Yazooのレコード完全ガイド|Upstairs at Eric'sとYou and Me Bothを軸に、おすすめ盤・再発・シングル・買い方を詳しく解説
イントロダクション — Yazoo(ヤズー)とは
Yazoo(米国ではYaz)は、元Depeche Modeのヴァンス・クラーク(Vince Clarke)とアリソン・モイエ(Alison Moyet)による英シンセポップ・デュオ。1981年に結成し、わずか2作のスタジオ・アルバムと数枚のシングルで短期間に大きな影響を残しました。クラークの洗練されたメロディとシンセのアレンジ、そしてモイエの力強くブルージーな歌声という異質で相補的な組み合わせが、冷たくも感情的なサウンドを生み出しています。
選ぶ基準:どのレコードを「おすすめ」と呼ぶか
ここでの「おすすめレコード」は次の視点で選んでいます。
- 音楽的完成度(楽曲の質、アレンジの完成度)
- 歴史的重要性(シーンへの影響、代表作であるか)
- コレクター的価値(オリジナル盤/特典付き盤など)や再発の充実度
- 異なるニーズに応えるバリエーション(オリジナルLP派/ボーナストラック重視の再発派)
Upstairs at Eric's(1982) — 不朽のデビュー作
Yazooのデビュー・アルバム。冷たいシンセとダイナミックなポップが鮮烈に結びついた傑作で、代表曲「Only You」「Don't Go」「Bring Your Love Down (Didn't I)」などを収録しています。クラークのポップセンスとモイエの表現力がほぼ完成形で表れた一枚で、80年代シンセポップの金字塔のひとつといえます。
- 聴きどころ:メロディの強さ、シンセのレイヤー感とモイエの声質が作るコントラスト。
- おすすめの買い方:オリジナルUKプレスはコレクターズ・アイテムとして価値があります。一方、ボーナス・トラックや12インチミックスをまとめて聴きたいなら、公式のデラックス再発盤(リマスター+ボーナス)を検討すると良いでしょう。
- こんな人に:80年代ポップの名盤をアナログで楽しみたい人、Yazooの“原点”を味わいたい人。
You and Me Both(1983) — 内省的で完成度の高いセカンド
第二作目であり、Yazooとしては最後のスタジオ・アルバム。デビュー作のポップさに比べるとやや内省的で音像の幅が広がっており、モイエの歌の表現がより多彩に聴けます。代表曲「Nobody's Diary」など、曲ごとに異なる表情を見せるのが特徴です。
- 聴きどころ:歌中心のアレンジと、曲ごとに変化するムード。デビュー作の“即効性”とは違う深みがあります。
- おすすめの買い方:こちらもオリジナル盤はコレクター価値が高いですが、リマスターやボーナスを含む再発は未発表トラックや12インチなどを楽しめます。
- こんな人に:Vince Clarkeのシンセ・アレンジの変化やAlison Moyetの歌唱表現の広がりをじっくり聴きたい人。
シングル/12インチ・ミックス集 — クラブ・ヒットとレア・ミックス
Yazooはアルバム曲だけでなく、シングルや12インチのミックスでも幅広い評価を受けました。特に「Situation」は北米のクラブで大ヒットし、多彩なダンス・ミックスが存在します。12インチには延長ミックスやインスト/リミックスが多数収録されており、コレクターやダンス・ミュージック好きに人気です。
- 注目曲:Only You(デビュー曲)、Don't Go、Situation(クラブでの人気曲)、Nobody's Diary
- おすすめの買い方:オリジナル12インチは当時のミックスをそのまま楽しめます。コンピレーションCDやデジタルのベスト版には主要ミックスがまとまっていることが多いので、まずはそれで聴いてからアナログの収集に移るのも手です。
コンピレーション/再発盤 — 初心者とコレクター両方に便利
Yazooは短命なユニットだったため、ベスト盤やデラックス再発がいくつか出ています。これらは主要曲を網羅しているものが多く、入門用として使いやすいほか、レア・リミックスやデモ、ライヴ音源をまとめたエディションも存在します。
- 初心者は公式ベスト/ベスト的なコンピをまず一枚。代表曲を効率よく把握できます。
- コレクターは限定盤や初回プレス、未発表トラック入りのデラックス盤をチェック。2000年代以降の再発ではリマスタリングやボーナス収録が充実していることが多いです。
購入時のポイント(音質・盤の仕様・リリース情報)
レコード購入時に見るべきポイントを簡潔にまとめます。
- プレス元と年代:オリジナルUKプレス(Muteなど)はその時代の音質とプレス仕様が魅力。再発はマスターやEQが違う場合があるので音の好みによって選び分ける。
- マスター/リマスター情報:リマスター盤はノイズ処理やダイナミクス調整がされていることがあり、原音に近いか現代的な聞こえ方かで好みが分かれます。
- 収録バージョン:シングル・エディット、アルバム・バージョン、12インチ・ミックスなど、同名曲でも複数バージョンがあるので目的に合った盤を選ぶ。
- パッケージと付属物:歌詞カード、写真、インナースリーブ、ダウンロードコード、ブックレットなどの有無は再発ごとに異なります。コレクション性を重視するなら付属品もチェック。
Yazooの音楽を深く楽しむための聞き方
短期間で発表された音源群は、時代を象徴するサウンドを凝縮しています。以下のアプローチで聴くと新たな発見があります。
- 対比で聴く:「Upstairs at Eric's」と「You and Me Both」を続けて聴き、デビュー時の即効性とセカンドの内省性を比較する。
- ボーカルに注目:アリソン・モイエの歌の表現力(語りかけるようなトーン、力強いフレージング)に耳を傾けると、楽曲の感情構造が見えてきます。
- リミックス/12インチを聴き比べる:クラブ・ミックスの流れや展開の違いから、曲の別の側面が楽しめます。
まとめ:Yazooのレコードを選ぶときの最短ガイド
- まずは「Upstairs at Eric's」:Yazoo入門として必携の一枚。
- 続けて「You and Me Both」:表現の幅と深みを知るためにおすすめ。
- クラブミックスや12インチが好きなら「Situation」などのシングル&12インチを探す。
- ボーナストラックや未発表音源に興味があれば、公式のデラックス再発やベスト盤を検討する。
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参考文献
- Yazoo (band) — Wikipedia (英語)
- Yazoo — Discogs(ディスコグラフィ)
- Yazoo — AllMusic(アーティスト紹介とレビュー)
- Mute Records(レーベル) — 公式サイト


