鋭く鳴り響く――BLANKEY JET CITYの衝撃と革新の軌跡
BLANKEY JET CITYは1990年に愛知発のスリーピースバンドとして結成され、ガレージ・ロックやパンク、ニュー・ウェイヴを独自に融合した攻撃的かつ繊細なサウンドで90年代の日本ロックシーンを席巻しました。結成から10年の活動期間で8枚のオリジナル・アルバムを発表し、ラストアルバム『Harlem Jets』ではオリコン2位を獲得するなど商業的成功も収めました。2000年7月28日のフジロック・フェスティバル主催ステージを最後に解散しましたが、その後も浅井健一、照井利幸、中村達也は各ソロプロジェクトを通じて現在に至るまで影響力を持ち続けています。近年は全作品のストリーミング解禁に加え、初回アナログ盤化が進められ、新旧ファンの注目を再び集めています。
結成と誕生の背景
名古屋でスキャッツとして活動していた浅井健一と照井利幸が、上京後に中村達也と再会したことがバンド結成の契機となりました。1990年2月、当初は「THE BLANKEY JET CITY」として3人編成でスタートし、8月にはテレビ番組『イカ天』で5週連続勝ち抜き、東芝EMIとメジャー契約を果たしました。地方発の新たなロックムーブメントを象徴するバンドとして注目を集めました。
メンバー紹介
- 浅井健一(ボーカル・ギター)
愛称ベンジー。ほぼ全曲の作詞・作曲を担当し、バンドの創造性を牽引しました。 - 照井利幸(ベース)
低音からダイナミックまで自在に鳴り響くベースラインでサウンドを支えました。 - 中村達也(ドラムス)
重厚かつ機敏なドラミングがトリオの骨格を築き、変拍子を多用する大胆な演奏で定評がありました。
デビューから全盛期へ
1991年4月にロンドン録音のデビュー盤『Red Guitar and the Truth』をリリースし、オリコン初登場8位を記録。続く2ndアルバム『Bang!』では「RAIN DOG」「SOON CRAZY」などを収録し、オリコン7位を獲得。同年には日本武道館公演や『ミュージックステーション』初出演も果たしました。1993年の3rdアルバム『C.B. Jim』、同年末のミニアルバム『Metal Moon』、そして1995年のセルフプロデュース作『Skunk』まで、立て続けに作品を発表し、バンドの完成度を高めていきました。
サウンドの革新性と評価
BLANKEY JET CITYはガレージ・ロックの泥臭さとニュー・ウェイヴのスマートさ、パンクの反骨精神を内包し、当時の“バンドブーム”においても唯一無二の存在感を示しました。AllMusicは「バンドブーム期に登場した最も力強いハードロックグループの一つ」と評し、そのタフな演奏とグラム志向のセンスを高く評価しています。その革新性は、椎名林檎や常田大希(King Gnu)、大貫亜美(PUFFY)ら多くの次世代アーティストに影響を与えました。
解散劇と伝説のラストステージ
2000年5月に8thアルバム『Harlem Jets』を発表し、同作はオリコン2位に初登場。その後、7月28日のフジロック・フェスティバルGREEN STAGEにて代表曲を次々と演奏し、解散を宣言。観客を熱狂させたステージは、まさに伝説のラストステージとして語り継がれています。
解散後のソロ活動と影響の継承
解散後、浅井はSHERBETSやAJICO、照井はRosso、中村はLosaliosといったプロジェクトで活動を継続。浅井は詩や絵画など多彩な表現活動にも注力し、現在は「浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLS」として活動中。いずれのプロジェクトにも当時のエネルギーと斬新さが色濃く投影されており、BLANKEY JET CITYの遺伝子は現在も生き続けています。
最新の再評価動向
2024年7月にはライブアルバム『Last Dance』のストリーミング解禁と同時に公式YouTubeチャンネルを開設。9月25日からは全オリジナル・アルバムの初アナログ盤化がスタートし、UNIVERSAL MUSIC STORE限定のジャケットTシャツ付きアナログ盤が数量限定で発売されるなど、新旧ファンから大きな注目を集めています。
まとめ
BLANKEY JET CITYは短い10年間の活動ながら、その革新的なサウンド、圧倒的なライブパフォーマンス、そして解散後の多彩な展開により、日本のロック史に不動の地位を築きました。ストリーミングとアナログ再発という形で再び脚光を浴びた彼らの音楽は、今後も新たなリスナーを獲得し続けることでしょう。
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