Sodomのレコード盤おすすめ完全ガイド:Agent OrangeからM-16までの必聴作を徹底解説
Sodom — 総論:なぜレコードで聴くべきか
ドイツ出身のスラッシュ/エクストリーム・メタル・シーンを代表するバンド、Sodom。トム・アンヘルリッパーを中心に1980年代初頭から活動を続け、粗削りで攻撃的な初期音像から、よりタイトで戦争や政治を主題とした叙事性のある作品まで幅広く残しています。本稿では、彼らのキャリアを代表する「レコードで聴きたい」おすすめ作品をピックアップして、音楽的背景、聴きどころ、コレクター視点での選び方を深掘りします。
1. In the Sign of Evil (1984) — デモ/EP(原初の攻撃性)
概要:Sodom初期のデモ音源をまとめたEPで、ブラックメタル/初期スラッシュに多大な影響を与えた1枚。粗い録音と刃のように尖ったリフ、さらに反宗教的かつ暴力的な歌詞が特徴です。
- 聴きどころ:荒々しいギター・トーン、短尺かつ尖った楽曲構成。後のSodomサウンドの“核”が詰まっている。
- 理由:Sodomの成立過程とアンダーグラウンドな衝動を体感できるため、歴史的価値が高い。
- コレクター向けメモ:オリジナルの初期プレスは入手が難しく、リイシューも多数。音質より“オリジナルの空気感”を重視するコレクターにおすすめ。
2. Obsessed by Cruelty (1986) — 初期アルバム(生々しい直截性)
概要:Sodomの1stフルアルバム。デモ時代の凶暴さを残しつつ、構築された曲が増えた時期です。スラッシュとしての攻撃力はそのままに、より統一感のある楽曲群を聴かせます。
- 聴きどころ:咄嗟の爆発力とダイレクトなリフワーク。ヴォーカルの荒々しさが作品全体を牽引。
- 理由:初期Sodomの暴力性とスラッシュ精神をダイレクトに残す重要作で、以後の展開を知る上で必須。
- コレクター向けメモ:初期のオリジナルLPは希少。リイシューではアートワークの違いやボーナス扱いに注意。
3. Persecution Mania (1987) — 転換点(演奏精度とプロダクションの向上)
概要:粗い暴力性から一歩踏み込んだ作品。プロダクションが改善され、よりタイトでヘヴィなスラッシュへと到達しています。フランク・ブラックファイア(ギタリスト)が関与していた時期でもあり、リフの完成度が高い。
- 聴きどころ:「Outbreak of Evil」など、ミドルテンポを活かした重いフレーズと明確なメロディライン。
- 理由:Sodomの“クラシック期”の始まりと評価される作品で、以降の代表作へとつながる重要作。
- コレクター向けメモ:この時期のプレスは音が前に出るものが多く、当時のプロデューサー(Harris Johnsら)の仕事ぶりも注目点。
4. Agent Orange (1989) — 代表作(メジャー・ブレイク/戦争と社会批評)
概要:Sodomを国際的に知らしめた代表作。タイトル曲「Agent Orange」や「Remember the Fallen」など、キャッチーかつストレートなスラッシュ・アンセムを収録。戦争、化学兵器、社会への怒りといったテーマ性も際立ちます。
- 聴きどころ:フックのあるリフ、コーラス、より洗練されたアレンジ。スラッシュ入門としても聴きやすい強度。
- 理由:Sodomの“顔”とも言えるアルバムで、彼らの影響力が最も広がった作品。バンドの代表曲が集中している。
- コレクター向けメモ:1989年のオリジナル盤は人気が高い。日本盤はボーナストラックや帯(オビ)が付くことが多く、コレクター価値がある。
5. Tapping the Vein (1992) — 死/スラッシュ寄りの硬派作
概要:90年代初頭、メタルの様相が変わる中でSodomがよりエクストリームな方向へ振れた作品。デス・メタル的な重心の低さとスラッシュの鋭さが融合したアルバムです。
- 聴きどころ:速さだけでなく“重さ”を前に出したリフと低音域の圧力感。モダンなダークさが魅力。
- 理由:Sodomが進化を続ける中で、より攻撃的かつ暗い表現へと向かった重要な一枚。
- コレクター向けメモ:当時のCD化やリマスターのバリエーションがあり、音質好みで選ぶのが良い。
6. M-16 (2001) — コンセプトの完成(戦争を描く壮絶作)
概要:ベトナム戦争を主題としたコンセプト・アルバムで、Sodomのキャリア後期における大作。歌詞・音像ともに重厚で、メタルとしてのドラマとエネルギーが高密度に詰まっています。
- 聴きどころ:戦場の陰惨さを描く叙情的なパートと、突進するスラッシュの対比。表現のレンジが広い。
- 理由:テーマ性と楽曲構築が高いレベルで融合した現代の名盤として評価が高く、初期とは異なる“深み”が魅力。
- コレクター向けメモ:リリース後の複数のフォーマット(デラックス盤、アナログ再発等)があるため、パッケージ内容で選ぶと良い。
7. The Final Sign of Evil (2007) / 再録・再解釈物
概要:「In the Sign of Evil」の楽曲を当時のメンバーで再録した作品。オリジナルの荒々しさをきちんと再現しつつ、演奏・録音の面でクオリティを高めた再解釈です。
- 聴きどころ:初期曲が現代の演奏技術とプロダクションで蘇る瞬間。オリジナルとの比較でバンドの成長が見える。
- 理由:歴史的音源を“現在の視点”で再提示する試みとして興味深い。コアなファンには必聴。
- コレクター向けメモ:オリジナルEPと並べて聴くと、その差異が面白い。限定盤の色違い等のバリエーションあり。
聴きどころの共通点と時代ごとの特徴まとめ
- 初期(1980s):荒々しさ、速さ、黒さ。生々しいエネルギーが核。
- クラシック期(late 80s〜90s初頭):リフの完成度、曲構成の整備、社会/戦争テーマの登場。
- 現代期(2000s以降):コンセプト作やテーマ性の深化、演奏のタイト化とプロダクションの向上。
レコード(盤)を選ぶ際のポイント(保管や再生の話は除く)
どのプレスを選ぶかは「音質重視」か「コレクターズアイテム重視」かで変わります。
- オリジナル・プレス:歴史的価値や投資的側面で魅力。ただし経年による盤質差はある。
- リマスター/再発:音像のクリアさや低域の改善が期待できる。現代的な音で聴きたい場合は有力。
- 海外盤と日本盤の違い:日本盤は帯やボーナス曲、解説(ライナーノート)が付くことが多く、コレクターに人気。
- 限定カラーヴァイナル/ボックスセット:見た目の魅力と入手困難性がコレクター心を刺激する。限定数やシリアルに注意。
最後に:初めての1枚/掘るべき次の1枚
- 入門におすすめ:Agent Orange — Sodomの"顔"で、スラッシュの魅力を最も手軽に味わえます。
- 歴史を辿るなら:In the Sign of Evil → Obsessed by Cruelty → Persecution Maniaの流れで初期の変遷を感じると良いです。
- 深掘りしたいなら:M-16 — テーマ性と楽曲の厚みがあり、現代Sodomの核心に触れられます。
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参考文献
- Sodom — Wikipedia(英語)
- Sodom — AllMusic(アーティスト解説、ディスコグラフィ)
- Sodom — Encyclopaedia Metallum(詳細ディスコグラフィとラインナップ情報)
- Sodom — Discogs(リリース/プレス情報)
- Sodom 公式サイト


