マット・モンローの名盤ガイド:入門者からコレクターまで楽しむおすすめレコードと聴きどころ

はじめに

「The Man with the Golden Voice」と称されたMatt Monro(マット・モンロー)は、1950〜70年代のポピュラー/スタンダードを歌い上げた英国の名歌手です。豊かで自然な発声、控えめで的確な表現力、映画音楽やポップスとの親和性の高さで知られ、シングル曲を中心に数多くの名演を残しました。本コラムでは、これからマット・モンローのレコードを聴き始めたい人、コレクションを深めたい人向けに「おすすめレコード」とその聞きどころを掘り下げて紹介します。

Matt Monro の音楽的特徴(簡潔に)

  • 温かく芯のあるバリトン寄りの声質。過度に力まずに旋律を運ぶ歌い方が特徴。

  • 映画主題歌やブロードウェイ・スタンダード、ポピュラー・バラードを得意とし、アレンジとの相性も抜群。

  • 情感表現は抑制的だが、フレージングの確かさや語尾の処理で深い余韻を残す。

レコード選びのポイント

  • 「シングル曲の名演」を楽しむならベスト盤やコンピレーションが効率的。代表曲がまとまっているので入門向け。

  • オリジナル・アルバムで時代ごとの音作りやアレンジャーの違いを楽しむのもおすすめ(映画主題歌が多く入る作品など)。

  • リマスター盤や日本盤(解説・歌詞付)には音質や資料的価値の高いものがあるため、音質重視なら最新の正規リイシューを検討する。

おすすめレコード(入門〜コレクター向け)

  • 代表シングル集/ベスト盤(入門編)
    初めてならまずは代表曲を網羅したベスト盤。〈Portrait of My Love〉〈My Kind of Girl〉〈Softly as I Leave You〉〈Born Free〉などを一枚で聴ける盤は、マット・モンローの歌い回しや選曲傾向を短時間で把握するのに最適です。CDや配信でのリマスター音源はノイズが少なく聴きやすいので、まずはこれらで全体像を掴むと良いでしょう。

  • 映画主題歌・シングル集(映画音楽好きに)
    マット・モンローは映画主題歌を多く歌っています。代表的なものに映画『イタリアン・ジョブ』の〈On Days Like These〉や、映画テーマ曲のカバーがあります。映画音楽との結びつきを楽しみたい場合は、映画主題歌を中心に集めた編集盤やサウンドトラック寄りの編集物を探すと、その作品世界と歌唱表現の相互作用を味わえます。

  • オリジナルLP(時代の息づかいを求めるコレクター向け)
    1960年代に出たオリジナル・アルバム(オリジナル・プレス)は、当時のミキシングやアレンジをそのまま体験できる点で魅力的です。音のバランスやパンニング、ステレオ/モノラルの違いが当時のリスニング感を伝えてくれるため、雰囲気重視のコレクションとして価値があります。

  • 充実した解説・ボーナストラック付のリイシュー(深掘り派に)
    生涯や録音背景を知りたいなら、解説や未公開テイクを添えたボックスセットや拡張盤がおすすめ。初期シングル、ラジオ出演音源、未発表テイクなどをまとめたボックスはコアなファンにとって重要な資料になります。音質面でも近年のリマスターは改善が見られることが多いです。

  • テーマ別コレクション(バラード、ラヴ・ソング集など)
    マット・モンローのレパートリーはジャンルやテーマで切ると違った魅力が見えてきます。バラード中心、映画主題歌中心、ポピュラー・スタンダード中心といったテーマ別の編集盤を揃えると、曲ごとの解釈の違いや抑揚の付け方が比較しやすくなります。

各曲・各盤の聞きどころ(代表例の紹介)

  • Portrait of My Love
    メロディを丁寧に歌い上げることで、曲のロマンティシズムが際立ちます。イントロ〜Aメロでの声の入り方、サビでの語尾の処理を注目して聴くと学びが多い一曲です。

  • My Kind of Girl
    軽やかなポップ・ナンバー。リズム感と艶のある発声が特徴で、ポップス歌唱の一つの見本とも言えます。アレンジとの一体感に注目してください。

  • Softly as I Leave You / Born Free
    ドラマ性の高いバラードや映画テーマでは、フレーズの間(ま)や強弱の付け方が精神面の描写に直結します。落ち着いた語り口の中にある「一瞬のクレッシェンド」を探してみてください。

購入・リイシュー選びの実践アドバイス

  • まずはベスト盤のCDや配信で代表曲に親しみ、気に入った曲の入ったオリジナルLPやリイシュー盤を探すのが効率的です。

  • 音質や解説を重視するなら、公式リマスターや音質の良いボックスセットを優先。レーベル名やリリース年、担当リマスターの情報はチェックポイントです。

  • オリジナル・アナログの雰囲気を楽しみたい場合は、盤の状態やプレス国(UK/US/Japanなど)を確認すると良いでしょう(音質傾向やジャケット仕様が異なります)。

終わりに

Matt Monro の魅力は、その「歌の自然さ」にあります。技巧や派手さで聴かせるタイプではなく、旋律を自然に運び感情の重心を揺らす歌唱は、何度も繰り返し聴きたくなる奥行きを持っています。まずは代表曲集で耳馴染みを作り、気に入った時期や曲種ごとにオリジナル盤やリイシューを掘り下げていくのが良い楽しみ方です。

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参考文献