Rain Parade徹底ガイド:Paisley Undergroundの名盤と聴き方・コレクション術
イントロダクション — The Rain Paradeとは何者か
The Rain Paradeは1980年代初頭、ロサンゼルスで生まれた「Paisley Underground」と呼ばれるシーンの代表的バンドのひとつです。サイケデリック60sの美学とメロディ重視のギター・ポップを現代に咀嚼したサウンドで、いまも多くのリスナーやミュージシャンに影響を与え続けています。本コラムでは、バンドの音世界を知るうえで特におすすめしたいレコードをピックアップし、それぞれの魅力や聴きどころ、購入やコレクションにあたっての選び方(盤種の話ではなく作品としての価値判断)を掘り下げます。
おすすめ一覧(結論)
- Emergency Third Rail Power Trip(デビュー・アルバム) — バンドの「名盤」かつ入門盤
- Crashing Dream(セカンド・アルバム) — 変化球的な作風を楽しみたい人向け
- 再結成作(Last Rays of a Dying Sun 等) — 現代の視点で鳴らす成熟したRain Parade
- 編集盤/アンソロジー類 — 初期のシングルや未発表音源で深掘りしたい方向け
1. Emergency Third Rail Power Trip(なぜ必聴か)
1983年リリースのデビュー作は、The Rain Paradeの代名詞的作品であり、Paisley Undergroundムーブメントを象徴する一枚です。ジャングリーでリフレインするギター、夢見心地のメロディ、時にフォーキーで時にサイケデリックな雰囲気が交錯し、60年代の影響を現代的に消化した音像が詰まっています。
- 聴きどころ:ギター・アンサンブルの掛け合い、メランコリックな歌メロ。アルバム全体として「サイケデリックな昼下がり」を体現している点。
- どんな人におすすめか:初めてRain Paradeを聴く人、Paisley Undergroundに触れてみたい人、60sサイケ/ギターポップの現代的解釈が好きな人。
- コレクション価値:名盤としてリイシューも多く、初心者は音が良く解説やボーナス曲が付いた再発盤から入るのが手堅いです。オリジナル盤は入手難度とプレミアがつくことがあります。
2. Crashing Dream(次の顔を知る)
セカンド作はデビューのサイケ/ドリーミーさを引き継ぎつつ、より陰影のあるアレンジや異なる音色の導入が見られる作品です。賛否が分かれる部分もありますが、バンドの振幅の広さと実験精神を知るには良い教材になります。
- 聴きどころ:曲ごとに異なる表情—ダイナミックな曲、静謐な曲、エレクトリックな音作りなど。デビュー作と並べて聴くと進化や志向の違いが楽しめます。
- どんな人におすすめか:デビュー盤が気に入った人、あるいはバンドの「変化球」を楽しみたい人。アルバム単位で違いを比較したいコアなファンにも。
- コレクションの視点:評価が分かれるため価格面ではデビュー作ほど突出していないことが多いですが、作品としての深さは侮れません。
3. 近年作(再結成以降の作品)
長い間活動を休止していた時期を経て、メンバーが再集結して生み出した近年作は「当時の延長線上にある成熟した”今”のRain Parade」を提示します。年齢や経験に裏打ちされた歌詞と演奏からは、往年の魅力を保ちつつ新たな深みが感じられます。
- 聴きどころ:往年のギター・ハーモニーやサイケ的な色合いを残しつつ、録音やアレンジに現代的な落ち着きが表れている点。
- どんな人におすすめか:過去作の雰囲気が好きで、バンドの現在形(成熟したサウンド)を確かめたい人。
4. 編集盤・アンソロジー(初期音源・レア曲を掘る)
シングル曲や初期のスタジオ/ライブ音源をまとめた編集盤は、バンドの歴史的流れを俯瞰するのに有用です。特に初期のシングルや未発表バージョンは、スタジオ作品とは異なる即興性や未完成の魅力を伝えてくれます。
- 聴きどころ:デモやシングル・バージョンで聞ける未加工の演奏、当時のシーンとの関係性が手に取るようにわかる資料的価値。
- どんな人におすすめか:ディープリスナー、コレクター、当時のシーン(Paisley Underground)の文脈を深く知りたい人。
どの盤から聴くか(順序の提案)
まずは『Emergency Third Rail Power Trip』を軸に聴き、続けて『Crashing Dream』で方向性の違いを確認する。興味が湧いたら再結成作や編集盤でバンドの全体像と時間軸を追う——という流れがおすすめです。これにより「同じバンドの中での揺れ」や「時代ごとの音作りの変化」を体感できます。
音楽的特徴の深掘り(ギター、歌、アレンジ)
The Rain Paradeの魅力は、単なるリバイバルではない「既存要素の組み合わせ方」にあります。具体的には:
- ギター:ドローン的に鳴るジャングリーなリズムギターと、メロディを引くリードやアルペジオの寄せ引きが印象的。
- 歌メロ:切なさと透明感を併せ持つメロディが中心で、サビでの開放感とヴァースの内省が効果的に対比されています。
- アレンジ:ストリングスやキーボードを多用することは少ない一方で、エフェクト/ギター・テクスチャでサイケ感を作る手法が一貫しています。
どんなリスナーに向くか(シチュエーション)
- 静かな午後、窓辺で聴く音楽を探している人 — 夢見心地のサウンドがはまります。
- ギターポップや60sサイケの影響を現代に感じたい人 — 直系の影響を受けた演奏が充実。
- バンドの歴史やシーン全体を学びたい音楽史愛好家 — Paisley Undergroundの重要ピースとしての位置づけが理解できます。
購入・リイシュー選びのコツ(作品の“どれ”を選ぶか)
- 初めてなら内容の充実したリマスター/デラックス盤から。ボーナス曲や解説があると当時の背景がわかりやすい。
- コレクター的に深掘りするなら、シングルや編集盤でレア曲を探すと新たな発見がある。
- サウンド傾向で選ぶなら、デビュー盤は「サイケ寄り」、セカンドは「実験・成熟寄り」といった聴き分けができます。
まとめ — Rain Paradeを聴く意義
The Rain Paradeは単なるノスタルジーではなく、60年代を通過した“現在のポップ・サイケ”の見本です。名盤であるデビュー作を足掛かりに、セカンドや再結成作、編集盤へと掘り進めることで、バンドの多面性と時代を超えた魅力をより深く味わえます。
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