ルディ・ヴァレー入門ガイド:クローナーの魅力と必聴音源・おすすめレコードの選び方
序文 — Rudy Vallee(ルディ・ヴァレー)とは
Rudy Vallee(日本ではルディ・ヴァレー、表記揺れで Vallee / Vallée とも)は、1920〜30年代にかけてアメリカで一世を風靡した「クローナー(crooner)」の代表的存在です。ラジオでの人気を足掛かりにレコードや映画、舞台まで活動を広げ、当時の若者文化やポップ・ヴォーカルのスタイル形成に大きな影響を与えました。本稿では、コレクターや初めて聴く方に向けて“まず抑えておきたい”レコード/音源を中心に、聴きどころや選び方のポイントを解説します。
Rudy Vallee の音楽的特徴と聴きどころ
歌唱スタイル(クローニングの代表)
囁くような親密な歌い回しと、ラジオ時代のマイク/演出を生かした“親近感”のある表現が特徴です。現代のポップ/ジャズ・ヴォーカルの源流として、フレージングや語りかけるような歌い方に注目してください。バンドとの一体感
Rudy Vallee は自らのバンド「The Connecticut Yankees」などを率い、ヴォーカルとバンドでのアンサンブルを重視しました。小編成のダンス・バンド風アレンジから、ストリングスを入れたポップ寄りの編曲まで幅があります。レパートリーの幅
流行歌、ミュージカル曲、映画主題歌などを取り上げ、1930年代のスタンダードの多くに触れています。曲ごとに時代のムード(禁酒法後・大恐慌期のニュアンスなど)を感じ取りながら聴くと面白いです。
必聴レコード/音源(おすすめピックアップ)
以下は「代表的な録音」「スタイルをよく伝える録音」「入門に最適なコンピレーション」の観点から選んだおすすめリストです。個別のオリジナル盤(78回転)か、その後の再発CD/配信で入手できる音源が中心になります。
初期のヒット集(1920年代末〜1930年代初頭のシングル群)
彼の人気が最も高かった時期のシングル(78回転)群は、ルディ・ヴァレーの“クローニング”スタイルと、当時のアレンジ感覚を素直に伝えます。個別曲はコンピレーションCDやデジタル配信でもまとめて聞けることが多く、まずはまとまった編集盤で時期を通して聴くのが入門に最適です。代表曲としてよく挙げられる楽曲群(例)
「Deep Night」や「The Stein Song」など、時代を象徴するナンバーが含まれる録音は、彼の歌の特徴と当時の音楽的流行を把握するのに向いています。曲ごとの解釈のちがい(抑制的な歌い方、語尾のニュアンスなど)に注目して聴いてください。“The Vagabond Lover” 関連音源(映画・サウンドトラック)
ヴァレーは映画にも出演しており、映画音楽や劇中歌にはエンターテインメント性の高い演奏が多く残されています。映画出演期の音源は、彼のステージ映えする一面と大衆的な魅力がわかりやすいのでおすすめです。後年の再録/ラジオ録音集(戦後〜)
戦後・晩年にかけての再録やラジオ番組のトランスクリプトは、初期録音と比較して技術・音質・歌唱の成熟度を見るのに役立ちます。時代差や解釈の変化を追うのが楽しめます。良質なコンピレーション/箱もの(再発盤)
Document Records、Bear Family、Chronological Classics 系など、旧録音を年代順/ジャンル別に丁寧にまとめた再発シリーズがあります。まとまった聴取・研究用にはこうした編集盤が便利です。解説とディスコグラフィが付くことが多い点も収集家向けの利点です。
聴き方のアドバイス — 盤を選ぶときと聴く際の注目点
時代背景を頭に入れて聴く
1920〜30年代のポピュラーソングは、録音技術・演奏様式が現代と違います。マイクやアレンジの都合で生じる「声の近接感」や「アンサンブルの響き」を当時の表現手段として楽しむのがポイントです。曲ごとの録音バージョンを比較する
同じ曲でもスタジオ録音とラジオ生演奏ではテンポやアレンジ、歌いまわしが変わることがあります。複数バージョンを聴き比べると、ルディ・ヴァレーの解釈の柔軟さがよりよく分かります。歌詞と語りのニュアンスに注目
彼の魅力は歌声だけでなく「語りかけるような歌い方」にあります。歌詞の語尾の処理や間合い、ブレスの取り方など細部に耳を傾けてください。コンピレーション選びの基準
・年代順にまとまっているか(キャリアの変化が追える)
・解説・ディスコグラフィが付いているか(曲目・録音日が分かる)
・音源の出典(オリジナル盤から復刻されたものか)を確認することが重要です。
探し方・入手のヒント(盤そのものの再生や保管の話は除く)
主要な再発レーベル(Document、Bear Family、Chronological Classics、Sepia など)のカタログをチェックすると、まとまった編集盤やボックスが見つかりやすいです。
デジタル配信やストリーミングサービスでも古い録音が配信されていることがあるため、まずはサンプルをネットで聴き、気に入った曲や時期を確認してから物理媒体の収集に進むと効率的です。
オークションサイトや中古レコードショップでは78回転盤が散見されるため、コレクション目的でオリジナルを探す場合は複数の情報源を比較してください。
まとめ
Rudy Vallee の魅力は、単なる「古い歌手」という枠にとどまらず、「ラジオ時代を象徴する歌い手」「ポピュラー・ヴォーカルの先駆者」として現代にも通じる表現力にあります。まずは年代別のコンピレーションや代表曲群を聴いて、彼のフレージングやアンサンブルとの関係性を感じ取ることをおすすめします。
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参考文献
- Rudy Vallée — Wikipedia
- Rudy Vallee | AllMusic
- Internet Archive: Rudy Vallee 検索結果(音源・資料)
- Discogs: Rudy Vallee 検索結果(ディスコグラフィ)


