KISSの永遠のアンセム5選─誕生から現在まで響き渡る名曲の軌跡
1973年にニューヨークで結成され、グラム・メタルやショック・ロックを代表する存在となったKISSの中でも、とりわけ人気の高い5曲――「Rock and Roll All Nite」「Detroit Rock City」「Beth」「I Was Made for Lovin’ You」「Shout It Out Loud」――について、リリース背景から制作秘話、チャート成績、音楽的特徴、ライブでの定番化、そして現在に至るまでの影響力を詳しく解説します。これらの楽曲がいかにしてKISSの象徴となり、世界中のファンを魅了し続けてきたのか、その魅力の本質に迫ります。
はじめに
KISSは1973年にポール・スタンレー(ボーカル/リズムギター)、ジーン・シモンズ(ボーカル/ベース)、エース・フレイリー(リードギター/ボーカル)、ピーター・クリス(ドラム/ボーカル)によって結成されました。メンバーがそれぞれコミック風のキャラクターになりきる顔面ペイントと、火を吹くエフェクトやロケット噴射などを駆使した派手なステージ演出で、1970年代半ばから一大ムーブメントを巻き起こしました。その中でも特にファンから絶大な支持を受け、コンサートの最後を飾るフィナーレとして定着した楽曲群を、本稿で改めて紐解いていきます。
代表曲詳細
Rock and Roll All Nite
1975年4月2日にシングルとしてリリースされたこのナンバーは、KISSを代表するアンセムとなりました。スタジオ・バージョンはBillboardシングルチャートで最高68位を記録し、同年10月に発売されたライブ・バージョンは1976年初頭に最高12位に達し、バンド初のトップ20ヒットとなりました。以降、ほぼすべてのライブでラストナンバーとして演奏され、KISSの象徴的なフィナーレとして愛され続けています。2008年にはVh1誌によって「史上最も偉大なハードロック・ソング」の16位に選出されるなど、その評価は揺るぎないものとなっています。
Detroit Rock City
1976年7月28日にシングルとしてリリースされ、アルバム『Destroyer』のオープニングを飾る楽曲です。ポール・スタンレーとプロデューサーのボブ・エズリンが共同で制作を担当し、当初はデトロイトの熱狂的なロックシーンへのオマージュとして構想されましたが、レコーディング中にファンの事故死のニュースを受け、歓喜と悲劇が交錯する詩情豊かな歌詞へと昇華されました。ジーン・シモンズが奏でるR&B風ベースラインも新機軸とされ、音楽的な深みを加えています。カナダのRPMチャートでは99位を記録しました。
Beth
1976年8月に「Detroit Rock City」のB面曲として発表されたバラードで、ラジオ局のリクエストによりA面に昇格後、Billboard Hot 100で7位を記録する大ヒットとなりました。ピーター・クリスとスタン・ペンリッジのデモ「Beck」を基に、ボブ・エズリンがオーケストラ・アレンジを施して完成させた経緯を持ち、そのアレンジにはニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団やギタリストのディック・ワーグナーが参加。バンドメンバーの楽器演奏が一切含まれない唯一のKISS曲としても知られています。
I Was Made for Lovin’ You
1979年リリースのシングルで、アルバム『Dynasty』に収録されました。ディスコ・ビートを大胆に取り入れた実験的なナンバーで、同年8月16日にアメリカでゴールドディスクに認定され、カナダでも8月1日にゴールドを獲得しました。Billboardシングルチャートでは11位、カナダでは1位、オーストラリアでは2位、ニュージーランドでは首位を獲得するなど、世界各国で大ヒット。作詞・作曲はポール・スタンレー、デズモンド・チャイルド、ヴィニ・ポンシアによるもので、当時のディスコ文化への挑戦的なメッセージが込められています。
Shout It Out Loud
1976年3月1日にリードシングルとしてリリースされ、アルバム『Destroyer』を象徴する1曲となりました。その年のBillboardチャートでは31位となり、KISSにとって2曲目のトップ40ヒットを記録。カナダのRPMチャートでは5月22日に1位を獲得し、バンドの国際的地位を確固たるものとしました。ほぼすべてのツアーで演奏され、2014年6月までに1400回以上披露されるなど、ファンから「最も演奏回数の多い楽曲」として親しまれています。
これら5曲は、KISSが“ショック・ロック”の王道を切り拓くと同時に、楽曲ごとに異なる音楽的実験やドラマを織り交ぜることで、世界中のファンを魅了し続けてきました。今なおライブで聴くたびに胸を高鳴らせる名曲群の背景にあるストーリーとサウンドの深淵を、ぜひ味わってみてください。
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