Dokken 名盤ガイド:初心者向け入門からコレクター必携の版とリイシュー徹底解説

Dokkenとは — 概要とコラムの目的

Dokkenは1980年代のアメリカン・ヘヴィメタル/グラムメタルを代表するバンドの一つで、ジョージ・リンチのギターとドン・ドッケンの歌唱を軸に、メロディとテクニックを両立させたサウンドが特徴です。本コラムでは「レコード(アルバム)として持っておきたいおすすめ作品」を中心に、各作品の背景、聴きどころ、購入時に注意したい版やコレクター視点のポイントまで深掘りして紹介します。

1. Breaking the Chains(1981 / 1983)

概要:欧州での初期リリース(1981)と、米国主要レーベルでの再発(1983)で構成が異なるデビュー作。バンドの基礎が形成された作品で、タイトル曲「Breaking the Chains」はバンドの代表曲として知られます。

  • 聴きどころ:パワフルかつキャッチーなリフ、初期の荒削りな勢いとメロディーが同居する点。
  • 版の違い:欧州初出(Carrere)盤と米国Elektra盤でミックスやトラック順が異なるため、どちらを手に入れるかで印象が変わります。コレクションとしては両方比較する価値があります。
  • コレクター注意点:オリジナル欧州プレスは流通量が少なく、見つかれば価値が上がります。ジャケット違い(国内盤や再発ジャケット)も複数あります。

2. Tooth and Nail(1984)

概要:Dokkenの商業的飛躍を印象づけた2作目(米国では「Tooth and Nail」)。メロディアスなナンバーとヴァース/コーラスの強さが際立ち、80年代メタルの代表格として評価されます。

  • 代表曲:アルバム全体の完成度が高く、「Just Got Lucky」「Alone Again」「Into the Fire」などが特に人気。
  • 聴きどころ:ジョージ・リンチのギター・フレーズとドンのハイトーン、楽曲ごとのドラマ性(バラード〜ハードなリフ)に注目。
  • 版の選び方:オリジナル・アナログ初版は音に反映される雰囲気が魅力。日本盤は歌詞カードや解説、帯の有無でコレクター価値が変わります。

3. Under Lock and Key(1985)

概要:より洗練されたプロダクションでヒットを重ねた作品。シングル寄りの曲作りと技術的な演奏がバランスよくまとまっています。

  • 代表曲:「In My Dreams」など、メロディックなフックが強い曲が揃う。
  • 聴きどころ:80年代のアメリカン・メタルとしての“聴かせ方”が完成された一枚。アンサンブルとコーラス・ワークが耳に残ります。
  • 購入時のポイント:プロダクションの違い(初回プレスと後年リマスター)で音の印象が異なるため、好みで選ぶと良いでしょう。

4. Back for the Attack(1987)

概要:商業的にも成功を収めた黄金期の集大成的アルバム。映画サウンドトラックで知られる「Dream Warriors」など、シングル曲の強さも特徴です。

  • 代表曲:「Burning Like a Flame」「Dream Warriors(映画『エルム街の悪夢3』収録)」など。
  • 聴きどころ:ハードな面とポップなメロディの両立。アルバム全体の完成度が高く、ライブでの再現性も高い曲が多い。
  • コレクション視点:この時期のオリジナル盤は人気があり、状態の良い初回プレスは評価されます。

5. Beast from the East(Live, 1988)

概要:黄金期のライブを収めた公式ライブ盤。スタジオ盤とは異なるアレンジや即興的なギター・ソロを楽しめるため、バンドのパフォーマンス力を知るには最適です。

  • 聴きどころ:ジョージ・リンチのギター・ソロやドン・ドッケンのボーカルがライブでどのように表現されるかが分かる好資料。
  • 購入のポイント:ライブ盤としての完成度が高く、セットリストの満足度も高いので、Dokkenの“ライブ像”を補完する一枚として推奨。

6. Dysfunctional(1995)

概要:1990年代に入っての再結成的作で、初期ラインナップが再集結した作品。重厚かつ現代的なアレンジ傾向があり、ファンの間で再評価されることが多いアルバムです。

  • 聴きどころ:初期のポップ性よりヘヴィでダークな側面が強まり、楽曲の質も高い。ジョージ・リンチとのケミストリーを再確認できる。
  • 注目点:90年代リリースなのでプロダクションが当時の音作りに寄っており、80年代作品とは違った魅力を持ちます。

7. Lightning Strikes Again(2008) ほか近年作

概要:2000年代以降の復活作や近年の作品は、過去のスタイルへの回帰とモダンなアプローチの折衷が見られます。コアなファン向けに楽しめる曲が多く含まれています。

  • 聴きどころ:往年のメロディック・センスを踏襲しつつ現代の音作りを反映。新旧ファンの橋渡しになる作品群。
  • 購入のすすめ:黄金期に比べ評価が分かれる作品もありますが、近年盤ならボーナストラックやリマスター版が出ることがあるため、内容を確認して好みの版を選ぶと良いです。

アルバム購入時の実務的アドバイス(版・リイシューの見方)

(レコードの再生・保管・メンテナンスに関する解説は含めず、あくまで“どの版を選ぶか”に関するポイントのみ)

  • オリジナル初回プレス:当時の音圧やミックス感を重視するなら初回プレスが魅力。ただし価格は高めで状態の個体差が大きい。
  • リマスター/再発:音が現代向けに整えられていることが多く、ノイズ処理やダイナミクスが異なる。ボーナストラックやデモ音源が付く場合も多い。
  • 日本盤:英語圏のリリースと比べて解説・帯など付属物が充実していることが多く、コレクション価値が上がることがある。
  • 特典・限定盤:限定カラー盤やデラックス・エディションはファン向けの価値が高いが、音質やミックスが必ずしも“良い”とは限らないので、購入前にレビューを確認するのがおすすめです。

聴きどころのポイント(曲を細かく聴くときの着眼点)

  • メロディとハーモニー:Dokkenはハードなリフにせよバラードにせよ、コーラスのメロディラインで聴かせる曲が多い。特にサビのメロディを追ってみてください。
  • ギター・ワーク:ジョージ・リンチのフレーズはテクニックだけでなく“歌う”フレーズが多い。リードパートやハーモニー・ギターを注視すると新たな発見があります。
  • 曲構成:イントロからサビへの持って行き方、ブリッジの使い方に80年代メタルの技巧が詰まっています。曲ごとの構成美を味わうと深みが増します。

まとめ — どの一枚から始めるべきか

初めてDokkenを聴くなら「Tooth and Nail」または「Under Lock and Key」が入門に最適です。バンドの代表曲とサウンドの魅力が凝縮されています。コレクターや深掘り派は、デビュー期の「Breaking the Chains」の欧州盤/米国盤の違いを比べたり、黄金期のライブ「Beast from the East」を揃えるとバンド像が立体的に見えてきます。

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参考文献