カーペンターズ5大ヒット徹底解説:音楽性と背景を深掘り
カーペンターズは1969年にA&Mレコードからデビューした兄妹デュオで、リチャード・カーペンターの精緻なアレンジとカレン・カーペンターの温かみあるコントラルトが融合したソフトポップで一世を風靡しました。1970年5月にリリースした《(They Long to Be) Close to You》を皮切りに、〈We’ve Only Just Begun〉〈Rainy Days and Mondays〉〈Superstar〉〈Yesterday Once More〉という5曲の代表作が次々と全米チャート上位に食い込み、現在も幅広い世代に愛され続けています。
カーペンターズのサウンドと背景
兄妹が両親とともにニューヘイブンからロサンゼルス近郊ダウニーへ移住したのは1963年のこと。その後リチャードがオーケストレーションを手がけ、カレンの歌唱力をいかした録音を重ねるうち、伝説のセッション集団「Wrecking Crew」がバック演奏を担当し、洗練度の高いサウンドが完成しました。リチャードの繊細なピアノや管弦楽アレンジと、カレンの深い声質が織りなす透明感ある音世界が、AMポップとソフトロックの新たな地平を切り拓きました。
1. 《(They Long to Be) Close to You》
リリースと成果
1970年5月14日にシングル発売され、Billboard Hot 100とAdult Contemporaryの両チャートで4週連続1位を獲得。RIAAゴールド認定も達成し、グラミー賞「Best Contemporary Performance by a Duo, Group or Chorus」を受賞しました。
音楽的特徴
リチャードの書き下ろしたフリューゲルホルン・ソロと、ソフトなストリングス、ジャック・ドージャーティーのプロデュースが曲全体に温かみを与えています。
レガシー
以後、コンサートやコンピレーションでの定番ナンバーとなり、カーペンターズの代名詞とも言える1曲です。
2. 《We’ve Only Just Begun》
リリースと成果
1970年8月21日にシングル化され、Billboard Hot 100で最高2位、Cash Boxでは1位を獲得。Adult Contemporaryチャートでは7週間連続1位を記録し、2作目のゴールド認定曲となりました。
音楽的特徴
ポール・ウィリアムズ(作詞)とロジャー・ニコルズ(作曲)のペアが銀行のウェディングCM向けに書き下ろしたもので、リチャードの繊細なピアノイントロからカレンのエモーショナルなボーカルが響き渡るロマンティック・バラードです。
レガシー
Rolling Stone誌の「500 Greatest Songs of All Time」で第414位にランクインし、ウェディングソングの定番として世界中で歌い継がれています。
3. 《Rainy Days and Mondays》
リリースと成果
1971年4月23日に発売され、Billboard Hot 100で最高2位、Adult Contemporaryでは4作連続の1位を獲得。RIAAゴールド認定を受けました。
音楽的特徴
間奏にトミー・モーガンのハーモニカを配し、リチャードがあえてアレンジを抑え目にすることで、カレンの深い歌唱をより際立たせています。
レガシー
叙情的なメロディと歌詞は現在もドラマやラジオで頻繁に採用され、カーペンターズの代表的バラードとして高く評価されています。
4. 《Superstar》
リリースと成果
もともと1969年にDelaney & Bonnieが〈Groupie (Superstar)〉としてB面で発表した楽曲を、1971年8月にカーペンターズ版としてシングル化。Billboard Hot 100で最高2位を記録し、Easy Listening(Adult Contemporary)チャートで2週連続1位を獲得しました。
音楽的特徴
リチャードとジャック・ドージャーティーの共作編曲で、オリジナルの歌詞の一部を「sleep with you」から「be with you」に改め、カレンのワンテイク録音ボーカルによるドラマティックな表現が際立ちます。
レガシー
数多くのアーティストにカバーされる定番曲となり、1972年にはリチャードが最優秀編曲賞にグラミー賞ノミネートされるなど、幅広い評価を獲得しています。
5. 《Yesterday Once More》
リリースと成果
リチャード・カーペンターとジョン・ベティスの共作で、1973年5月16日にシングル化。Billboard Hot 100およびUKシングルチャートで共に最高2位を記録し、世界的な大ヒットとなりました。
音楽的特徴
“過ぎ去りし日々への郷愁”をテーマに、フェイクのオールディーズ・ラジオ番組を模した大胆なメドレー構成をB面に配し、A面はピアノイントロから始まる懐かしさあふれるメロディが印象的です。
レガシー
発表から半世紀を経ても数百万枚を売り上げ、カーペンターズの代名詞的ナンバーとして親しまれています。
カーペンターズはリチャードの優れた編曲力とカレンの情感豊かなボーカルが融合し、ソフトポップの金字塔を打ち立てました。これらの楽曲はリリースから50年以上を経た今も多くのリスナーに愛され、その普遍的な魅力はいまなお色褪せることがありません。
参考文献
https://en.wikipedia.org/wiki/The_Carpenters
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