Steve Jordan(スティーヴ・ジョーダン)— セッションドラマーの頂点が描くグルーヴの極意と共演史

プロフィール — Steve Jordanとは

Steve Jordan(スティーヴ・ジョーダン)は、アメリカ出身のドラマー、プロデューサー、作曲家。幅広いジャンルに精通する“レコード会社やアーティストが信頼して呼ぶ”トップ・セッション/ツアー・ドラマーとして長年活躍してきました。ブルース、R&B、ロック、ファンク、ジャズにまたがる音楽性と、楽曲の“グルーヴを作る能力(ポケット)”に定評があり、数多くの著名ミュージシャンと共演・レコーディングを重ねています。

キャリアの歩み(概略)

  • セッション/ツアー・ドラマーとしてキャリアを開始。スタジオワークとライブでの信頼を獲得。
  • キース・リチャーズのバンド(X-Pensive Winos)など、ロック系大物との長期的な関係を築く。
  • ジョン・メイヤー・トリオ(John Mayer Trio)のメンバーとしても広く知られるようになり、ライブ作品や共演で注目を集める。
  • ドラマーにとどまらず、プロデューサー/共同作曲者としても活動。アーティストのサウンド作りに深く関与する場面が多い。
  • 近年はローリング・ストーンズのツアーでの起用など、歴史的なバンドの現場でもその“信頼できるプレイヤー”ぶりを発揮している。

演奏スタイルと何が魅力か

Steve Jordan の最大の魅力は「グルーヴの作り方」と「楽曲に寄り添うアンサンブル感」。技巧的に目立つフレーズを連発するのではなく、音の抜き差し、タイム感の揺れ(人間味ある“スイング”や“後ノリ”)、ダイナミクスで曲の良さを最大化します。

  • ポケット(リズムの“穴”に座る感覚):楽曲の心拍を正確に保ちつつも温度感があり、他奏者を引き立てる。
  • ジャンル横断力:ブルースの引き算、ファンクのフットワーク、ロックの推進力などを場面に応じて使い分ける。
  • 音作りとサウンド選択:スネアやキックのチョイス、シンバルやブラシの使い分けで“古くて新しい”温度感を出すのが得意。
  • プロデューサー視点:ドラマーとしてだけでなく、楽曲全体のアレンジや演出を考えるため、スタジオワークでの貢献度が高い。

代表的な共演・参加作(聴きどころ)

  • John Mayer Trio — Try!(ライブ盤)

    ジョン・メイヤーとのトリオでの代表的なライブ作。Jordan のグルーヴが生きた演奏が多数収録されています。生々しいダイナミクスとインタープレイが聴きどころ。

  • Keith Richards(X-Pensive Winos)関連作品

    キース・リチャーズのソロ活動や伴奏で中心的な役割を果たし、リズム・ロック/ブルースの要所を支えています。

  • 幅広いセッションワーク

    Eric Clapton、Bob Dylan、Aretha Franklin 等、多数のアーティストのレコーディングに参加。ジャンルや年代を超えた適応力が確認できます。

プロデューサー/作曲家としての顔

Jordan はドラミング以外にもプロデュースや共同作曲での手腕が知られています。演奏側の視点だけでなく楽曲構築やアレンジ面にも深く関与できるため、アーティストの“音像”を作る場面で信頼されます。プロデューサーとしては、パートの配置や録音時のタッチ、ミックス時のドラム表現にこだわり、古典的な“人間味”ある音づくりを好みます。

ライブでの魅力

ステージ上のJordan は「堅実でありながら反応が早い」プレイヤーです。ソロを出し惜しみするタイプではない一方、チームのグルーヴを崩さず、瞬時に曲の色を変える力があります。即興性の高い演奏でも、土台がしっかりしているため他の奏者が伸び伸びと演奏できる場を作ります。

ファンが注目すべき“聴きどころ”

  • サウンドの“余白”を聴く:Jordan の良さは“叩いている音”だけでなく“叩いていない瞬間”にもある。間(ま)や抜けを注目してみてください。
  • ダイナミクスの変化:曲中でどのタイミングでスティックの当たりや強弱を変えているかを追うと面白いです。
  • 共演者との相互作用:ベース(例:Pino Palladino)やギターとの呼吸を聴くと、Jordan の“伴奏力”がよく分かります。

影響と評価

業界内での評価は非常に高く、「どんな現場でも期待通りの仕事をしてくれる」ドラマーとして重宝されています。若手ドラマーに与える影響も大きく、“テクニックよりもグルーヴ”という哲学は多くのミュージシャンに共有されています。

Steve Jordan をより深く楽しむために

  • 代表的な共演作を聴き比べる(トリオやソロ・アーティストの作品)ことで、曲ごとに変わるアプローチを味わえる。
  • ライブ映像でセットアップや手元、フェイス・コミュニケーションを見るとプレイ意図が分かりやすい。
  • インタビュー記事やドラム誌の特集を読むと、機材選びや考え方の背景まで理解が深まる。

まとめ

Steve Jordan は“職人的な技術”と“音楽的な感性”を両立させたドラマーです。目立つテクニックに頼らず、楽曲のために最もふさわしいリズムを提供するその姿勢こそが、彼の最大の魅力といえます。セッションワーク、ライブ、プロデュースと様々な局面で現場を支える存在であり、彼のプレイを通して“音楽の本質的なグルーヴ”を学べるはずです。

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参考文献