Argent(アージェント)— 70年代英国ロックの名バンドを徹底解説:代表曲・名盤・ライブの魅力
Argent — プロフィール概観
Argent(アージェント)は、英ロック界のベテランたちが結成したバンドで、1969年に結成されました。中心人物はキーボード奏者でソングライターのロッド・アージェント(Rod Argent)。彼は前身バンドであるThe Zombiesでの活動でも知られています。Argentは70年代初頭に活動のピークを迎え、ハードロックやプログレッシブ・ロックの要素をポップ感覚と融合させたサウンドで独自の存在感を示しました。
結成とメンバー
主なオリジナル・メンバーは以下の通りです。
- ロッド・アージェント(Rod Argent) — キーボード、ヴォーカル、主要ソングライティング
- ラス・バラード(Russ Ballard) — ギター、ヴォーカル、ソングライティング(初期の重要メンバー)
- ジム・ロッドフォード(Jim Rodford) — ベース
- ボブ・ヘンリット(Bob Henrit) — ドラムス
この布陣は巧みなアンサンブルを作り上げ、特にオルガンやピアノを前面に出したサウンドがArgentのトレードマークとなりました。後にメンバーの移動や脱退があり、バンドは音楽的に変化を続けますが、核心にはロッド・アージェントの鍵盤とメロディ志向がありました。
音楽性と魅力の核心
Argentの魅力は、いくつかの要素が重なり合って生まれます。
- 鍵盤(特にハモンド・オルガン)を中心とした力強いアンサンブル:ロッドのオルガン/ピアノが楽曲の主導権を握り、ギターやリズム隊と緊密に絡むことで独特のドライブ感を作り出しています。
- ポップとプログレッシブの融合:キャッチーなメロディと複雑なアレンジのバランスが良く、聴きやすさと演奏上の聴きどころを両立させています。
- ソングライティングの多様性:ラス・バラードのポップで直球な名曲群(シングル向け)と、ロッド・アージェントのやや翳りを含む楽曲群(アルバム志向)が好対照を成しています。
- ライブでの演奏力:テクニカルなキーボード・ソロと堅実なリズムセクションが、スタジオ音源以上の熱量を生むことが多いです。
代表曲と名盤(入門ガイド)
まず聴くべき代表的な曲とアルバムを挙げます。Argentを初めて聴く人にとっては、ここから入るのが分かりやすいでしょう。
- 「Hold Your Head Up」 — バンドを代表する大ヒット。高らかに鳴るオルガンのリフと勇ましいコーラスが印象的な、ロック・アンセム的ナンバーです。
- 「Liar」 — ラス・バラード作の曲。Three Dog Nightなどにカバーされ、バンドのソングライティング能力を示した楽曲。
- All Together Now(1972) — 代表曲を収めたアルバムで、Argentの多面的な魅力(ポップさとアンサンブル力)を感じられる入門盤。
- Ring of Hands(1971) — 初期の実験的かつダイナミックな面を示す作品。演奏重視のトラックが多く、バンドの演奏力を堪能できます。
- In Deep(1973) — サウンドがやや洗練され、曲の幅が広がった中期作。大衆性とアート性の中間点を探る一枚です。
楽曲分析のポイント(深堀)
「Hold Your Head Up」を例に取ると、曲の魅力は単純なキャッチーさだけではありません。イントロのオルガン・リフは楽曲全体を牽引するフックであり、ヴァースではリズムを絞って歌メロを際立たせ、サビで一気に解放する構成を取っています。これはロックにおける「緊張と解放」を効果的に活用した好例です。
また、ラス・バラード作曲のナンバーにはポップ・センスが溢れており、後年に他アーティストがヒットさせたのもうなずけます。Argent内のソングライティングの“二枚看板”が、アルバムごとの音の振れ幅を生み出しました。
ライブ/ステージ上の魅力
Argentはスタジオ録音よりもライブでのダイナミズムが際立つバンドでした。鍵盤ソロの即興性、ドラマティックな曲展開、そして堅実なグルーヴが相まって、観客を巻き込む力がありました。特に1970年代初頭のフェスやツアーでのパフォーマンスは高く評価されています。
その後の影響とメンバーの歩み
- ラス・バラードはソロ/ソングライターとして成功し、多数のアーティストに楽曲を提供しました。Argentでの作曲能力はその後の業績に繋がっています。
- ジム・ロッドフォード、ボブ・ヘンリットらはその後も英国ロックの名だたるグループと関わり、シーンに影響を残しました。
- ロッド・アージェント自身はThe Zombiesとの関係や、後年の音楽活動を通じて英国ポップ/ロックの重要人物として評価されています。
Argentを楽しむための具体的な聴き方(おすすめ)
- まずはシングル中心に「Hold Your Head Up」「Liar」などを聴いてサウンドの核を掴む。
- 次にアルバム(All Together Now、Ring of Hands)を通して聴き、曲間のアレンジやテンポの変化を味わう。
- ライブ音源やブート(音源化されているもの)を聴くと、スタジオ録音とは異なる即興性や迫力が楽しめます。
- ラス・バラード作品とロッド・アージェント作品を比較し、ソングライティングの違いに注目すると、バンドの多面性がより分かります。
なぜ今聴くべきか(現代的意義)
Argentの音楽は、クラシックロックの王道とも言える「メロディ、演奏、アレンジ」を高い次元で両立しています。ビンテージなオルガン・サウンドやダイナミックなアンサンブルは、現代のロック/ポップ・シーンにも新鮮に響きます。レトロな魅力だけでなく、ソングライティングや演奏の質は時代を超えて楽しめる要素を備えています。
まとめ
Argentは「メロディアスなロック」と「演奏力」を両立させたバンドで、ロッド・アージェントの鍵盤を軸にしたサウンドと、ラス・バラードらのソングライティングが織り成す多彩さが魅力です。代表曲をきっかけにアルバム全体に踏み込めば、70年代ロックの奥行きとエネルギーを存分に味わえます。
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