Bauhaus レコード入門:初心者向けの厳選アルバムとエディション選びの完全ガイド
はじめに — Bauhaus とレコード選びの基本観点
Bauhaus は1978年にイングランドで結成され、ゴシック・ロック/ポストパンクの先駆けとして今なお強い影響力を放つバンドです。レコードで彼らを聴くことは、楽曲そのものだけでなく当時の空気感やジャケット表現を含めた「作品体験」を深めます。本コラムでは初心者〜中級コレクター向けに「買って損なし」のおすすめレコードを厳選し、それぞれの魅力・聴きどころ・買うときに注目したいエディション(概説)を解説します。なお、レコードの再生・保管・メンテナンス一般の解説は割愛します。
おすすめ 1:In the Flat Field(1980)
Bauhaus のデビュー・アルバム。暗く乾いたギター、ピーター・マーフィーの演劇的なボーカル、そして陰鬱な空気が強烈に結実した一枚で、後のゴシック・ロック像を決定づけました。バンド・サウンドの原型が最も鮮明に聴ける作品です。
- 代表曲・聴きどころ:“Double Dare”、 “In the Flat Field”、“St. Vitus Dance”。アルバム全体の統一感と緊迫感。
- エディションの目安:オリジナル(Beggars Banquet)初回プレスはコレクション的価値あり。現行リマスター(公式再発)は音圧・帯域バランスが安定して聴きやすいことが多い。
- 買うときのポイント:ジャケットの状態(フロントのコーティング剥がれやスレ)、盤のプレス面(スクラッチの有無)を確認。
おすすめ 2:Mask(1981)
デビュー作より若干ポップかつ多彩な音色を取り入れた2作目。ダイナミクスとメロディの広がりが増し、バンドの表現の幅が示されています。メランコリックながらも展開の妙が楽しめるアルバムです。
- 代表曲・聴きどころ: “The Passion of Lovers”、 “Mask” のタイトル曲群、アレンジ面での発展を見ることができる。
- エディションの目安:こちらも Beggars 系のオリジナル盤はコレクター人気が高い。オフィシャルのリマスター盤ではボーナストラックや拡張ライナーノーツが付くことがある。
おすすめ 3:The Sky's Gone Out(1982)
実験性やアレンジの幅がさらに広がり、シンフォニックな要素やアンビエントな瞬間も現れるアルバム。シングル群やアートワークも印象的で、Bauhaus の芸術性が最も前面に出た時期の一枚です。
- 代表曲・聴きどころ: “Spirit”、 “The Sky's Gone Out”、シングル「Ziggy Stardust」(カバー)など多彩な顔を持つ。
- エディションの目安:オリジナルと後年の再発で収録ボーナスが異なるため、収録曲一覧を確認してから購入を。
おすすめ 4:Burning from the Inside(1983)
バンド内の緊張や個人性が色濃く反映された作品。メンバーそれぞれの作曲色が強まり、前作までとは一味違った内省的・多面性のあるアルバムです。解散直前の混沌を含んだ歴史的作品として興味深い一枚です。
- 代表曲・聴きどころ:アルバムを通して多様なアプローチがあり、個別曲の色合いが際立つ。ファンなら必携。
- エディションの目安:メンバー作曲の多様性を楽しむならオリジナルLPも良し。後年のリマスターで音像が整理されている場合もある。
おすすめ 5:Bela Lugosi's Dead(シングル/EP、1979)
Bauhaus を象徴する長尺のデビューシングル。幽玄で儀式的な音像は一発で彼らの世界観を示し、ゴシック・ムーブメントの原点的存在として語られます。初期シングルはコアなファンやコレクターに人気です。
- 聴きどころ:曲の長さと空気感、ライブでの伝説性も併せて楽しめるトラック。後年のコンピ/ライブで版違いが存在するため、どのバージョンか確認を。
- 入手の目安:オリジナル(Small Wonder 7" など)は流通が少なくプレミアがつくことがある。正規再発やコンピCDでまずは音を確かめるのも手。
おすすめ 6:Press the Eject and Give Me the Tape(ライブ編集盤、1982)
ライブ音源を中心にまとめたアルバムで、ステージ上の迫力と即興性が伝わる一枚。スタジオ盤とは異なるダイナミクスやフレーズを楽しめます。ライブ志向のリスナーにおすすめです。
- 聴きどころ:ライブならではの熱量、アレンジ違い、観客の反応を含めた“生”の魅力。
- エディションの目安:公式ライブ盤を優先。複数のライブ録音を寄せ集めた編集のため、収録元のクレジットを確認すると面白い。
初心者向けまとめ盤のおすすめ
「入門用に一枚だけ買いたい」という場合は、ベスト盤や年代別コンピレーションがおすすめです。代表曲を網羅した編集盤は、アルバム単位では掴みにくい楽曲の幅を短時間で把握できます。ただし、ベスト盤は曲順やミックスがオリジナルと異なる場合があるので、気に入ったら元のアルバムに手を伸ばすと良いでしょう。
買うときの“エディション”に関する実用的なポイント(レコードそのものの整備は除く)
- オリジナル・プレス vs オフィシャル再発:オリジナルはコレクション価値がありますが、音質や盤状態は個体差大。公式リマスターはノイズ処理やEQの違いで聴感が変わるため、試聴可能なら聞き比べを。
- ライナーノーツとジャケット:再発で追加される解説や写真は当時背景を知る上で有益。アートワークの色味違いや見返しの有無もチェック。
- 海賊盤・疑わしいプレスに注意:安価すぎる出品や著明なラベル違いは要注意。Discogs のマスターページやリリース詳細を確認すると判断材料になります。
- 試聴の重要性:同じ曲名でもミックス違いやライブ音源が存在することが多い。可能であれば店舗での視聴、またはサンプル再生でチェックを。
コレクター向けの注目点(趣味性を高めるための小ネタ)
- 初期シングル(特に「Bela Lugosi's Dead」)のジャケットバリエーションやプロモ盤はコレクティブル。
- サブシングルや限定盤(カラーヴァイナル等)はコンサート会場販売品や海外流通限定があるため、出会いが楽しい。
- ディスコグラフィ系データベース(Discogs など)でリリース一覧と市場価格を把握すると賢く買えます。
購入ルートと試聴のすすめ
レコード店での視聴や信頼できるオンラインショップ、公式再発を扱うレーベル直販を優先すると安心です。気になる盤はまずデジタル配信やCDで曲を把握してからレコードのエディションを選ぶと失敗が少ないでしょう。
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参考文献
- Bauhaus (band) — Wikipedia
- In the Flat Field — Wikipedia
- Mask (Bauhaus album) — Wikipedia
- The Sky's Gone Out — Wikipedia
- Burning from the Inside — Wikipedia
- Bela Lugosi's Dead — Wikipedia
- Press the Eject and Give Me the Tape — Wikipedia
- Bauhaus — Discogs
- Bauhaus — AllMusic


