ザ・スクェア(T-SQUARE)の歴史と魅力:日本を代表するフュージョン・バンドの入門ガイド
プロフィール — ザ・スクェアとは
ザ・スクェア(The Square)は、日本を代表するジャズ・フュージョン/クロスオーヴァー・バンドです。1970年代後半に結成され、1978年のデビュー以来、高度な演奏技術とキャッチーなメロディを両立させたサウンドで幅広いリスナーを獲得してきました。1980年代を通じて日本のフュージョン・ムーブメントの中心的存在となり、後にグループ名を「T‑SQUARE」として活動を継続しています。
経歴の概略
- 1970年代後半に結成・活動開始、1978年にアルバムでデビュー。
- 1980年代にかけて数多くの名曲・名盤を発表し、日本のポップス/フュージョンシーンで確固たる地位を築く。
- 1980年代後半からグループ名を「T‑SQUARE」として活動。以降も編成変更を重ねながら現在に至るまで精力的に演奏・録音を続けている。
主要メンバー(代表例)
- 安藤 正裕(Masahiro Andoh)— ギタリスト/作曲家。グループの音楽的指導者として多くの代表曲を手がける中心人物。
- 伊東 たけし(Takeshi Itoh)— サクソフォン/リコー(Lyricon)奏者。力強いメロディ・ラインでバンドの顔となった存在。
- その他、鍵盤奏者やベース、ドラムにおいて時代ごとにメンバー交代があり、各期それぞれの色が作品に反映されている。
音楽的特徴と魅力の深掘り
ザ・スクェアの魅力は「高度な演奏技術」と「ポップで耳に残るメロディ」の両立にあります。テクニカルなフュージョン特有の即興性や複雑なリズムを持ちながら、曲の中心には明瞭で聴き手に訴えかける主題が常に置かれています。
- メロディ重視のアンサンブル:サックスやエレキギターによる歌うような主旋律が印象的で、ジャズ的即興とポップ・ソングのフックを結びつけています。
- 音作りとアレンジ:80年代以降のシンセサイザー/エレクトロニクスの活用や、スタジオでの洗練されたプロダクションによって、都会的でクリアなサウンドが特徴です。
- リズムとグルーブ:ファンク/R&B的なグルーヴを取り入れ、リズム隊が曲に推進力を与えることで聴きやすさと演奏の安定感を両立しています。
- 楽曲構成の巧みさ:イントロ〜Aメロ〜Bメロ〜サビ〜ソロ〜再現といったポップ的構成をベースに、自由な展開やインストゥルメンタルならではのドラマ性が加わります。
- 楽器間の対話性:サックスとギター、鍵盤の絡み合いにより「会話」するようなアンサンブルが生まれ、聴き手を飽きさせません。
代表曲・名盤(入門ポイント)
初めて聴く人には以下の曲・アルバムが入門としておすすめです。どれもバンドの多面的な魅力をよく表しています。
- 「Takarajima(宝島)」 — キャッチーなメロディと躍動するアレンジで国民的に知られる楽曲の一つ。ザ・スクェアの“顔”とも言える作品。
- 「TRUTH」 — 高速でエネルギッシュなナンバー。テレビ中継などで広く使われ、グループの知名度向上に大きく貢献しました。
- デビュー作(例:Lucky Summer Lady) — バンド初期のポテンシャルとフレッシュなアンサンブル感を味わえるアルバム。
- 中期〜後期のベスト/ライヴ盤 — 各時期のメンバー構成やアレンジの違いを比較できるため、継続的な進化を追うのに適しています。
ライブ/演奏面での魅力
ザ・スクェアはスタジオ・ワークだけでなく、ライブでの評価も高いバンドです。緻密に合わせられたアンサンブルから生まれる疾走感、メンバー同士の呼吸による即興的な広がり、そして観客を巻き込むダイナミズムが魅力です。
- 楽曲ごとにアレンジを変えることで、ライブならではの新鮮さを提示することが多い。
- 個々のソロが互いを刺激し合うインタープレイ(演奏の掛け合い)が見どころ。
- 時にアコースティック編成やゲストを迎えて多彩な表現を見せる柔軟性。
作曲・アレンジの視点
安藤正裕をはじめとする作曲陣は、メロディ作りの巧みさとコードワークの緻密さで知られます。フュージョンの即興性を取り入れつつ、曲の“フック”を明確に作ることを重視しており、これが幅広い支持につながっている大きな要因です。
影響とレガシー
ザ・スクェアは日本のフュージョン/クロスオーヴァー音楽に多大な影響を与え、後進のミュージシャンやバンドにとっての理想的なロールモデルとなりました。また、テレビやスポーツ中継のテーマ曲として楽曲が使われたことにより、一般層への浸透度も高く、世代を超えたファン層を持ちます。
聴きどころ・入門ガイド
- まずは代表曲のシングルやベスト盤でメロディとサウンド感をつかむ。
- その後アルバムを時期順に聴き、メンバー交代やサウンドの変化を味わうと理解が深まる。
- ライブ音源は編曲の違いや演奏の熱量を感じられるので、録音盤と聴き比べると面白い。
- 楽器ではサックスやギターのフレージング、鍵盤の音色に注目すると“ザ・スクェアらしさ”が掴める。
まとめ
ザ・スクェアは、テクニックとメロディを両立させた日本のフュージョンを代表するバンドです。スタジオでの緻密なサウンド作りとライブでのダイナミックな演奏、時代ごとに変化するアレンジの幅広さが、長年にわたって支持される理由です。初めて触れる人は代表曲から入り、時系列で作品を追うことでその魅力をより深く味わえるでしょう。
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