Pixies(ピクシーズ)徹底解説:プロフィール・サウンドの魅力・代表曲・影響と聴き方

Pixies — プロフィール

Pixies(ピクシーズ)は、1986年にアメリカ・マサチューセッツ州ボストンで結成されたオルタナティブロックの代表的バンドです。中心人物はボーカル兼ギタリストのチャールズ・トンプソン(ステージネーム:Black Francis / Frank Black)とリードギタリストのジョーイ・サンティアゴ。リズム隊はドラマーのデイビッド・ラヴァリング、ベース/コーラスを担当したキム・ディール(在籍:結成~1993、2004~2013)が長く務めました。2013年以降はパズ・レンチャンティン(Paz Lenchantin)がベース/コーラスで参加し、以降の活動に貢献しています。

1987年のEP「Come On Pilgrim」、1988年の1stアルバム「Surfer Rosa」、1989年の名盤「Doolittle」などのリリースで国際的な評価を獲得。1993年に一度活動を停止しましたが、2004年に再結成し以降も録音・ツアーを継続しています。

音楽的特徴とサウンドの魅力

  • ダイナミクス(静→爆発)の極端な対比:Pixiesのサウンドは静かなパートと爆発的な轟音を極端に行き来する「loud–quiet–loud」構造が非常に特徴的です。このメリハリが楽曲の緊張感を生み、聴覚の引力となっています。

  • 簡潔で強烈なメロディとフック:曲は短めで、無駄を削いだ構成の中に印象的なメロディやコーラスが忍ばせてあり、リスナーの記憶に残りやすいです。

  • ブラック・フランシスの歌唱と作詞世界:しばしば叫びに近い声や奇妙で寓話的な歌詞、宗教的イメージやB級映画的なモチーフが混在します。意味がはっきりしない詩世界が想像力を刺激します。

  • ジョーイ・サンティアゴのギター:シンプルながらも鋭利で異形のフレーズを奏でるギターが、曲に独特の歪みとキャラクターを付与します。ソロもテクニカルというよりはフレーズの意外性で印象づけます。

  • キム・ディールのベース&コーラス:ベースラインはメロディアスで、しばしば曲の陽の部分を担います。彼女がリードヴォーカルを取る「Gigantic」のような楽曲はバンドの多面性を示しています。

  • プロダクションの対比:スティーブ・アルビニの生々しい録音(Surfer Rosa)と、ギル・ノートンの緻密で層のあるプロデュース(Doolittle以降)という対照的な音作りも魅力の一つです。

代表曲・名盤の紹介

  • Come On Pilgrim (EP, 1987) — バンド初期の尖ったエネルギーが詰まった作品。Pixiesの出発点を知るうえで重要です。

  • Surfer Rosa (1988) — プロデューサーにスティーブ・アルビニを迎えた生々しく荒削りな1stアルバム。代表曲「Where Is My Mind?」や「Gigantic」など、後のオルタナ/グランジに与えた影響は絶大です。

  • Doolittle (1989) — 商業的にも批評的にも最も成功したアルバムの一つ。ポップなフックと不可思議な歌詞が融合した名盤で、「Debaser」「Monkey Gone to Heaven」「Here Comes Your Man」「Wave of Mutilation」などが収録されています。

  • Bossanova (1990) / Trompe le Monde (1991) — Doolittleの路線からさらに音像を広げた作品。90年代初頭のPixiesの進化と試行が感じられます(代表曲例:Velouria、Alec Eiffelなど)。

  • 再結成後のリリース(Indie Cindy 2014 / Head Carrier 2016 / Beneath the Eyrie 2019) — オリジナル期の衝撃には届かないという評価もありますが、彼らのスタイルを現代に適用した成果として注目に値します。パズ加入後の音像の変化やライブでの安定感もポイントです。

ライブでの魅力とバンドの影響

  • ライブのエネルギー:音圧とスピード感、そして不穏さを内包したステージングで観客を巻き込みます。静かな部分で張られる緊張感と、解放される瞬間のカタルシスがライブ体験の中心です。

  • 影響力:ニルヴァーナのカート・コバーンが公然と影響を公言したように、Pixiesの「静と爆発の対比」は90年代以降の多くのバンドに影響を与えました。RadioheadやNirvanaなど当時の主要バンドに与えた影響は大きく、オルタナ系の基礎的参照点となっています。

聴き方のおすすめ(入門〜深堀り)

  • まずは「Doolittle」を通して聴く:名曲が多く、Pixiesの魅力の要素(ポップなメロディ、奇怪な歌詞、ダイナミクス)が凝縮されています。

  • Surfer Rosaで生々しさを体感:アルビニの録音でより荒々しい側面が分かります。特に「Where Is My Mind?」はバンドを象徴する一曲です。

  • 代表曲プレイリスト:Debaser、Where Is My Mind?、Gigantic、Monkey Gone to Heaven、Here Comes Your Man、Wave of Mutilation、Alec Eiffelなどを順に聴くと全方位の魅力が分かります。

  • ライブ音源も要チェック:曲のダイナミクスや演奏の勢いはスタジオ盤とは別の説得力を持つため、ライヴ音源や公式ライブ映像もおすすめです。

なぜ今も色褪せないのか(総括)

Pixiesが現在でも聴かれ続ける理由は、音楽的な対比(静と爆発)、キャッチーで無駄のない楽曲構造、そして想像力を刺激する歌詞世界の三位一体です。ポップさとアヴァンギャルドさを同居させる巧みさが、世代を超えて新しいリスナーを惹きつけます。また、90年代以降のオルタナシーンに与えた影響度合いが高く、ロック史の重要な参照点として位置づけられている点も長寿の要因です。

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参考文献