Randy Rhoads のレコード徹底ガイド:Quiet Riot 初期作と Ozzy 初期作を聴きどころとコレクター視点で解説
イントロダクション — Randy Rhoads をレコードで聴く価値
Randy Rhoads(1956–1982)は、ハードロック/ヘヴィメタルにおけるギター表現を大きく前進させたギタリストです。クラシック音楽的なフレージング、ネオクラシカルなモチーフ、鋭いピッキングと繊細なメロディセンスを併せ持ち、短い活動期間にもかかわらず後世に多大な影響を与えました。本コラムでは、アナログ・レコードで聴くことを前提に、Randy が参加した主要作とその聴きどころ、コレクター視点で注目したいポイントを深掘りして紹介します。(再生機材・保管方法などのレコード本体の扱いについては扱いません)
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Randy Rhoads のディスコグラフィーでレコード収集の中心となるのは、Quiet Riot 時代の初期作と、Ozzy Osbourne の初期2作です。それぞれのアルバムでの聴きどころ、代表曲、コレクターズポイントを整理します。
Quiet Riot — Quiet Riot (1977)
概要:Randy が在籍していた初期 Quiet Riot のセルフタイトル・アルバム(1977)は、まだバンドがロサンゼルスのシーンで腕を磨いていた時期の作品。後年に知られるヘヴィ・メタル路線とはやや異なるアプローチも混ざっていますが、若き Randy の個性が垣間見えます。
- 聴きどころ:ギター・ソロやクラシカルなフレーズの萌芽、曲の構築力。派手な速弾きよりはフレーズのセンスが光るパートが多い。
- 代表曲:アルバムの中のギター・ワークが際立つ曲を中心にチェックするのがおすすめ。
- コレクター視点:Quiet Riot 名義の初期オリジナル盤は流通が限られており、レアリティがある。ジャケットや盤のプレス違いを比較すると面白い。
Quiet Riot — Quiet Riot II (1978)
概要:前作の延長線上にある作品で、Randy のギターワークがさらに洗練されていく段階を記録しています。まだ世界的な知名度はない時期のため、Randy ファンには資料的価値も高い一枚です。
- 聴きどころ:メロディックなリード、多彩なトーンの使い分け。後の Ozzy 時代の片鱗を感じられる部分がある。
- コレクター視点:オリジナル・プレスはコレクターズアイテム。国内流通が少ないので輸入盤や再発の音質差を確認すると良い。
Ozzy Osbourne — Blizzard of Ozz (1980)
概要:Randy を一躍スターダムに押し上げたアルバム。Ozzy のソロ初期作で、Randy のギターが全面にフィーチャーされています。ヘヴィでありながらクラシカルな美感を持つギターがアルバム全体を牽引します。
- 聴きどころ:
- 「Crazy Train」のイントロ・リフとトレモロ/ハーモニクスの使い方—一度聴いたら忘れられない名フレーズ。
- リードのメロディ構築:速弾きだけでなく、歌うようなミドルレンジのフレーズが多い点。
- クラシック的モチーフの導入:短いフレーズやオブリガートに山場を作る才能。
- 代表曲:Crazy Train、Mr. Crowley、I Don’t Know(アルバム内でも多彩な側面が見える)
- コレクター視点:オリジナル・ジェット(Jet)盤や初版プレスは人気が高い。以後のリマスター/デラックス盤も音質やボーナス曲で魅力的なので、聴き比べる価値がある。
Ozzy Osbourne — Diary of a Madman (1981)
概要:Randy が生前に残した最後のスタジオアルバム。より壮大なアレンジと複雑なギター・ワークが特徴で、Randy の作曲面での成長も感じられます。リード・ギターの表現力が最大限に発揮された傑作です。
- 聴きどころ:
- アルバム・タイトル曲やイントロ部分のドラマ性とクラシカルな構成感。
- ギターとハーモニーの扱い:複数トラックのギターを使った重層的なサウンド。
- ダイナミクス—静と動のコントラストが曲ごとに効果的に使われている。
- 代表曲:Diary of a Madman、Over the Mountain、Flying High Again(後者はシングル的に有名)
- コレクター視点:本作もオリジナル盤は人気。CD/LP のリマスターやエディションによってはボーナストラックやミックス違いがあるため、どのバージョンを買うかは目的(オリジナル・ミックスを聴きたい/拡張音源を楽しみたい)で選ぶとよい。
上記以外で押さえておきたい音源
- コンピレーションやライヴ収録曲:Randy 時代のライブ音源やコンピは断片的ながらも貴重。曲ごとのプレイのニュアンスが確認できる。
- 後年のトリビュート盤や未発表音源集:資料的価値が高く、Randy のアレンジ感覚やアドリブの幅を知る手がかりになることがある。
サウンド面で注目すべきポイント(聴き方のガイド)
- フレージングを見る:速さだけでなく“歌わせる”フレーズが多い。スケールの選択、テンションノートの扱いに注目する。
- ハーモニー処理:ギターを重ねたときの声部の動かし方(アルペジオ的処理と対位法的な動きの組合せ)。
- クラシック要素の消化:短いモチーフの反復や転回、音階の取り回しにクラシックのエッセンスが見える。
- 音色とダイナミクス:曲中でのトーン切替え(クリーン〜ドライブ〜ディストーション)と、弾き分けによる表情の変化。
コレクション時の実用アドバイス(購入判断の観点)
- 目的を明確に:オリジナル・プレス(歴史的価値・オリジナルミックス)を狙うか、リマスター/デラックス盤(音質改善やボーナス)を楽しむかで選択が変わる。
- エディション差に注意:アルバムによっては再発で収録曲やミックスが異なるケースがあるため、商品説明をよく確認する。
- ライナーノーツ・クレジットも重要:Randy の寄与(作曲クレジット、ギター・アレンジ等)を確認すると、楽曲ごとの関与度がわかる。
- 現物で音の違いを体験する:可能なら試聴して、ギターの音像やミックス感を比べると満足度が高くなる。
Randy Rhoads の遺産とレコードでの聴き方
Randy の魅力は「一聴でわかる個性」と「深く聴くほど見えてくる音楽性」の両方にあります。レコードというフォーマットで聴くと、その時代のミックス感や演奏の空気感がダイレクトに伝わってきます。代表作である「Blizzard of Ozz」「Diary of a Madman」は、ギターファンだけでなく、作曲やアレンジを学びたいリスナーにも強く勧められる記録です。
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参考文献
- Randy Rhoads — Wikipedia
- Blizzard of Ozz — Wikipedia
- Diary of a Madman — Wikipedia
- Quiet Riot (1977) — Wikipedia
- Blizzard of Ozz — AllMusic
- Diary of a Madman — AllMusic
- Blizzard of Ozz — Discogs
- Diary of a Madman — Discogs
- Quiet Riot (1977) — Discogs


