和田弘とマヒナスターズの魅力再発見:ハワイアン・ムード歌謡の代表曲

和田弘とマヒナスターズは、1954年に結成され、日本におけるハワイアン・ムード歌謡を代表するグループとして活躍しました。リーダーの和田弘が奏でるスチールギターと、メンバーのファルセット・コーラスが織り成すサウンドは、戦後の日本で新鮮な異国情緒を醸し出し、多くのヒット曲を世に送り出しました。本稿では、彼らの代表曲を楽曲の背景、リリース情報、音楽的特徴、当時の反響とその後の評価など、多角的に解説します。

グループの概要

和田弘とマヒナスターズは、EMIやビクター、東芝レーベルから作品をリリースし、1960年代には「誰よりも君を愛す」で第2回日本レコード大賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得ました。結成以来、メンバーの変遷はありつつも、2004年に和田弘が急逝するまで活動を継続し、その後も派生グループが「マヒナスターズ」の名を受け継いで現在に至ります。

代表的ヒット曲解説

泣かないで

1958年8月にビクターレコードからリリースされたデビューシングル。作詞:井田誠一、作曲:吉田正による都会の夜景を背景に別れの切なさを歌い上げるバラードで、ストリングスを交えたアレンジと三原さと志の澄んだボーカルが多くのリスナーの心に深く刻まれました。

好きだった

1959年にリリースされたシングル。鶴田浩二の同名曲をハワイアン・アレンジでカバーし、切ない恋心を歌うシンプルな歌詞とリズミカルなスチールギターのフレーズが印象的。若者層を中心に幅広い支持を得ました。

お座敷小唄

1964年に発売。広島巡業中に見かけたキャバレーのホステスが口ずさんでいた民謡を元にアレンジされた一曲で、松尾和子を迎えたデュエット形式で録音。発売当初から300万枚を売り上げ、和製ムード歌謡の傑作として不動の地位を築きました。

誰よりも君を愛す

1967年発表。松尾和子をボーカルに迎え、第2回日本レコード大賞を受賞したデュエットバラード。壮大なストリングス・アレンジと情感豊かなデュエット・ボーカルが魅力で、その後のムード歌謡に大きな影響を与えました。

イミ・アウ・イア・オエ ~ アロハ・オエ

ハワイ王国最後の女王リリウオカラニによる民謡「Aloha ʻOe」を日本語詞でカバー。原曲の哀愁漂う旋律を忠実に再現し、日本語の詩情を添えた異国情緒あふれる一曲として、再発ベストコレクションにも収録されました。

カイマナ・ヒラ

ハワイ語で「ダイヤモンドヘッド」を意味するナンバー。軽快なリズムとウクレレ、スチールギターによる南国情緒が魅力で、1960年代の日本のハワイアン・ブームを象徴する一曲としてダンスホールやラジオで頻繁にオンエアされました。

珊瑚礁の彼方(ビヨンド・ザ・リーフ)

アメリカのスタンダード「Beyond the Reef」を日本語詞でカバー。穏やかなスチールギターと優しいコーラスが調和し、南国のゆったりとしたムードを感じさせるリラックスしたナンバーです。

おわりに

和田弘とマヒナスターズは、スチールギターとファルセット・コーラスを駆使し、シンプルながらも深い情感を表現する楽曲を次々と発表してきました。昭和歌謡に新風を吹き込んだそのサウンドは、今なお色あせることなく、ムード歌謡やハワイアン・ミュージックの愛好家から熱い支持を受け続けています。ぜひ彼らの代表曲を改めて聴き直し、その魅力を味わってみてください。

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