タンゴの歴史と特徴 アルゼンチン発祥のタンゴと特徴的なダンス

こんにちは、エバープレイ編集部です！
今回はタンゴの歴史とその特徴について解説していきます。

タンゴの起源

タンゴは1870～80年頃、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで生まれました。
当時のブエノスアイレスは、多くの移民が集まる国際的な都市でした。
特に港近くのラ・ボカ地区は、船乗りや労働者、貧しい移民たちが夜な夜な集まる場所として知られていました。
この地区には安酒場や娼館が立ち並び、荒くれ者ややくざ者が集まる荒っぽい町でもありました。
タンゴの誕生は、このような背景の中で自然に生まれたものです。
労働者や移民たちは、日々のフラストレーションや孤独を音楽とダンスで発散しました。
最初は男同士が荒々しく踊っていたと言われていますが、次第に女性も加わり、独特のダンススタイルが形成されました。

　

タンゴの音楽的特徴

タンゴの音楽は、複数の文化が融合して生まれたものです。
18世紀後半にイベリア半島で発祥したハバネラなどのリズムの舞曲が、アルゼンチンやウルグアイに伝わり、タンゴの形成に影響を与えました。
初期のタンゴは、ギターとフルート、ヴァイオリンのアンサンブルで演奏されていましたが、1880年代にはバンドネオンが加わり、タンゴの音楽に欠かせない楽器となりました。
リズム的には、タンゴはシンコペーション（拍のズレ）や独特のアクセントが特徴で、これにより他の舞曲とは一線を画すエネルギッシュで情熱的なサウンドが生まれました。
カンドンベ、ミロンガ、ハバネラといった他の音楽ジャンルの影響を受けて発展していきました。

　

タンゴのダンス

タンゴのダンスは、音楽と同様に多文化の影響を受けており、アルゼンチンの移民コミュニティの中で、ヨーロッパ、アフリカ、南アメリカの多様なダンススタイルの影響を受け発展していきました。
ダンスは二人一組で踊るのが基本で、リード（通常は男性）とフォロー（通常は女性）が密着しながらステップを踏みます。
この密着したポジションは「アブラッソ」と呼ばれ、タンゴのダンスの特徴的な要素です。
ステップは複雑で即興的な要素が強く、リードがフォローに指示を出し、フォローがそれに応じる形で進行します。
そのため、リードとフォローの間の信頼とコミュニケーションが重要となります。
タンゴのダンスは、時にゆっくりと流れるような動きと、時に激しく情熱的な動きが組み合わさっています。
特に「オチョ」（8の字のステップ）や「ガンチョ」（脚を絡める動き）などの技術は、ダンサーに高度な技術と練習を要求します。

　

タンゴの進化と国際的な広がり

タンゴは20世紀初頭にアルゼンチンから世界中に広がりました。
特にパリでの人気が高まり、ヨーロッパ全土に広がりました。
この時期のタンゴは、洗練され、上流階級の社交場でも踊られるようになりました。
タンゴは様々なスタイルに分かれ、進化を遂げました。

　

タンゴの社会的・文化的影響

タンゴは単なる音楽やダンスではなく、社会的・文化的な影響力を持っています。
アルゼンチンやウルグアイでは、タンゴは国民的なアイデンティティの一部となっています。
タンゴを通じて、人々は自分たちの歴史や文化を再認識し、誇りを持つことができます。
また、タンゴは国際的にも広がりを見せ、世界各地でタンゴフェスティバルやワークショップが開催されています。これにより、異なる文化や背景を持つ人々がタンゴを通じて交流し、理解を深める機会が増えています。

　

タンゴの黄金時代

タンゴの黄金時代は、1920年代から1940年代にかけてです。
この時期、アルゼンチンは経済的に繁栄し、文化的にも豊かな時代でした。
この時期のタンゴは、踊りのためのバンドが大人気で、フランシスコ・カナロやファン・ダリエンソといった指揮者が活躍しました。
また、1916年にはロベルト・フィルポ楽団により、ヘラルド・マトス・ロドリゲス作曲のタンゴ「ラ・クンパルシータ」が初演され、大ヒットしました。
カルロス・ガルデルといった著名な歌手も登場し、タンゴの魅力をさらに広めました。

　

タンゴの衰退と復興

第二次世界大戦後、タンゴは一時的に衰退期を迎えました。
特に1955年のペロン政権崩壊後、タンゴは低迷しました。
しかし、1960年代から1970年代にかけて、再び注目を集めるようになりました。アストル・ピアソラは、従来のタンゴに革新をもたらし、新しいスタイルを確立しました。
1980年代には、パリで「タンゴアルヘンティーノ」という公演が成功し、再びタンゴへの関心が高まりました。
これ以降、タンゴは再び世界中で人気を博し、様々な形で進化を続けています。

　

タンゴの現代的な役割

今日のタンゴは、伝統と革新のバランスを保ちながら進化を続けています。
現代のタンゴダンサーやミュージシャンは、過去の伝統を尊重しつつ、新しい表現方法を模索しています。
テクノロジーの進化に伴い、タンゴの音楽制作やパフォーマンスも多様化しており、新しい世代のファンを魅了しています。
例えば、オンラインプラットフォームを利用して、世界中のタンゴ愛好者がつながり、レッスンやパフォーマンスを共有することが一般的になっています。
また、現代のアーティストたちは、タンゴを他のジャンルと融合させることで、新しいスタイルやサウンドを生み出しています。

　

タンゴの未来

タンゴの未来は明るいと言えます。
伝統的なスタイルを守りつつ、新しい表現を取り入れることで、タンゴは常に進化し続けるでしょう。
タンゴの魅力は、その情熱とエレガンスにあり、その魅力は時代を超えて人々を引きつける力を持っています。
今後も、タンゴは世界中で愛され続け、様々な文化や世代を超えて人々を結びつける役割を果たすことでしょう。
タンゴのリズムに身を委ね、その情熱を共有することで、私たちは新たな発見と感動を得ることができるのです。

　

おわりに

タンゴの音楽とダンスは歴史的な背景と様々な文化が融合し発展してきました。
タンゴの歴史を振り返ることでさらにこのタンゴというジャンルが奥深く感じられますね。

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▼参考文献
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B4
https://www.yokosuka-arts.or.jp/blog/2019/08/23/argentinetango/
https://tango-real.com/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B4%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2
https://tangogrelio.com/tango-argentino/historia-del-tango/