ティー・スクェア(T-SQUARE)の魅力を総覧—黄金期アルバムと代表曲TRUTHで辿るジャズ・フュージョン入門

ティー・スクェア(T-SQUARE)とは――魅力の総覧

ティー・スクェアは、日本が誇るフュージョン/フュージョン寄りのインストゥルメンタル・バンドです。ギターとサックス(あるいはリコーダーやリリコンなどの電子管楽器)によるメロディアスなリード、緻密でダイナミックなリズム隊、そしてポップス的な耳に残るフレーズを持ち味に、1970〜80年代のジャズ・フュージョン隆盛期から現在に至るまで長く活動を続けています。アレンジのセンス、楽曲のキャッチーさ、プレイヤーの解像度の高さが同居している点が大きな魅力です。

入門者におすすめしたい代表レコード(アルバム/シングル)と聴きどころ

以下は「まずこれを聴いてほしい」という観点で選んだ作品群です。それぞれの作品がバンドの別の側面を強調しているため、複数を聴くことでティー・スクェアの全体像がつかめます。

  • 初期の魅力を知る一枚 — 「Lucky Summer Lady」(The Square名義の作品)

    結成間もない時期の柔らかいサウンドと、後年の洗練に通じるメロディセンスが見て取れます。フュージョン・バンドとしての基礎体力が詰まった作品群で、若い熱量や実験的なアプローチが楽しめます。

    • 聴きどころ:メロディの立ち方、リズムセクションの原石的な推進力、初期の彼らのサウンドスケープ。
  • 黄金期を代表するアルバム群 — 1980年代のスタジオ作品群

    80年代はティー・スクェアのいわゆる“黄金期”。ポップでドライブ感のある曲が多く、テレビやCMで使われた楽曲もあります。この時期のアルバムはメロディの強さ、演奏の切れ味、プロダクションの鮮やかさが揃っています。

    • 聴きどころ:バンドのアンサンブル力、ソロの個性(ギター/サックス)、シンセやエレクトリック楽器の使い方による色彩感。
  • 代表曲として外せない一曲 — 「TRUTH」

    「TRUTH」は幅広い層に認知されている代表曲で、疾走感と明快なメロディが特徴。スポーツ中継などにも起用され、そのイメージの強さでバンドを象徴する存在になりました。ライブでの盛り上がりポイントでもあります。

    • 聴きどころ:イントロの決め、主旋律の力強さ、演奏テクニックが詰まったアレンジ。
  • メロディアス&叙情派の名曲 — 「宝島(Takarajima)」的なトラック群

    (「宝島」タイプの楽曲は)叙情的かつドラマティックなメロディが魅力で、聴き手の情感に直接届く曲が多いのもティー・スクェアの特徴です。映画的な展開や、聴かせるためのソロがしっかり整えられています。

    • 聴きどころ:メロウなパートとアップテンポの対比、アンサンブルの緊張と緩和。
  • 近年/復刻リリースでのおすすめ — リマスター盤やベスト盤

    往年の音源を聴くなら、公式リマスターや正規ベスト盤もおすすめです。音質の改善で演奏の細部が聴き取れ、当時のアレンジや演奏の妙を改めて味わえます。ベスト盤は入門用に最適で、代表曲を効率よく聴けます。

    • 聴きどころ:楽曲の多様性、年代ごとの音作りの違いがわかる点。

各アルバムを深掘りする視点(聴き方のコツ)

  • リード楽器に注目する

    ティー・スクェアはギターやサックスがメロディを担うことが多いです。ソロのフレージングや音色選び、フレーズの端々にあるニュアンスを追うとプレイヤーごとの個性が浮かび上がります。

  • アレンジの“間”と展開を意識する

    静と動の配分、ブレイクの取り方、コード進行から生まれる転調・展開が曲の魅力を作っています。曲全体のドラマ構造を意識して聴くと、一度で終わらない楽しみがあります。

  • リズム隊(ベース/ドラム)を深掘りする

    フュージョン的な推進力はここにあります。細かいグルーヴの変化やフィル、バッキングのアクセントが曲の躍動感を生みます。

  • 時代ごとの音作りを比べる

    70〜80年代と90年代以降ではシンセやエフェクト、プロダクションの手法が変わります。音色の違いを比べることで、バンドの進化や時代性がよくわかります。

ライブ盤・ベスト盤の活用法

スタジオ盤で緻密な作り込みを楽しんだら、次はライブ盤を聴いてください。ライブではアドリブ展開やアレンジの拡張、演奏の熱量が味わえます。ベスト盤は入門者がバンドの“顔”をつかむのに最適です。

おすすめのリスニング順(初心者向け)

  • まずはベスト盤で代表曲を把握
  • 次に黄金期のスタジオ作品で個々の曲を丁寧に聴く
  • その後、初期作品や近年作で幅を広げる
  • 気に入った時期・曲があればライブ盤やシングルの別テイクも探索

ティー・スクェアのどこが「ジャズ」なのか

即興性やインプロヴィゼーションの要素、コード進行の複雑さ、リズムのクロスオーバー性など、ジャズ的要素は確実に存在します。一方で曲作りはポップでキャッチーなので、ジャズ初心者にも聴きやすい“橋渡し”的な存在になっています。

コア・メンバーとラインナップ変遷(聴き分けのヒント)

長年活動しているためメンバー交代はあります。主要メンバーの入れ替わりは音色やソロのスタイルに直結するので、どの時期の演奏かを意識すると「なぜその曲の雰囲気が違うのか」が理解しやすくなります。

まとめ:まずは「好きなフレーズ」を見つけることから

ティー・スクェアは幅が広く、聴く人それぞれに刺さる曲が異なります。イントロのワンフレーズ、サビのメロディ、ソロの一節――まずは“好きなフレーズ”を見つけて、それを起点に関連アルバムを遡っていくと深い楽しみが広がります。

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参考文献