Johnny Winterの名盤LPを徹底解説:おすすめアルバムとレコード収集の極意
はじめに — Johnny Winterとは
Johnny Winter(ジョニー・ウィンター、1944–2014)は、テキサス出身のブルース・ロック・ギタリスト/シンガー。激しいピッキングと鋭いトーン、そしてブルースに根ざした表現力で1960〜70年代のシーンに大きな影響を与えました。本稿では「レコード(LP)で聴く価値が高い」おすすめアルバムを中心に、各作の聴きどころ、背景、そしてレコード収集の観点で押さえておきたいポイントを深掘りして解説します。
おすすめレコード(名盤・代表作 深掘り)
The Progressive Blues Experiment (1968)
Johnnyがテキサスで録音したインディー盤。まだ荒削りですが、それゆえに生々しい演奏が詰まった出世作的な位置づけです。若き日の情熱的なプレイとブルースへの忠実さがストレートに伝わります。
- 代表曲・聴きどころ:熱いスローブルースとアップテンポの組合せ、ギターの即興が随所に出てくる点。
- なぜおすすめか:初期の荒々しいエネルギー、後の大作へつながる基礎が聴ける。
- 収集ポイント:オリジナルは入手困難でプレミア化していることが多い。予算や音質を考えると、信頼できるリマスター/ライセンス再発盤でも十分に楽しめます。
Johnny Winter(Columbia/1969)
メジャー・デビュー作に相当するセルフタイトル作(1969年頃リリース)。プロダクションとアレンジが洗練され、ブリティッシュ・ブルースやアメリカン・ブルースの影響を昇華した演奏が堪能できます。
- 代表曲・聴きどころ:濃密なギター・トーン、歌心あるブルース・ナンバー。
- なぜおすすめか:初期の荒々しさとプロのスタジオ・ワークが融合した名刺代わりの一枚。
- 収集ポイント:Columbia(大手レーベル)初回プレスは価値が付きやすい。リマスター盤はノイズ低減や音の見通しが良くなることが多い。
Second Winter (1969)
彼の評価を確立した重要作。ブルースの伝統への敬意を保ちながら、ロック的なダイナミズムを前面に出したバンド演奏が光ります。歌・ギターともに充実した内容で、ファンから高い支持を受ける名盤です。
- 代表曲・聴きどころ:「Mean Town Blues」等、骨太のブルース・ロック。ギターの多彩な表情が味わえる。
- なぜおすすめか:演奏の幅とバンドのまとまりが素晴らしく、アルバムとしての完成度が高い。
- 収集ポイント:オリジナル盤の相場は高め。音質重視なら近年のリマスターやハイレゾ由来のアナログ再発を検討すると良い。
Johnny Winter And / Live Johnny Winter And(1970–1971)
“Johnny Winter And”名義のスタジオ作と、ライブ盤はどちらも必聴。特にライブ盤はステージ上の熱気と即興の応酬が記録されており、ジョニーの本領が発揮されます。共演者に兄エドガー・ウィンターやギタリストのリック・デリンジャー等が顔を見せることもあり、演奏の厚みが増しています。
- 代表曲・聴きどころ:ライブ特有のテンション、長尺のギター・ソロ、観客との呼応。
- なぜおすすめか:ジョニーのライヴ・パフォーマンスを体感できる記録として重要。スタジオ音源とは違う荒々しい魅力。
- 収集ポイント:ライブ盤は音源のミックスやマスターが複数存在するため、評論家やファンの推奨リマスターをチェックすると良い。
Still Alive and Well (1973)
薬物依存からの回復後に発表された作で、ロック寄りのアプローチが目立ちます。エネルギッシュでタイトなバンド・サウンドと、より明確なプロダクションが聴きどころです。
- 代表曲・聴きどころ:アップテンポのロック寄りナンバーと、ブルースの直球が混在する構成。
- なぜおすすめか:復活作としての説得力があり、幅広いリスナーを取り込める内容。
- 収集ポイント:70年代のColumbia期は再発も多いので、オリジナル盤か良質なリマスターかを基準に選ぶと安心。
Saints & Sinners (1974)
よりブルース寄りに回帰した作。落ち着いたテンポの曲やスロー・ブルースに、ジョニーの深い表現力が活きています。アルバムを通して聴くと、彼のヴォーカルとギターの“語り”の部分が際立ちます。
- 代表曲・聴きどころ:スロー・ブルース、メロウなギター・ワーク。
- なぜおすすめか:ギター技巧だけでなく“歌”としての説得力を重視する聴き方ができる一枚。
- 収集ポイント:70年代中盤の盤は盤質やマスターのバラつきがあるため、評判の良いプレス(リマスター)を探すと良い。
Roots (2011)
キャリア晩年にリリースされたアルバム。ルーツ志向の選曲と彼の原点回帰的なアプローチが魅力で、長年のファンにも新規リスナーにも薦めやすい内容です。
- 代表曲・聴きどころ:カバー曲を含む伝統ブルースの解釈力と、熟練したギター表現。
- なぜおすすめか:晩年の円熟味が感じられる。音の厚みや演奏の説得力が増している。
- 収集ポイント:近年作はリリース形態が多様なので、LPで探すなら信頼できるプレス情報を確認するとよい。
Step Back (2014)
遺作的側面も持つアルバム。多くのゲストが参加し、ジョニーのブルース愛を改めて示す内容となっています。近年のプロダクションと往年の演奏が融合した作品です。
- 代表曲・聴きどころ:ゲストとの共演を通して見せる多彩なブルース表現。
- なぜおすすめか:彼のキャリアを総括する意味合いが強く、幅広いブルース・ファンが楽しめる。
- 収集ポイント:新しめのリリースなので、国内外のLPプレス情報や帯/解説の有無などを確認するとコレクション性が上がります。
聴きどころの共通点とアルバム選びの指針
Johnny Winterのレコードを選ぶときのポイントは次の通りです。
- 「初期の荒々しさ」か「成熟したスタジオ・ワーク」かをまず決める。初期盤はエネルギー重視、70年代以降はプロダクションやアレンジが効いている。
- ライブ盤は彼のギターの衝動性がよく出るため、ライブを重視するリスナーには強くおすすめ。
- 共演者やプロデューサー(例:Rick Derringerや兄のEdgar Winterら)の有無で色が変わるので、クレジットをチェックすると選びやすい。
レコード収集の小アドバイス(再プレス・オリジナルの見分け方など)
ここでは再生やメンテナンスの話は避け、収集・選定に関する実務的なヒントだけを挙げます。
- オリジナル盤と再発盤の違い:オリジナルはマスターやプレスがオリジナル音源を直接使うことが多く、その個性を好むコレクターも多い。一方、リマスター再発はノイズ処理や音像の調整がされているため、音のクリアさを優先する場合はこちら。
- プレス情報を確認する:レーベル刻印、マトリクス(Runout)番号、プレス国をチェックすると同じタイトルでも音質や価値が大きく異なります。
- 解説・ライナーノーツ:国内盤や帯つきの初回プレスは資料価値が高く、長期保存やコレクション性を重視するなら重要。
- 信頼できるショップやマーケットのレビューを活用:状態表記(VG+/EXなど)や試聴可能であれば音の状態を確認してから購入するのが安心です。
締めくくり
Johnny Winterは「速弾きのみ」のギタリストではなく、ブルースを基盤にした表現力の豊かさが魅力です。初期の衝動、70年代のバンドサウンド、晩年の円熟――それぞれに異なる楽しみがあるため、目的に応じてLPを選ぶと充実したコレクションになります。ぜひ気になる一枚から針を落として、Johnnyの世界に浸ってみてください。
エバープレイの中古レコード通販ショップ
エバープレイでは中古レコードのオンライン販売を行っております。
是非一度ご覧ください。

また、レコードの宅配買取も行っております。
ダンボールにレコードを詰めて宅配業者を待つだけで簡単にレコードが売れちゃいます。
是非ご利用ください。
https://everplay.jp/delivery
エバープレイは(レコードのキュレーション/販売/情報発信を行う)サービスやショップを想定した紹介スペースです。ジョニー・ウィンターのようなアーティストの特集や再発情報、良質なLPのセレクションを提供しているプラットフォームをチェックすると、名盤の良好なプレス盤や解説付きの限定盤を見つけやすくなります。


