デヴィッド・ペイチの作曲・編曲を徹底解剖:Totoの名盤と聴きどころを網羅するガイド
デヴィッド・ペイチとは
デヴィッド・ペイチ(David Paich)は、アメリカのキーボーディスト/作曲家/編曲家で、ロック/AORバンドTotoの創設メンバーとして知られます。バンドの顔というよりは楽曲の核(作曲・アレンジ)を担う人物で、「Hold the Line」「Rosanna」「Africa」「I Won't Hold You Back」など、Totoの代表曲の多くをペイチが手がけました。セッション・ミュージシャンとしても活動し、70年代〜80年代を中心にポップ/ソウル寄りの名作に関わっています。
おすすめレコード総覧(デヴィッド・ペイチ関連)
Toto — Toto (1978)
代表曲:Hold the Line
おすすめポイント:デビュー作にしてバンドの基本設計が詰まった一枚。ペイチのピアノ/鍵盤アレンジとソングライティングが明確に出ています。疾走感あるロック・ナンバーと洗練されたメロディが並び、Totoというバンドの音楽的幅を初めて体験するのに最適。
Toto — Hydra (1979)
代表曲:99(9→9)、St. George and the Dragon
おすすめポイント:よりプログレッシヴで実験的な側面が見える作品。ペイチのアレンジ志向が強く出ており、ロック志向の隙を見せない演奏力と複雑なハーモニーが魅力です。コアなファン向けの深掘り作。
Toto — Toto IV (1982)
代表曲:Africa、Rosanna、Make Believe
おすすめポイント:商業的成功と批評的評価の双方を獲得した名盤。ペイチの作曲・編曲能力が最も結晶化したアルバムの一つで、サウンドプロダクション、コーラスワーク、ストリング・アレンジまで細部にわたる完成度が高い。特に「Africa」は異文化的なリズム処理とポップなメロディの融合が見事で、ペイチの音楽観がよく表れています。
Toto — Turn Back (1981)
代表曲:Goodbye Elenore(アルバム全体の流れで聴くのが良い)
おすすめポイント:当時の商業的期待から一歩外れ、よりロック寄り・危険な香りがする作品。ペイチのポップ志向とバンドの別面が対比され、Totoの多面性を知るうえで重要。
Toto — Isolation (1984)
代表曲:Stranger in Town
おすすめポイント:80年代中盤らしいダイナミクスと音作り。ペイチのコンポジションはよりドラマティックかつシネマティックな展開を見せ、バンドの成熟を感じさせる一枚。
Boz Scaggs — Silk Degrees (1976)
代表曲:Lowdown
おすすめポイント:ペイチはここで作曲/アレンジ面でも重要な役割を果たしています。「Lowdown」は彼のソングライティングの一端を知るのに格好の曲。Toto結成前のセッション仕事での手腕がよく分かります。
Toto — Kingdom of Desire (1992) / Mindfields (1999)
代表曲(例):Kingdom of Desireより「Kingdom of Desire」、Mindfieldsより「Cruel」など
おすすめポイント:90年代以降のTotoもペイチの楽曲観が続いており、ハードなギターとの融合やモダンな音作りを取り入れています。長年の活動を追いたいファンに。
それぞれのレコードで聴き取るべき「ペイチの仕事」
メロディとコード進行:単純なヒット・フックを超えた、ジャズやソウル由来の豊かなコード・ワーク。応用的なセカンダリードミナントやテンションの効いた和音使いに注目するとペイチらしさが見えます。
鍵盤音色:アコースティック・ピアノ、フェンダー・ローズ、ハモンド、初期のアナログ/デジタル・シンセなどを使い分け、曲ごとの色づけを巧みに行います。音色の選択で曲の空気感が決まるのが分かるはずです。
編曲とコーラス:コーラスの積み重ねやストリングス/ホーンの扱いはペイチの得意分野。特にToto IVのような盤では、細かい重ね録りやハーモニーの設計が作品の強度になっています。
リズム感とグルーヴ:アフリカン・リズムやラテン系パーカッションの導入、ジェフ・ポーカロの“Rosanna shuffle”のようにリズム面での実験もペイチ作品の大きな特徴です。
どのアルバムから聴くべきか(初心者/中級/コアファン向け)
初心者:Toto IV — 代表曲の魅力とサウンドの完成度が高く、入門編として最適。
中級者:Toto(1978)とSilk Degrees — Totoの出発点と、ペイチが外部で培ったソングライティング技法が比較できる。
コアファン:Hydra、Turn Back、Kingdom of Desire、Mindfields — 実験性やバンドの変遷、90年代以降の変化を深く楽しめます。
コレクター向けの聴き方・注目ポイント(音楽的視点)
マスタリング差:初期盤と再発盤でミックスやEQが異なることがあるため、似た曲でも音場の違いを比べると興味深い発見があります。
クレジット確認:誰がストリングスやホーンのアレンジを担当しているか、ゲスト・ミュージシャン(ジェフ・ポーカロ等)のクレジットを辿ると当時の制作背景が見えてきます。
アウトテイク/デモ:一部の再発にはデモや未発表曲が付属することがあり、曲の成長過程やペイチのスケッチ的アイデアを楽しめます。
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参考文献
- David Paich — Wikipedia
- Toto (band) — Wikipedia
- Toto IV — Wikipedia
- Silk Degrees — Wikipedia (Boz Scaggs)
- David Paich — AllMusic


