Glenn Hughesのアナログ盤コレクション完全ガイド|TrapezeからBlack Country Communionまで聴きどころと選び方

Glenn Hughesとは

Glenn Hughes(グレン・ヒューズ)は英国出身のベーシスト/ボーカリスト/ソングライターで、1970年代のトラピーズ(Trapeze)やディープ・パープル(Deep Purple/Mark III~IV)での活動を経て、ソロや多数のコラボレーションで独自のソウルフルな歌声とファンク/ハードロックを融合させた音楽性を確立しました。「ロック界のソウル・マン」「ロックとファンクを行き来する歌声」として評価される一方で、キャリアは波乱に満ち、復帰や新プロジェクトの成功を重ねています。本稿ではレコード(アナログ)のコレクション視点で、作品の選び方・各アルバムの魅力と聴きどころを深掘りして紹介します。

選定基準(このコラムで“おすすめ”とする理由)

  • 歴史的意義:Glennのキャリアの転機や代表作であること

  • 音楽的魅力:歌唱、楽曲、アレンジが際立つ作品

  • バリエーション:ソウル/ファンク寄り、ハードロック寄り、コラボ/バンド作品など音楽性の幅を感じられること

  • レコードとしての魅力:オリジナル盤や注目すべき再発が存在し、コレクション価値や音質面で注目され得ること(※再生や保管の方法自体の説明は行いません)

おすすめレコード(深堀レビュー)

  • Trapeze — Medusa(1970)

    Glenn Hughesの初期を代表するバンド作品。ロックにソウル/ファンクの要素を持ち込み始めた時期の名盤で、ベース&ヴォーカル両面で若きGlennの魅力が詰まっています。トラピーズ期はその後の彼の歌唱スタイルとグルーヴ感の源流を知るうえで重要です。オリジナルのUK盤やUS盤はコレクターズアイテムとして人気があります。

    聴きどころ:楽曲の骨太なグルーヴ、コーラスの使い方、Glennの低域〜ファルセットまでの表現。

  • Deep Purple — Burn(1974)

    ディープ・パープルのMark III体制での大作。Glenn Hughesはベース兼ヴォーカルとしてDavid Coverdale(同じくMark III)と共にフロントを担い、従来のハードロックにファンク/ソウルの要素を加えたサウンドが特徴です。タイトル曲「Burn」を筆頭に、彼のシャープかつエモーショナルな歌声が際立つ一枚で、ディープ・パープル史上でも転換点となる作品です。アナログではオリジナルの初期プレスや高音質リマスター盤の評価が高いです。

    聴きどころ:ハードロック層とソウルフルな表現の融合、Glennのリードヴォーカルでの表現力。

  • Deep Purple — Stormbringer(1974)

    同年リリースの続作で、前作の路線をさらに推し進めつつ、ファンキーなアプローチが色濃く出たアルバム。賛否分かれる面もありますが、Glennのヴォーカルとベースワークがバンドの新しい顔になったことは明らかで、当時のロックの実験精神と彼の適応力を感じられます。コレクションとしてはジャケットやプレスの差異を楽しめる作品でもあります。

    聴きどころ:ファンク寄りのリズム感とロック的攻撃性の同居、ヴォーカルアレンジの新機軸。

  • Glenn Hughes — Play Me Out(1977)

    Glennの初期ソロ作品。ハードロックよりもソウル/R&B寄りの配合が強く出たアルバムで、彼の“歌”にフォーカスした内容です。派手さよりも歌い込みや表現の細やかさが魅力で、彼の多面的な音楽性を知るには格好の作品。アナログでのオリジナル盤はリリース当時の音像を楽しめますし、近年の再発で音質改善された盤も入手しやすくなっています。

    聴きどころ:抑制の効いたソウルフルな歌唱、ストリングス/アレンジの温かみ。

  • Hughes/Thrall — Hughes/Thrall(1982)

    Glenn HughesとギタリストのPat Thrallによるデュオ名義作。AORやニューロックの要素を取り入れつつも、非常に洗練されたメロディと演奏が光る作品で、リリース当初は商業的大成功とは言えなかったものの、後に“カルト・クラシック”として再評価されました。ヴォーカルとギターの掛け合いが秀逸で、80年代の産物としても興味深い一枚です。

    聴きどころ:ギター・サウンドと声のバランス、80年代流のプロダクションを活かした楽曲群。

  • Glenn Hughes — Feel(1995)

    90年代に入って復調したGlennのソロ作群の中でも、歌と楽曲の完成度が高い作品。ハードロックとソウルのバランスが整い、成熟したシンガーとしての側面が強調されています。90年代のロックシーンに適応しつつも彼らしさを失わないサウンドが評価されています。

    聴きどころ:成熟した歌唱、楽曲の幅(バラード〜アップまで)の安定感。

  • Glenn Hughes — Addiction(1996)

    ヘヴィなギターと激しいリズムを前面に出した、ハードロック色の強い作品。個人的なテーマやダークな色合いが感じられる曲が多く、Glennの内省的な歌詞世界と歌唱力が直截に伝わるアルバムです。ハードな側面のGlennを求めるリスナーには必聴の一枚。

    聴きどころ:激しさと内省の両立、ギターサウンドの重量感。

  • Glenn Hughes — Soul Mover(2005) / Music for the Divine(2006)

    2000年代の代表作。Soul Moverは比較的コンパクトでファンキーなアプローチ、Music for the Divineは楽曲の多様性と高揚感が特徴です。この時期はプロダクションも良く、近年の高音質再発(180gなど)でアナログ音源としても注目に値します。

    聴きどころ:現役感のある歌声、楽曲の幅とバンドアンサンブルの充実。

  • Black Country Communion — Black Country(2010)

    Joe Bonamassa(ギター)とJason Bonham(ドラム)、Derek Sherinian(キーボード)と結成したスーパー・グループの第1弾。Glennはソウルフルなリードヴォーカルとベースでバンドの中心を担い、クラシカルなブリティッシュ・ハードロック感と現代的ヘヴィネスが共存する名盤となりました。バンド作としての完成度が高く、Glennのロック・フロントマンとしての貫禄を堪能できます。

    聴きどころ:王道ハードロック感×ブルース的ギター、厚みのあるコーラスワーク。

  • California Breed — California Breed(2014)

    若手プロデューサー/ギタリストAndrew WattとJason Bonhamと組んだプロジェクトで、現代的かつタイトなロックを提示した一作。短く引き締まった楽曲群とGlennの説得力あるヴォーカルが特徴で、近年の活動の中で異色かつ興味深い作品の一つです。

    聴きどころ:コンパクトで鋭い楽曲、現代ロックの文脈でのGlennの歌唱。

  • Glenn Hughes — Resonate(2016)

    近年作の代表格で、現代的なロックプロダクションの中に彼の伝統的要素(ソウル/ファンク/ハードロック)が調和しています。長年のキャリアを経た表現力や声の深みが存分に活かされた作品で、最新期のGlenn像を追うには最適です。

    聴きどころ:声の深み、現代的プロダクションとの相性、熱のこもったパフォーマンス。

アルバム選びの実用的なポイント(レコードの入手視点)

  • オリジナル盤 vs 再発:オリジナル初期プレスはコレクション性が高い一方、近年の高品質リマスターや180g重量盤再発は音質面で優れることが多いです。持っているプレイヤー環境や音質志向に応じて選びましょう。

  • 帯やインナー、ジャケットの状態:コレクター価値はビジュアル系の保存状態にも左右されます。表ジャケットの色抜け、付属のインナーやライナーノーツの有無をチェックしましょう。

  • レーベル違いのサウンド差:70s〜80sの盤はプレスの違いで音像が大幅に変わることがあります。気に入ったアルバムは複数のプレスを聴き比べる価値があります(同じタイトルの国内盤/輸入盤など)。

  • コラボ/バンド名義も聴き比べる:TrapezeやDeep Purple、Hughes/Thrall、Black Country Communion、California Breedなど、名義ごとに音楽性が大きく異なるため“同一アーティストの多面性”を楽しむという観点で収集すると満足度が高まります。

まとめ

Glenn Hughesは“ベーシストなのにフロントマン級の歌声”という稀有な存在であり、トラピーズやディープ・パープルでの重要な役割から多彩なソロ/コラボ作品まで、音楽性の幅が非常に広いアーティストです。レコードで彼の変遷を追うと、60〜70年代のロック/ソウルの交差点、80年代のスタイリッシュなAOR/ロック、90年代以降の復活と成熟、2010年代のスーパーグループ活動まで、時代ごとの“音の違い”を楽しめます。まずは上で挙げた代表的な数枚(Trapezeの初期作、Deep PurpleのBurn、Hughes/Thrall、Play Me Out、Addiction、Black Country Communionの1stあたり)を押さえると、Glennの魅力を体系的に理解できるでしょう。

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参考文献