アラバマ名曲探訪:南部カントリーの黄金期を彩るヒットソング集

アラバマは1969年にアラバマ州フォートペインで結成され、1977年に正式に「Alabama」と改名して以降、1980年代を代表するカントリー・バンドとして一躍脚光を浴びました。リード・ボーカルのランディ・オーウェン、ベース&コーラスのテディ・ジェントリー、ギター&フィドル奏者のジェフ・クックらを中心に、ロックやポップ、ゴスペルなど多彩な要素を取り入れたサウンドを展開。21曲連続で全米カントリー・シングルチャート1位を獲得するという空前の快挙を成し遂げました。本稿では、彼らの代表的な7曲を深掘りし、その誕生秘話やサウンドの特徴、楽曲がもたらした文化的影響を詳しく解説します。

バンドの歩みとサウンドの革新

当初「Young Country」「Wildcountry」と名乗り、地元のバーでオリジナル曲を磨いていたアラバマは、1977年の改名後にRCAレコードと契約。以降、従来のカントリーにロック的なギターリフ、ポップなコーラス、ゴスペル調のコーラスを組み合わせたスタイルで幅広いファン層を獲得しました。これにより、地元アラバマ州の名を背負ったバンド名も相まって全国的な注目を集めることとなります。

代表曲解説

Tennessee River

1980年4月にシングルとしてリリースされた「Tennessee River」は、アルバム『My Home's in Alabama』からの3枚目のシングルで、彼らにとって初のビルボード・ホットカントリー・シングルチャート1位を獲得。南部の大河を思わせる爽やかなメロディは、故郷への郷愁を誘い、多くの聴衆に深い印象を残しました。

Love in the First Degree

1981年10月、アルバム『Feels So Right』からのシングルとして発表。Jim HurtとTim DuBoisの共作によるロマンティックなポップ・バラードで、通算5作目の全米カントリー1位を記録すると同時に、ビルボードHot 100でも15位とクロスオーバーに成功しました。

Mountain Music

1982年1月にリリースされた同名アルバムのリードシングル。イントロのシンセサイザーとアコースティックギターの掛け合いが印象的で、バンドのサウンドを象徴する一曲。カントリー・シングルチャート1位を獲得し、アルバムは多大な売上を記録しました。

Dixieland Delight

1983年8月、アルバム『The Closer You Get…』からのシングル。キャッチーなコーラスとドライブ感のあるリズムが特徴で、米国南東部の大学アメフト応援歌としても定着。その熱狂ぶりから一時はスタジアムで演奏が制限されるほどの人気を博しました。

If You’re Gonna Play in Texas (You Gotta Have a Fiddle in the Band)

1984年5月、アルバム『Roll On』からのシングル。テキサスへのオマージュとフィドルをフィーチャーした軽快なナンバーで、ビルボード・ホットカントリー1位を獲得。後に政治キャンペーン用ジングルにも採用されるなど、多彩な展開を見せました。

Song of the South

1988年11月リリースのリードシングル。ボブ・マクディル作による大恐慌期の物語が歌詞に込められ、米・加ともにカントリーチャート1位を記録。1980年代末のアラバマ黄金期を象徴する一曲となりました。

Feels So Right

1981年10月、同名アルバムからのシングル。ランディ・オーウェン作のポップ寄りラブバラードで、カントリーチャート1位、Hot 100でも20位を記録。バンドのクロスオーバー戦略を成功に導いた重要な楽曲です。

結びに

以上7曲を通じて、アラバマはカントリーの枠を超えたジャンル横断的なサウンドを確立し、80年代カントリーの地平を大きく広げました。今なお愛され続けるこれらの名曲を改めて聴くことで、南部ならではの郷愁や家族愛、そして国境を越える普遍的な魅力を感じ取ることができるでしょう。


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