけるコツ(ショップ/オンラインでの探し方)

  • レコードショップの中古コーナーで、年代別やレーベル別に探す。Ric-Tic や Gordy(Motown)コーナーがあれば重点的にチェック。
  • オンラインマーケット(Discogs / eBay / 国内フリマ)で、出品タイトルとカタログ番号を合わせて検索。写真をよく見てコンディションを判断する。
  • オークションはびっくり価格になることもあるので、予算と優先度を決めて入札するのが安全。

音楽史的・文化的な位置づけ

Edwin Starr は、60年代〜70年代のアメリカ黒人音楽シーンにおいて「力強い歌い手」として欠かせない存在です。特に「War」の成功は、ポップ/ソウルの枠を越えた公共的なメッセージの伝達という点で重要でした。また、Ric-Tic 時代のダンス指向のソウルから、Gordy 時代のよりドラマティックで大編成のプロダクションへと移る音楽的変遷は、当時のレーベル戦略や音楽トレンドの変化を反映しています。レコードで追うことで、楽曲ごとの制作背景や編曲の差、時代の空気感をよりリアルに体感できます。

まとめ — どの盤から入るべきか

初めてであればまずコンピレーション盤で代表曲を押さえ、その後「25 Miles」や「War」のオリジナル・シングル(Ric-Tic / Gordy)やアルバム「War & Peace」など、時代ごとのオリジナル・プレスを一枚ずつ増やしていくのが効率的です。Edwin Starr はシングルに名曲が多いアーティストなので、7インチ中心に集めるコレクションの楽しみ方もおすすめです。

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参考文献