シンディ・ローパー ― ポップ界の色彩と革新
シンディ・ローパーは1983年のデビューアルバム『She’s So Unusual』で全世界1000万枚以上を売り上げ、デビュー作から4曲のトップ5ヒットを連続で生み出した初の女性アーティストとなりました。その後も『Girls Just Want to Have Fun』や『Time After Time』など、ニューウェイヴとポップを融合させた楽曲で幅広い支持を獲得しています。さらに2008年にはLGBTQ+若者ホームレス支援団体True Colors Unitedを共同設立し、社会活動家としても注目を浴びました。受賞歴も華々しく、これまでにグラミー賞を2度(1985年、2014年)、プライムタイム・エミー賞を1度(1995年)、トニー賞最優秀オリジナルスコア賞を1度(2013年)受賞し、EGOTのうち3冠を達成しています。2025年にはロックの殿堂パフォーマー部門に選出され、11月8日に正式に殿堂入りを果たす予定です。
初期の生い立ちとキャリアの開始
幼少期
シンディ・ローパー(Cynthia Ann Stephanie Lauper)は1953年6月22日にニューヨーク市ブルックリン区で生まれ、カトリック家庭で育ちました。父親はスイス・ドイツ系、母親はイタリア・シチリア系という多文化的なバックグラウンドを持ち、幼少期から歌やダンスに親しんで成長しました。
ニューウェイヴシーンへの台頭
1970年代後半、ローパーはニューヨークのナイトクラブで歌う傍ら、事務やバーテンダーなど様々な仕事を掛け持ちしながら地元バンドのボーカリストとして活動を開始。そのハスキーで伸びやかなボーカルはニューウェイヴシーンで次第に注目を集め、1983年のソロデビューへとつながっていきました。
ブレイクスルーと代表作
『She’s So Unusual』の革新
1983年リリースのデビューアルバム『She’s So Unusual』は、ポップ/ニューウェイヴの垣根を越えたサウンドとローパーの個性が見事に融合した作品として高く評価され、全世界での売上は1000万枚を突破。グラミー賞ベスト・ニュー・アーティストを含む複数部門にノミネート・受賞しました。楽曲「Girls Just Want to Have Fun」「Time After Time」「She Bop」「All Through the Night」の4曲が連続で全米トップ5入りし、女性ソロアーティストとしての新たな歴史を築きました。
主なヒット曲
- Girls Just Want to Have Fun(1984年)
全米チャート2位を記録し、女性の自由と自己表現を象徴するポップ・フェミニズムのアンセムとなった。 - Time After Time(1984年)
全米1位を獲得したバラード。普遍的なメロディと心に響く歌詞で、世代を超えて愛され続けている。
芸術的多様性と舞台活動
ブロードウェイと『Kinky Boots』
2013年、ローパーはミュージカル『Kinky Boots』の作曲・作詞を手掛け、トニー賞最優秀オリジナルスコア賞を受賞。ローレンス・オリヴィエ賞でも最優秀新作ミュージカルに輝き、その音楽的才能とクリエイティビティを改めて証明しました。
社会的活動と「真の色彩」運動
True Colors Unitedの設立と活動
2008年、ローパーはLGBTQ+若者ホームレス支援団体True Colors United(旧True Colors Fund)を共同設立。全米各地のシェルターやコミュニティセンターを巡る“True Colors Tour”を行い、ホームレス問題の実態調査と支援策の提言を実施。若者一人ひとりの声を政策へつなげる活動を続けています。
その他の啓発活動
HIV/AIDS支援、女性の権利擁護、人権全般にわたる積極的な発言を行い、アーティストとしての影響力を社会変革にも活かしています。
受賞歴と殿堂入り
グラミー・エミー・トニー賞
- グラミー賞:2度受賞(1985年 ベスト・ニュー・アーティスト、2014年 ベスト・ミュージカル・シアター・アルバム『Kinky Boots』)
- プライムタイム・エミー賞:1度受賞(1995年)
- トニー賞:1度受賞(2013年 最優秀オリジナルスコア賞)
これにより、EGOT(エミー、グラミー、オスカー、トニー)のうち3冠を達成した数少ないアーティストの一人となっています。
ロックの殿堂入り
2025年、ローパーはロックの殿堂パフォーマー部門に選出。11月8日にロサンゼルスで正式に殿堂入りを果たす予定です。
最近の動向
フェアウェルツアー
『Girls Just Wanna Have Fun Farewell Tour』を2024年から開催中。2025年7月22日のノースカロライナ州ローリー公演を皮切りに全米各地を巡回し、ファンに惜しまれながらもキャリアの集大成を披露しています。
コラボレーションとメディア出演
2024年10月30日にはマディソン・スクエア・ガーデン公演でサム・スミスをゲストに迎え、『Time After Time』を共演。政治的・社会的メッセージを込めたパフォーマンスが大きな話題となりました。
シンディ・ローパーは、その革新的な音楽性と社会貢献を通じて、ポップミュージックの枠を超えた影響力を持つアーティストです。これからも彼女の色鮮やかなキャリアとメッセージは、多くのファンと社会にインスピレーションを与え続けるでしょう。
参考文献
エバープレイの中古レコード通販ショップ
エバープレイでは中古レコードのオンライン販売を行っておりますので是非一度ご覧ください。
https://everplay.base.shop/
また、レコードの宅配買取も行っております。
ダンボールにレコードを詰めて宅配業者を待つだけで簡単にレコードが売れちゃいます。
是非ご利用ください。
https://everplay.jp/delivery