Edwin Starr入門:Warを軸にしたモータウン・ソウルの名盤とレコード収集のヒント

はじめに — Edwin Starr(エドウィン・スター)とは

Edwin Starr(1942–2003)は、力強いシャウトとファンキーなビートを武器に、1960〜70年代のアメリカ・ソウル/モータウン・シーンで独自の存在感を示したシンガーです。社会的メッセージをストレートに歌い上げた代表曲「War」をはじめ、ダンサブルでソウルフルなナンバーを多数残しました。本稿では、レコード収集の観点から“押さえておきたいおすすめレコード”をピックアップし、それぞれの魅力や聴きどころ、収集時の注目点を深掘りして解説します。

Edwin Starr を知るためのポイント

  • キャリアはローカルなR&B〜ソウル・シーンからスタートし、初期はリック=ティック(Ric-Tic)などのレーベルでヒットを出した後、モータウン/Gordy系でさらなる成功を収めました。

  • 声質は非常に力強くシャウト寄りで、ラテン〜ファンク〜ストレートなモータウン・ソウルまで幅広く歌いこなせることが特徴です。

  • プロデューサーや作曲家(例:Norman Whitfield)とのコラボにより、単なるポップ・ソウルを超えた社会的メッセージ性やサウンドの実験性も持ち合わせています。

代表的・入門向けシングル(45回転)

  • War(Gordy / Motown 系シングル)

    Edwin Starr を代表する1曲。Norman Whitfield と Barrett Strong の共作で、もともとは別アーティスト向けに書かれた楽曲をEdwin Starrが怒りと説得力を持って歌い上げ、強い社会性を持ったアンセムとしてヒットしました。シャウト気味のボーカル、重心の低いブラス/ストリングス、ドライヴ感あるリズムの組み合わせが圧倒的。シングルでのインパクトはもちろん、当時のモータウン音像を理解する上でも重要です。

  • 25 Miles(Ric-Tic 時代のシングル)

    Ric-Tic 時代の代表作で、アップテンポでドライヴ感のある“走るソウル”ナンバー。Edwin のヴォーカルの勢いと、リズム隊のタイトさが魅力。Ric-Tic のオリジナル・プレスはコレクターズアイテムとしての価値も高く、初期のエネルギーを味わうのに最適です。

  • Agent Double-O-Soul

    コミカルでノリの良い楽曲。Edwin の軽快な歌い回しとアレンジの遊び心が楽しめる1曲で、シングル集やコンピにもよく収録されます。パーティー寄りのプレイにも合う楽曲です。

  • Stop Her on Sight (S.O.S.)

    初期のファンキーなナンバー。ダンスフロア映えするグルーヴがあり、ノーザンソウル好きにも訴求力があります。オリジナル盤は探しがいがあります。

おすすめアルバム・コンピレーション

  • War & Peace(1970、Gordy / Motown)

    「War」を中心に据えた作品群やその周辺トラックをまとめたアルバム。時代の空気、プロダクションの厚み、Edwin のボーカル表現の幅を見るには良い一枚です。アルバム単位で聴くとシングルでは伝わりにくい曲間の流れやムードの変化が感じられます。

  • ベスト/編集盤(The Best of / Greatest Hits 等)

    Edwin Starr はシングル曲に名曲が多く、編集盤の完成度も高いです。モータウン公式のベスト盤や主要レーベルのコンピは、代表曲群を効率よく押さえたいときに便利。盤によってはシングル・ミックス(モノ/イントロの違い)や別テイクが収録されていることがあるので、トラックリストをよく確認すると収集の妙があります。

サウンド面で注目したい聴きどころ

  • ボーカル表現:シャウト寄りの力強さと、ブルージーなニュアンスのバランス。バラードからファンクまで声の振幅が大きい点が魅力です。

  • アレンジ:モータウン/Gordy 周辺のストリングスやブラス、ファンク路線のリズム・ギター、そして当時のプロデューサー陣(例:Norman Whitfield)による実験的な要素が混在します。

  • 時代背景:反戦運動や公民権運動が色濃く反映された楽曲(特に「War」)は、音楽的価値だけでなく文化史的にも聴きどころがあります。

どの盤を狙うべきか/収集のヒント(購入時の注目点)

  • オリジナル・シングル盤(Ric-Tic/Gordy 等)を狙うと、当時のミックスやジャケット、ラベルの違いなどコレクション価値が高まります。初期Ric-Tic盤は特に人気があります。

  • モータウン関連はプレス違い(US/UK)で音質やモノ/ステレオのミックスが異なることがあります。トラックごとのミックス差を楽しみたい場合は盤の版情報を確認すると良いでしょう。

  • コンピ収録曲のバージョン違い(シングル・エディット/アルバム・ミックス/別テイク)にも注目。詳細なトラックリスト表記がある盤を選ぶと「お宝」が入っていることがあります。

リスナー別おすすめの聴き方

  • ソウル/モータウン好き:モータウン期の「War」を中心に、アルバム「War & Peace」を通して聴くとEdwin の持つ表現の幅が分かります。

  • ダンス/クラブ寄りのDJ:テンポ感の良いシングル(「25 Miles」「Stop Her on Sight」など)はブレイクや選曲のアクセントになります。

  • コレクター:Ric-Tic のオリジナル盤や初期プレスのジャケットとラベル違いを探すと面白い発見があります。

まとめ

Edwin Starr は力強い歌唱力と時代の空気を直截に表現する曲作りで、シングル・ヒットからアルバム全体まで聴きどころが多いアーティストです。入手のしやすさや好みによって、まずは「War」や「25 Miles」などの代表シングル、次いで「War & Peace」や良質な編集盤を押さえる流れがおすすめです。盤ごとのミックス違いやオリジナル・プレスの風合いを楽しみながら、Edwin Starr の多面性に触れてみてください。

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参考文献