Red Garlandの名盤を徹底解説:初心者からコレクターまで使える聴きどころガイド
Red Garland — おすすめレコード深掘りコラム
Red Garland(レッド・ガーランド、1923–1984)は、モダン・ジャズの黄金期における最も「聴きやすく」かつ味わい深いピアニストの一人です。冷静でスウィンギー、ブルージーなフレーズと独特の和音配置(ブロックコード風の使い方や温かい左手の伴奏)が彼の持ち味。ここでは代表的な名盤と聴きどころを深掘りして紹介します。初心者からコレクターまで、Red Garlandの魅力が伝わる選盤ガイドとしてお使いください。
まず押さえておきたい背景
1950年代半ば、レッドはマイルス・デイヴィスのクインテット(マイルス/ジョン・コルトレーン/レッド・ガーランド/ポール・チェンバース/フィリー・ジョー・ジョーンズ)で知られるようになり、その落ち着いたタイム感と伴奏(コンピング)がグループのサウンドに大きく寄与しました。
リーダー作は主にPrestige系のセッションが多く、シンプルなトリオ編成から管楽器との共演まで幅広く録音しています。
テクニック的には「派手なフラジオや超高速パッセージ」よりも、タッチの均整、歌心ある右手メロディ、ブロック的な和声感覚で魅せるタイプです。
おすすめレコード(必聴)
Cookin' / Relaxin' / Workin' / Steamin'(Miles Davis) — マイルス・デイヴィス・クインテットのPrestigeシリーズ
理由:この4枚は1956年頃に行われたセッションから編集されたもので、レッドのピアノがクインテットのサウンドにどのように溶け込んでいるかを最もよく示しています。ソロの美しさよりも「伴奏での仕事」「グルーヴを支える役割」がよく分かります。
聴きどころ:
リズム感とタイムキープ:チェンバースとフィリー・ジョーのリズムに寄り添いながら、的確に和音を置く仕事ぶり。
ブロック和音や短いコーラスで曲の盛り上げを担う技術。
マイルス/コルトレーンのソロを活かす「間(ま)」の使い方。
Groovy(Red Garland — Prestige)
理由:リーダー作の中でも「グルーヴィー」なタイトルどおり、レッドの持ち味がストレートに出た作品。トリオ編成の演奏が中心で、ピアノの音色・タッチ・フレージングをじっくり味わえます。
聴きどころ:
単音のメロディラインと和音のバランス、特に中低域の響き。
短いフレーズの繰り返しで生まれる「安定したスウィング感」。
A Garland of Red(Red Garland — Prestige)
理由:レッドのリーダー作品の中でもメロディ感覚が光る1枚。スタンダードを取り上げることが多く、歌心あるプレイを楽しめます。
聴きどころ:
スタンダードの「歌わせ方」。フレーズ毎の呼吸やニュアンスの付け方を学べます。
トリオでの対話。ベース/ドラムとの掛け合いが耳に残ります。
All Kinds of Weather(Red Garland — Prestige)
理由:タイトルどおり様々な色合いのアレンジと表情が楽しめる作品。レッドのレパートリーの広さ(バラード、ミディアム、スウィング)を知るのに向いています。
聴きどころ:
バラードでの細やかなタッチ、ミディアムテンポでのスウィングの押し引き。
曲ごとに変わる色彩感—ピアノトーンの使い分け。
Red Garland Trio(各種トリオ録音)
理由:リーダーとしての最も純度の高い表現が詰まったトリオ作品群。余計な装飾がなくピアノそのものの魅力に集中できます。
聴きどころ:
伴奏(comping)とソロのメリハリ。
テーマの提示からソロ展開までの流れの作り方。
どう聴くか:Red Garland の「聴きどころ」ガイド
「タッチ」に注目する:強打や速弾きではなく、ポンポイントでの強弱や指先のニュアンスが魅力。
ブロックコードの使い方:和音で厚みを出す瞬間と、シングルラインで歌う瞬間の使い分けを聴き比べる。
伴奏(comping)の役割:ソロを引き立てる“間の作り方”や、リズム・セクションと絡む瞬間に注目。
スタンダードの解釈:曲ごとのテンポやフレージングの微妙な変化に注目すると、彼の音楽的美学が見えてきます。
入門者〜中級者への聴き方アドバイス
初めて聴くならまずマイルスのPrestige四部作(Cookin'ほか)で、ガーランドがグループ内でどう機能しているかを体感。
次にリーダー作(Groovy、A Garland of Redなど)でピアノ単体の魅力を確認する、という順が理解しやすいです。
同じ曲を「マイルス盤の伴奏」と「ガーランドのリーダー盤」で聴き比べると、アプローチの違い(伴奏重視 vs メロディ重視)がよく分かります。
コレクションのヒント(盤選び)
Prestigeレーベルのオリジナル盤や正規リイシューは音の質感が好まれることが多いです(ただし個体差あり)。
CDやデジタルでも、リマスターの仕方でピアノのタッチ感が変わるので、試聴をおすすめします。音の「粒立ち」やダイナミクスを重視して選ぶと良いです。
まとめ:Red Garlandを聴く価値
レッド・ガーランドは、派手さより「質感」で勝負するピアニストです。音楽の土台を支えつつ、必要なときに強い歌心を覗かせる彼のスタイルは、ジャズの「耳を育てる」教材として最適です。マイルスのクインテットでの仕事を起点に、リーダー作でピアノ本来の魅力を確かめてください。
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