AC/DCの不滅のロックアンセム─時代を超えた5大ヒットの真髄

本稿では、AC/DCの代表的な5曲――Bon Scott期の「Highway to Hell」、Brian Johnson期を象徴する「Back in Black」および「You Shook Me All Night Long」、1990年代を席巻した「Thunderstruck」、さらには映画『アイアンマン2』にも採用された「Shoot to Thrill」――をピックアップし、それぞれの制作背景、楽曲構造、リリース後の評価を詳細に紐解きます。バンド結成から半世紀近くを経ても色あせない彼らのシンプルかつパワフルなサウンドが、いかにしてロック史に語り継がれるアンセムとなったのかを、多角的に考察します。

はじめに:オーストラリア生まれの無敵ロック集団

AC/DCは1973年にシドニーで結成され、Angus YoungとMalcolm Youngのヤング兄弟を中心に活動を開始しました。1976年にBon Scott(ボーカル)、Phil Rudd(ドラム)、Cliff Williams(ベース)が加入し、黄金ラインナップを確立。Chuck BerryやBo Diddleyにルーツを持つ12小節ブルースをベースに、エネルギッシュなギターリフとシャウト気味のボーカルを武器に、世界中のロックファンを魅了してきました。


1.Highway to Hell:Bon Scott最終章の咆哮

1979年7月27日にリリースされた同名アルバムのオープニング曲で、AC/DC初のトップ20ヒットを記録。Robert John “Mutt” Langeをプロデューサーに迎え、これまで以上にメロディアスかつパンチ力のあるサウンドを獲得しました。ツアーの過酷さを「地獄行きの高速道路」に例えた歌詞と、Aメジャーのリフが生む痛快さが、バンド史上最も象徴的なアンセムのひとつとなっています。


2.Back in Black:悲劇を乗り越えた再起の象徴

1980年7月25日リリースのアルバム『Back in Black』のタイトル曲。Bon Scott没後、Brian Johnsonを迎えて録音され、全世界で5,000万枚以上を売り上げるモンスター・アルバムに成長しました。冒頭のEマイナー・リフはScottへの追悼を込めて書かれ、Robert John “Mutt” Langeの緻密なプロダクションにより、ストイックなロックの真髄を体現しています。


3.You Shook Me All Night Long:遊び心とキャッチーさの頂点

Brian Johnson加入後初のシングルとして1980年8月15日にリリース。跳ねるようなリズムギターとシンプルなコーラスが、ロックの力強さとポップな親しみやすさを両立させています。夜通し揺さぶられるロマンチックな性愛描写を遊び心たっぷりに綴り、結婚式やパーティーの定番ナンバーとして世代を超えて愛され続けています。


4.Thunderstruck:タッピングリフが生んだ90年代の革命

1990年9月10日リリースの『The Razors Edge』からのリードシングル。Angus Youngがジャムセッション中に偶然弾いたタッピング・リフを基に完成した逸話を持ち、ARIAチャート4位、USロックチャート5位、フィンランド1位を獲得。クラシック音楽のモチーフをロックに昇華した斬新さが、90年代のロックシーンに新風を巻き起こしました。


5.Shoot to Thrill:スクリーン映えする重厚アンセム

1980年7月25日リリースの『Back in Black』収録曲で、2010年公開の映画『アイアンマン2』サウンドトラックにも採用。冒頭の重厚リフから中間部のブレイクダウンへとシフトする構成が映像作品と相性抜群で、ライブでは中盤のハイライトとして観客を熱狂の渦に巻き込みます。歌詞はロンドン郊外の麻薬密売記事に着想を得たとされ、日常の闇と誘惑を描いています。


おわりに:永遠に走り続けるロックの心臓

AC/DCの5曲を通じて見えるのは、荒削りながらも揺るぎないロックへの信念と、瞬時にスタジアムへと誘う圧倒的なエネルギーです。Bon ScottからBrian Johnsonへと受け継がれた精神は、1970~90年代の潮流を鮮明に刻みつつ、これからも新たなファンの胸を突き動かし続けるでしょう。


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