Mott the Hoople レコード完全ガイド:All the Young Dudesを中心に70年代グラム/ハードロックの聴きどころと盤の選び方

イントロダクション — Mott the Hoopleとは

Mott the Hoopleは1969年に結成された英国ロック・バンドで、イアン・ハンター(ボーカル/ギター)を中心に70年代初頭のグラム・ロック〜ハードロックの潮流に乗って一気に注目を集めました。特にデヴィッド・ボウイ作・プロデュースの「All the Young Dudes」でブレイクし、その後もエネルギッシュなステージングとソングライティングで多くのファンを獲得しました。ここでは、レコード(アナログ盤)で聴く価値が高いおすすめ作品を、背景や聴きどころ、どの盤を探すとよいかの観点から深掘りして紹介します。

おすすめレコード一覧(深掘り解説)

All the Young Dudes(1972) — キャリアの転換点、必携盤

解説:デヴィッド・ボウイが楽曲提供・プロデュースで関わった、彼らの代表作。タイトル曲「All the Young Dudes」はバンドのアンセムとなり、以降のシーンに与えた影響は大きいです。ボウイのプロデュースによるポップかつドラマティックなアレンジが印象的で、グラム期のムードを色濃く残しています。

  • 聴きどころ:タイトル曲のカリスマ性、コーラスの重なり、荒々しさとポップさのバランス。
  • 盤の選び方:オリジナルの英盤初出はコレクター価値が高いですが、音質重視ならメーカー公式のリマスターや重量盤180gプレスの良好な再発盤もおすすめです。

Mott the Hoople(1969) — 原点に触れるデビュー作

解説:デビュー作はブルースやサイケデリック、フォークの影響が混じったロック色が強く、後のグラム期とは違う荒削りで実験的な雰囲気があります。バンドの原点や初期の持ち味を知るうえで重要な一枚です。

  • 聴きどころ:若々しい演奏と曲構成の多様性。バンドがのちに辿る路線との対比が面白い。
  • 盤の選び方:初期プレスはジャケット・印刷の違いが多いので、オリジナル・スリーブの状態で音質とビジュアルの双方を確認すると良いです。

Brain Capers / Wildlife(1971頃の作品群) — 実験性と多様性

解説:1970〜71年のアルバム群(作風や評価はいずれもアルバムによって分かれます)は、より実験的で楽曲ごとの色が濃い時期。プログレ寄りのアプローチや、より複雑なアレンジが現れるため、コアなファンには魅力的です。

  • 聴きどころ:ひと聴きでわかる派手さは少ないものの、アレンジや曲作りの妙に注目すると発見が多い。
  • 盤の選び方:編集盤やCD時代に追加されたボーナストラックの有無で印象が変わることがあるため、収録内容をチェックして選んでください。

Mott(1973) — シングル「All the Way from Memphis」を含む重要作

解説:バンドの勢いとポップセンスが結実した一枚で、シングルヒットやツアーでの定番曲を多く含みます。バンド内部の変化(メンバーの出入り)を経ながらも高いクオリティを保っています。

  • 聴きどころ:「All the Way from Memphis」などのフックの強い曲、ギターのリフワーク。
  • 盤の選び方:シングル曲のオリジナル盤を揃えるコレクターも多いですが、アルバムとして通しで楽しむなら公式リマスター盤がバランスよくまとまっています。

The Hoople(1974) / ライブ盤・ベスト盤 — まとめて聴きたい盤

解説:バンドの黄金期を経た後期作や、ライヴ、ベスト盤も含めて聴くとその歴史の流れがよくわかります。力強いライヴ演奏や、スタジオでのコンパクトなヒット曲群、カヴァー曲の解釈など、多面的な魅力が味わえます。

  • 聴きどころ:ライヴ盤はバンドの演奏力と観客の熱気を感じられるため、スタジオ盤とはまた違った興奮が味わえます。
  • 盤の選び方:ライヴや編集盤は時に曲目が異なる編集が出回るので、収録曲・録音年の表記をチェックしてください。

代表曲(押さえておきたいトラック)

  • All the Young Dudes — 彼らの代表曲であり、グラム期の象徴的ナンバー。
  • All the Way from Memphis — ドライブ感ある名曲、ライヴでも人気。
  • Roll Away the Stone — シングルとしての即効性が高い一曲。
  • Sweet Jane(カヴァー) — 彼らの解釈で知られるヴェルヴェットの名曲カヴァー。

レコード選びの実践ポイント(購入前にチェック)

  • オリジナル盤と再発盤の違い:コレクターズアイテムとしてはオリジナル初回プレスが価値を持ちますが、音質やノイズの少なさを重視するなら評判の良い公式リマスター/重量盤再発を検討すると良いです。
  • ジャケット表記・インナーの有無:オリジナルはジャケット印刷や帯、インナー・スリーブの有無でコレクター価値が変わります。ジャケットの状態は要チェック。
  • 収録曲・エディション表記:同タイトルでも国別(英盤/米盤)で収録曲順やミックスが異なる場合があります。欲しいテイクやボーナストラックがあるか事前に確認してください。
  • ライナーノーツやクレジット:プロデューサー(例:David Bowie)が関わるかどうかで音楽的な色合いが変わります。ライナーノーツに注目すると聴きどころが深まります。
  • 価格帯の目安:初期の人気作(All the Young Dudes等)の良好なオリジナル盤はプレミアがつくことがあります。一方で再発はコストパフォーマンスが高い選択です。

楽しみ方の提案

  • 時代順に聴く:デビュー作→初期実験作→All the Young Dudes→その後のシングル群、という流れで聴くとバンドの進化が分かりやすいです。
  • スタジオ盤とライヴの対比:スタジオ録音で緻密なアレンジを楽しんだ後、ライヴ盤でのよりダイナミックな演奏を聴くと別の魅力が伝わります。
  • 関連アーティストとの比較:デヴィッド・ボウイや同時代のグラム/ハードロック勢と並べて聴くと、Mottの立ち位置が鮮明になります。

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参考文献