Thundercat(サンダーキャット)入門:プロフィール・代表作・初心者向け聴き方ガイド
Thundercat(サンダーキャット) — プロフィール
Thundercatは、ロサンゼルス出身のベーシスト/シンガー・ソングライター、プロデューサーで、本名はStephen Bruner(スティーヴン・ブルーナー)。幼少期から音楽環境で育ち、若くしてプロの現場で演奏を重ねてきた“ベースの名手”です。彼はジャズ、ファンク、ソウル、R&B、ヒップホップ、エレクトロニカなど多彩な要素を独自に融合させることで知られ、近年のロサンゼルスを中心とした“現代ジャズ/フュージョンのムーヴメント”を象徴する存在の一人です。
経歴の概略
- 幼少期からの音楽教育と家族的な影響(ドラマーの兄弟と共演するなど)
- セッション/ツアー・ミュージシャンとして多ジャンルで活動。Flying Lotus、Kamasi WashingtonなどBrainfeeder周辺のアーティストたちと深く関わる
- 2011年のソロ作である『The Golden Age of Apocalypse』で注目を浴び、その後EPやフルアルバムを重ね、2017年『Drunk』、2020年『It Is What It Is』などで国際的評価を確立
- 他アーティストとの重要なコラボレーション(Kendrick Lamar、Flying Lotus、Kamasi Washingtonなど)にも多数参加し、幅広いシーンとの架け橋となっている
音楽的な魅力(なぜ多くの人を惹きつけるのか)
Thundercatの魅力は、テクニックだけに留まらない“総合力”にあります。以下の点が特に際立っています。
- ベース奏法の自在さ:低音でグルーヴを支えつつ、メロディや和音的なアプローチ、速弾きに近いラインまで弾き分ける技術。ベースを主役に据えた楽曲構成が多く、聴覚的な驚きと躍動感を与えます。
- 多層的なジャンル融合:ジャズの高度な和声、ファンクのリズム、ソウル/R&Bの歌心、ヒップホップ的なビート感覚を自然に混ぜ合わせ、既存ジャンルの枠にとらわれない音像を作る点。
- 独特の歌声と歌詞:透明感のあるファルセットやユーモアを含む語り口、そして内省や孤独、恋愛、喪失感などを率直に描くリリシズムが、親しみやすさと深みを同時に与えます。
- コラボレーションとプロデュース感覚:Flying Lotusらとの共同作業で培ったサウンド・デザインのセンスや、異分野のミュージシャンを交えた“歌もの”の作り方は、ジャンル横断的なファンベースを広げています。
代表作と注目曲の解説
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The Golden Age of Apocalypse(2011)
ソロ初期の名刺代わりとも言える作品。ジャズやフュージョン的な即興性とブレインフィーダー系の実験精神が混ざり、Thundercatという存在を世界に知らしめたアルバムです。 -
Drunk(2017)
より“歌”と“ポップ感”を押し出した一方で、深い音楽的探究も併せ持つ傑作。シングル「Them Changes」はファンク~ソウル的なグルーヴの代表曲として広く支持され、「Show You the Way」など名ゲストを迎えた楽曲群も光ります。 -
It Is What It Is(2020)
内省とユーモア、喪失感が混ざり合った成熟作。批評的にも高評価を受け、彼のキャリア上で重要な位置を占める作品です(本作での評価は各音楽賞や批評で言及されています)。 - 注目トラック:「Them Changes」(Drunk)、「Show You the Way」(Drunk)、「Dragonball Durag」(It Is What It Is)などは、新規リスナーにとっての入り口として特におすすめです。
コラボレーションとコミュニティでの役割
Thundercatは個人名義の活動だけでなく、LAのモダン・ジャズ/フュージョン・シーンと密接な関係を持ちます。Flying Lotus率いるBrainfeeder周辺や、Kamasi Washingtonらとともに“拡張されたジャズ”の文脈を作り、またKendrick Lamarなどヒップホップ系の大物とも共同作業を行っているため、ジャンルの境界を越えた“ハブ”としての機能も果たしています。
ライブの魅力
ステージ上のThundercatは技術の見せ場だけでなく、観客とのコミュニケーションや即興のユーモアが魅力。ベースの圧倒的な存在感と、場面によってはゆるく笑いを誘うMC的な間合い、そしてバンドメンバーとの緻密なアンサンブルが合わさり、レコードとは違った臨場感を体感できます。
聴き方の提案(初心者向け)
- まずはシングル曲(「Them Changes」「Show You the Way」「Dragonball Durag」など)で彼の音色と声を掴む。
- 次に『Drunk』を通して聴き、歌とプロダクションのバランスを味わう。
- さらに『The Golden Age of Apocalypse』や『It Is What It Is』で、彼の異なる側面(実験性と成熟)を比較すると、幅の広さが実感できます。
- コラボ作品(Flying Lotus、Kamasi Washington、Kendrick Lamarのアルバムなど)を辿ると、シーン全体のつながりが見えてきます。
まとめ
Thundercatは単なるベーシストや“フェイバリット・ゲスト”を超えて、現代の音楽シーンにおける独自の立ち位置を築いているアーティストです。高度な演奏技術とポップス的な耳の良さ、そして時にユーモラスで時に深く切実な歌詞が合わさることで、広い層のリスナーに訴えかける魅力を持っています。ジャンルを問わず音楽好きならば、一度は深く掘る価値のあるミュージシャンです。
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