Ritchie Blackmoreの足跡をレコードで辿る:Deep Purple/ Rainbow/ Blackmore’s Nightのおすすめアルバム完全ガイド
Ritchie Blackmore — レコードで辿る足跡とおすすめ盤 深掘りコラム
リッチー・ブラックモアはロック史におけるギター・アイコンの一人であり、ディープ・パープル(Deep Purple)、レインボー(Rainbow)、その後のブラックモアズ・ナイト(Blackmore’s Night)と、時代ごとに表情を変えてきました。本コラムでは「レコード(アルバム)を通して聴く」ことを前眼に、各時代を代表するおすすめ盤を選び、その聴きどころ・背景・ブラックモアの表現の変遷を深掘りします。
選定の視点
- 音楽的転換点を示す作品(バンドの黄金期、メンバー交代後の転換など)
- ブラックモアのギタリスト/作曲家としての個性が明確に表れていること
- ライブ盤や代表曲を通じて、演奏のダイナミズムを伝えられること
おすすめレコード(解説付き)
Deep Purple — In Rock (1970)
ブラックモアの重いリフ志向がはっきりと現れた、ディープ・パープルの“ハードロック化”を決定づけた作品。冒頭のリフワークやギター・ソロの攻め方に、その後のヘヴィロックの基礎が見てとれます。「Child in Time」など長尺での起伏ある展開も聴きどころ。
Deep Purple — Machine Head (1972)
バンドの商業的・音楽的到達点の一つ。言わずと知れた「Smoke on the Water」を含むほか、スタジオでの緊張感ある演奏、ブラックモアのフレーズのキャッチーさと即興性が両立しています。バンド・サウンドとギターの「粒立ち」を感じられる名盤。
Deep Purple — Made in Japan (Live, 1972)
ブラックモアのライブ・プレイの凄味を知るなら必聴のライヴ盤。スタジオ曲を超長尺の即興で展開する瞬間や、ギターとキーボード(ジョン・ロード)の掛け合いなど、当時の演奏力と熱量がストレートに伝わります。
Deep Purple — Burn (1974)
デヴィッド・カヴァーデイル、グレン・ヒューズ加入後の作品で、ファンクやソウルの要素が混ざる変化球。ブラックモアはリフやリードだけでなく、曲作りやアンサンブルで新たな色を見せます。タイトル曲「Burn」はその象徴です。
Rainbow — Ritchie Blackmore's Rainbow (1975)
ディープ・パープル脱退後すぐに結成したレインボーのデビュー作。ロニー・ジェイムス・ディオの怪しい声とブラックモアの中世風メロディ志向が噛み合い、ブラックモアの“叙情的かつメロディアスなハードロック”像が確立されます。「Man on the Silver Mountain」は代表曲。
Rainbow — Rising (1976)
多くの評論家・ファンがレインボーの最高傑作に挙げるアルバム。楽曲のスケール感、ドラマ性、ギター・ソロの構築力が一段と進化しており、特に「Stargazer」は壮大な音楽劇とも言える名曲で、ブラックモアの作曲センスと音世界の深さを示しています。
Rainbow — Long Live Rock 'n' Roll (1978)
ディオ期の総括的作品。中世的モチーフとハードロックの融合、独特のメロディ感覚が色濃い一枚で、ギターの語り口(モード的なフレーズや和声感)を堪能できます。
Rainbow — Difficult to Cure (1981)
メンバー/方向性が変わり、よりAOR/メロディ志向へ寄った作品。タイトル曲のインスト編曲や、シングル「I Surrender」(ラジオ向けのヒット)はブラックモアの作風が商業性と折り合いをつけた例です。ギターのフレーズはよりメロディに奉仕する場面が増えますが、技術と表現は健在です。
Blackmore’s Night — Shadow of the Moon (1997)
ブラックモアが一転、ルネサンス/フォーク志向で完全に新しい道を歩み出した出発点。キャンディス・ナイトのヴォーカルと共に中世的な音色・編成で、ブラックモアはアコースティック/民族楽器的なアプローチを見せます。ギタリストとしての幅の広さを知る一枚。
Blackmore’s Night — Under a Violet Moon (1999)
ブラックモアズ・ナイトの代表作の一つ。アコースティック中心の編曲とメロディ重視の楽曲で、ブラックモアの奏法が“叙情的なアルペジオや装飾的フレーズ”へと深化しています。ロック時代との対比で聴くと興味深い変化が浮かび上がります。
各時代の聴きどころ(ポイント解説)
ディープ・パープル期(初期〜黄金期):リフの力強さ、即興的ソロ、ロック・バンドとしてのダイナミクス。Blackmoreのフレーズはブルース由来のパンチとクラシカルな装飾が混ざり、曲の「主張」を作ります。
レインボー期:中世的/叙情的なメロディ、構築的なソロ、ドラマ性。楽曲単位での物語性やスケールを重視する作風が増え、ギターは主旋律的役割を兼ねることが多くなります。
ブラックモアズ・ナイト期:アコースティックな音色やルネサンス楽器の導入により、ギターは繊細なアルペジオ/装飾的フレーズで物語を紡ぎます。プレイの“色彩”が最も変化した時期です。
聴き比べの楽しみ方(おすすめの順序)
- まずはディープ・パープルのIn Rock / Machine Headでブラックモアの「ロック的な根幹」を把握。
- 次にMade in Japanでライブ時の即興性とテンションを体感。
- レインボーのRisingで構築的・叙情的な側面を深掘り。
- 最後にBlackmore’s Nightで表現の深化と音色の多様化を確認する、という流れが理解しやすいです。
選盤にあたってのちょっとした注目点
- 同じ曲でもスタジオ盤とライヴ盤では役割がまるで違う場合があります(例:スタジオで緻密に作られたアレンジと、ライヴでの即興的な拡張)。
- リイシューやCC(リマスター版)では音像やバランスが変わることがあるので、音楽的な「表現」を重視するならオリジナルの演奏内容に注目すると良いです(音質の好みは個人差があります)。
聴く際のキーワード(ブラックモアを掴むために)
- リフ:単純で覚えやすいが力強いライン
- 旋律性:リードで歌うようなフレーズ
- モード感・ハーモニック・マイナー:中世的・叙情的な雰囲気を生む色彩
- ダイナミクス:静と動の対比で物語を作る感覚
コラムまとめ
リッチー・ブラックモアは「ハードでブルージーなリフから、叙情的で劇的なメロディ、さらにルネサンス調の繊細な世界」までを行き来する稀有なギタリストです。上で挙げたアルバム群は、その変遷を辿れる良質な地図になります。特にディープ・パープルの『In Rock』『Machine Head』、ライヴの『Made in Japan』、レインボーの『Rising』、そしてブラックモアズ・ナイトの初期作は、それぞれの“顔”を理解する上で必聴と言えるでしょう。
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参考文献
- Ritchie Blackmore — Wikipedia (英語)
- In Rock — Wikipedia (英語)
- Machine Head — Wikipedia (英語)
- Made in Japan — Wikipedia (英語)
- Burn — Wikipedia (英語)
- Rainbow (band) — Wikipedia (英語)
- Ritchie Blackmore's Rainbow (album) — Wikipedia (英語)
- Rising — Wikipedia (英語)
- Long Live Rock 'n' Roll — Wikipedia (英語)
- Difficult to Cure — Wikipedia (英語)
- Blackmore’s Night — Wikipedia (英語)
- Shadow of the Moon — Wikipedia (英語)
- Under a Violet Moon — Wikipedia (英語)


