レコードの種類とその違い LP・EP・SP・シングルってなに?

こんにちは、エバープレイ編集部です。
今回はレコードの種類とその違いについて解説していきます。
レコードは大きく分けると下記の5種類に分けられます。
種類 | サイズ | 材質 | 回転数 | 収録時間(片面) |
SPレコード | 12インチ(約30cm) | シェラック | 78回転 | 約4~5分 |
LPレコード | 12インチ(約30cm) | 塩化ビニール | 33回転 | 約20~30分 |
EPレコード | 7インチ(約17cm) | 塩化ビニール | 45回転 | 約7~8分 |
シングルレコード | 7インチ(約17cm) | 塩化ビニール | 45回転 | 約5~8分 |
12インチシングルレコード | 12インチ(約30cm) | 塩化ビニール | 45回転 | 約6~9分 |
各レコードについて詳しく解説していきます。
①SPレコード
SPレコードのSPはStandard Playの略です。
最も古いタイプで、蓄音機で聴くレコードです。
仕様と特徴
- サイズ・回転数・収録時間:直径12インチ(約30cm)、78回転(78rpm)で再生され、片面あたり約4~5分の収録時間となります。
- 材質:シェラックという樹脂製。
シェラックは塩化ビニールよりも重く、硬い性質があり、取り扱いや保存時に割れやすかったり、カビが生えやすいという欠点があるため、注意が必要です。
歴史的背景
- SPレコードは、蓄音機時代の標準フォーマットとして普及していましたが、1963年をもって生産が終了。
現在では現在ではあまりお目にかかれず、希少なレコードとしてコレクターズアイテムとなっています。 - 再生にはSP専用のカートリッジが必要なため、現代の一般的なレコードプレーヤーとは異なる再生環境が求められます。
②LPレコード
LPレコードは現在最も一般的でよく流通しているレコードです。
LPレコードのLPはLong Playの略で、長時間録音ができるためそう呼ばれています。
仕様と特徴
- サイズ・回転数・収録時間:直径12インチ(約30cm)、33回転(33⅓rpm)で再生され、片面で約20~30分の録音が可能。
- 材質:塩化ビニール製。丈夫で薄く、軽量で、SPレコードよりも耐久性が向上し、さらに長時間の録音が可能になりました。
技術革新と普及
- 1948年に米国のコロンビア社から初めて発売されました。
LPレコード登場以前のレコードをStandard Play(SP)とし、SP盤よりも長い収録時間を持つこちらのレコードをLong Play(LP)レコードと呼ぶようになりました。 - それまでのSPレコードに対し、素材が塩化ビニールに切り替わったことで、音の密度や再現性が向上し、音質の良い録音が実現。
回転数が高ければ音質はよくなりますが、SPレコードの78回転からLPレコードの33回転になったのは素材がかわったことによる高音質録音が可能となったからです。
以降、LPはレコード市場の主流フォーマットとなりました。
③EPレコード
EPレコードのEPはExtended Playの略です。
仕様と特徴
- サイズ・回転数・収録時間:直径7インチ(約17cm)、45回転(45rpm)、片面で約7~8分程度。
- 意味合い:Extended PlayのExtendedは延長されたという意味で、収録時間がLP(フルアルバム)よりは短いが、シングルよりは長いという意味でEPと呼ばれています。
簡単に言うとアルバムとシングルの中間くらいの曲数が入っていると言うことです。
現代との関連
- 現在もこのEPレコードの収録曲数の名残で、4,5曲入ったCDや配信リリースもEPと呼ぶことがあります。
④シングルレコード

仕様と特徴
- サイズ・回転数・収録時間:直径7インチ(約17cm)、45回転(45rpm)で、片面で約5~8分の収録が可能。
サイズと回転数が同じため、シングルレコードもEPレコードと呼ばれることがありますが、厳密には誤りです。 - デザインの特徴:中央に大きな穴が開いているのが特徴で、その形状からドーナツ盤とも呼ばれています。
用途と歴史
- 1949年、RCAビクター社が発売。ュークボックスと呼ばれる自動でレコードを差し替えて曲を再生するプレーヤーで1曲ずつ連続演奏することを想定して作られました。
機械で自動的にレコードを入れ替えるためには真ん中の穴が小さいと切り替えが難しいため、大きな穴になりました。 - 家庭用プレーヤーでは家庭用のプレーヤーで再生する際は、穴を小さくする専用のアダプターを使います。
レコードプレーヤーを購入すると大体こちらのアダプターも付属しています。
⑤12インチシングルレコード
仕様と特徴
- サイズ・回転数・収録時間:サイズはLPと同じ12インチ(約30cm)ですが、回転数はシングルレコードと同じ45回転(45rpm)、片面で約6~9分の収録が可能です。
- 音質面の優位性:音質的にはこの12インチシングルレコードが一番いいです。
音質は回転数が多いほどよくなるので33回転のLPよりも音質がいいです。
またEP、シングルと比べると回転数は45回転と同じですが、盤面が大きいため1回転あたりの音溝に針が触れる長さが違います。
これにより、同じ1回転でも12インチであれば多くの情報を音溝に詰め込むことができ、音質のいい音を流すことができます。
- 用途:特に高音質を求めるレコーディングやクラブ向けリリースなどで採用されることが多い形式です。
技術的・歴史的背景と各形式の意義
材質の進化とその影響
初期のSPレコードはシェラック製であったため、耐久性に欠ける一方、塩化ビニールに変わったLP以降は、耐久性・軽量性が向上し、より長時間の録音が可能になりました。
これにより、レコードの普及と共に音楽の鑑賞スタイルも大きく変化しました。
回転数と音質の関係
一般的に、回転数が高いほど1回転あたりの音溝に刻める情報量が増え、音質が向上する傾向にあります。
しかし、収録時間とのトレードオフもあり、各形式は用途に合わせたバランスが考慮されています。
たとえば、SPは高回転(78rpm)ですが収録時間が短く、LPは低回転(33⅓rpm)ながら長時間録音可能という違いがあります。
再生機器との連携
それぞれのフォーマットには、専用のカートリッジやアダプターが必要となるなど、再生システムとの互換性も重要なポイントです。
自動再生装置での使用を想定したシングルレコードの中央穴の大きさなど、デザイン面の工夫もその時代の技術的要求に基づいています。
市場・コレクターズ的価値
SP盤は生産終了から年月が経過しているため、希少価値が高く、コレクターズアイテムとしても注目されています。
また、レコード買取サービスなどを通じて、こうした古いメディアの価値が再評価される背景も理解できます。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
レコードが持つ多様なフォーマットの違いを、単なる技術仕様だけでなく、その歴史的背景や再生機器との関係性を交えて解説していきました。
- SPレコードは初期の再生メディアとしての歴史的価値があり、素材や再生方式に特徴がある。
- LPレコードは長時間録音が可能な革新的フォーマットとして登場し、音楽産業の発展に大きく寄与した。
- EPレコードはシングルとアルバムの中間として、音楽作品の多様なリリース形態を生み出す契機となった。
- シングルレコードは、ジュークボックスなど自動再生システム向けの工夫が凝らされ、現代の家庭用プレーヤーでは専用アダプターで対応。
- 12インチシングルレコードは、大きな盤面と高回転数による音質の向上を狙った特殊な形式で、高音質志向のニーズに応えている。
このように、各形式はその時代の技術革新や利用シーン、音楽再生の要求に応じて発展してきたものであり、今日に至るまでレコード文化の多様性と魅力を支えています。
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▼参考文献
https://www.audio-technica.co.jp/cartridge/navi/whatis/02.php
https://www.audio-technica.co.jp/always-listening/encyclopedia/rpm/
https://www.audio-technica.co.jp/always-listening/articles/type-record/
https://www.wolfpack-united.jp/2017/06/02/0003/
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https://clovermusic.jp/blog/materials-and-types-of-records
https://tu-field.jp/column/recordformat/
https://record-maniac.com/lp-ep-sp/
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11186040866
https://kotobank.jp/word/EP%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89-818345
https://www.audio-technica.co.jp/always-listening/articles/record-type/
https://soundrope.com/blog/how-to-make-a-viniy/